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忍者ムーブ始めました  作者: 大和・J・カナタ
第十五章 第四回イベントに参加しました・弐
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15-17 観戦エリア・6

イベント二日目の昼時は、観戦者達も休息の時間となっていた。イベント参加者達が休憩を取っており、大きな動きが無いのも一つの要因だ。夜の活動に備えて、仮眠をとる者までいるくらいだった。


そうして昼時が終わりに近付くと、各ギルドも動きを見せ始めた。それに伴い、観戦していたプレイヤー達もイベントモニターの周囲へと再び集まり始める。

「大モニター、何でそこを映してんの?w」

「いや、案外おしゃぶりが活躍しててw」

「何だかんだ、イベントでよく見るよな」

「意外と生き残ってて草」

「いや、あいつら弱くはないだろ。レベリングはちゃんとしてるっぽいし、装備も整えているっぽいぞ。あいつらはただ単に……」


「おい、【七色】からハヤテ達が出て来たぞ!」

「大モニター映して! 早く!」

「いつも、張り合う相手が悪いだけなんだよなぁ……」


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『ハヤテ君、後ろで援護しててね! 大丈夫、もう誰も通さないから!』

『落ち着いて、アイ……大丈夫だから』

『あ、あの……クベラさん、無茶しないで、下さい……ね?』

『大丈夫やから、そんな心配せんといてや……』


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「……さっきの【魔弾】戦、アイネちゃんやカノンさんの方が引き摺ってる……w」

「ハヤテが惨敗した時、マジで狼狽えてたよな……」

「撤退を指示したハヤテの顔も、かなりマジだったけどな」

「いやぁ、でもしゃーなくね? 【魔弾】の二人、マジで強かったし」

「メイリアの強さはヤバかったな……ハヤテも強かったけど、あの娘は更にその上ってカンジ」

「ミリアも相当だろ? アイネちゃんとあんないい勝負するプレイヤーって、初めてじゃないか?」


「にしても、クベラは商人だよな? 捨て身の砲撃でミリア落としてたし、大活躍じゃん」

「和装も何か、将軍様お抱え商人みたいな感じじゃない?w」

「将軍様って誰だよwww」

「ヒイロ君でFA」

「将軍……【将軍ロード】……うっ、頭が……!!」

「それはマジでやめてあげろ下さい」


「お? そうこうしていたら[風雲七色城]に、敵ギルドが!!」

「その名前、定着したねぇ……(笑)」

「どれどれ……流石に大規模って事は無いか?」

「違うな、多分中小規模」


************************************************************


『……ひぃっ!?』

『な、なんてことだ……!!』

『俺達のイベント、終了のお知らせだな……』

『あっ、これは詰んだわ』

『相手が、あの夫婦だなんて……!!』

『ヨ、ヨミヨミ!? ヨミヨミじゃないっすか!!』

『あの狐は、何だ……? ってか、あれってモンスターだよな……?』


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「……あれ、どこ?」

「【スライムスレイヤー】かな」

「あー、あいつらか。午前中、マキナ達にやられてたぞ」

「到着早々、絶望してんじゃねーかw」

「でもあいつら、自分の意志で[風雲七色城]に攻め込んで来たんだろ? 何で絶望してんの?」

「守ってんのがあの夫婦だからだろ」

「俺等はジンさんとヒメノちゃん・ヨミヨミが守ってるの知ってるけど、イベント参加中の連中はそれを知らんからな」

「成程、そう考えると絶望の底に叩き落とされるのも無理ないな」

「後が無さそうだし……絶望があいつらのゴールなんだな」

「仮面バイクさんやめろや」


「でも、それ以外なら勝てると思ったのかな?」

「いやぁ……ヒイロ・レン様・シオンさん組はアカンやつ」

「ハヤテ・アイネ・カノン・クベラ組も無理ゲーだろ」

「マキナ氏・ネオンちゃん・リリィちゃん組には負けてるしな」

「ヒビキきゅん・センヤちゃん・ミモリさん組はワンチャン……とか思えるかもしれんけど」

「そこにはユージンさんがいるんだよなぁ……」

「どう足掻いても絶望じゃねーか!!」

「これは魔法少女が魔女化するまであるな」

「僕と契約して絶望して魔女になってよ!! ……って、やめてあげて」


「お、ギルマスのヤツが鼓舞……? してる、のか?」

「ローレンス、必死過ぎて草生えるw」

「まぁ、仕方ないんじゃね? 相手は最速と最強ぞ?」

「うーん、この噛ませ犬感よ……」


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『行きます!! 【シューティングスター】!!』


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「ほらもう!! ヒメノちゃんはまた……w」

「開幕対軍宝具ワロタw」

「えっぐ……大半が落ちたぞ……」

「即死流星群だな」


「そしてジンさんとコヨミちゃんが接近して……」

「くノ一さんも速いな、流石ジンさんのPAC(パック)

「リンちゃんだっけか」

「あのくノ一は、”ちゃん”ってより”さん”って感じ」

「わかりみが深い」


「あ、ヒメノちゃんの方に三人……」

「心配無いだろ、だってヒメノちゃんだぞ?」

「ほーら、【蛇腹剣】でまとめて……いや、一人残った!?」

「あぶなあぁいっ!!」

「ヒメノちゃん、逃げて!!」


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『えいっ!!』

『ええええええええぇぇっ!?』


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「「「ええええええええぇぇっ!?」」」


「矢を手でぶっ刺す弓職、初めて見たwww」

「そりゃ驚くわw」

「それでHP全損するのが、また(笑)」

「別に矢は弓から撃たなきゃいけないって決まりはないからな……w」

「あいつ、めっちゃテンパってんな。マジウケるw」


「実際、矢をブッ刺しても攻撃判定あるのな?」

「みたいだね。まぁ普通のプレイヤーが同じ事やっても、カスダメだろうさ」

「ヒメノちゃんくらいのSTRが無いと、意味ないか」


「あぁ、終わったな」

「速っw」

「流石が過ぎるわw こりゃ、難攻不落w」

「これ、延々と似た様な光景が続くだけでは?」

「姫様とヨミヨミの可愛さ、ジンさんの格好良い忍者ムーブを堪能する時間かな」

「リンさんとヒナちゃんもだろ」

「キツネちゃんもだろ!!」

「それな!!」

「うんうん、わかる」


「ん? ヒメノちゃんの様子が……?」

「どうしたんだ?」


************************************************************


『気付かれたみたいだな? さっすが、【七色の橋】……』

『……【漆黒の旅団】』

『あぁ、お前等にブッ潰された【漆黒の旅団】さ』


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「なん……だと……!?」

「PKギルドじゃないですか、やだー!!」

「いや、むしろ良い展開だ!! ブッ潰されろ!!」

「PKer死すべし、慈悲は無い」

「ジンさん! ヒメさん! やっておしまい!」

「お前はどこから目線なんだ?」


「ん? 待て待て待て……今アイツ、何て言った?」

「【七色の橋】が、【旅団】をブッ潰した……?」

「……俺の聞き間違えじゃないみたいだな」

「そんな事ある?」

「そうはならんやろ」

「なっとるやろがい」

「ちょっと男子ー! 定番の流れはやめなよー!」


「でも確かに、最近は【漆黒の旅団】の話を聞かなかったよな?」

「いやまぁ、言われてみればそうだけど……」

「元々、PKerは大っぴらに活動するプレイスタイルではないだろ」

「でも第二回でも名前は聞かなかったぜ?」

「まぁPKerなら、決闘イベントに出てきてもおかしくはない……のか?」

「ある意味、PKerってPvP専だもんな」

「ん-、でも事前に告知されている報酬次第じゃないかしら?」

「第一、PKerだぞ。真っ向勝負する連中かよ」


「とにかくあいつの言葉が本当なら、もしかして【旅団】は第二回の前には壊滅していたって事だろうな」

「で、それをやったのは……」

「【七色の橋】だな」

「つまるところ、お礼参りか。ならどっちにしろ、ジンヒメ夫婦の餌食だぜ!」

「まぁ、そうなるかー」


************************************************************


『あんがとよ、あのクソッタレどもをブッ潰してくれて。お陰でギルドはそのまま、俺等が乗っとれたんだ。感謝してるぜ、お前等にはさ』

『『……はい?』』


************************************************************


「「「「「はい?」」」」」


「お礼参りって、本当の意味でのお礼じゃねーか!!」

「奴等が、ギルドを乗っ取った!? どういう事だ!?」

「しかも、それを感謝してるってさ」

「わけがわからないよ」

「インキュベーターは円環の理に導かれてどうぞ」

「導かれるのは魔法少女の方だ。いや、論点はそこじゃないんだけども」


「あー、待て待て。以前の【旅団】っていうと……」

「プレイヤーを大人数で囲んで、KILLするって感じだな」

「相手は問わない、気に入らない相手はとことん付け狙うらしい」

「誰も居ないと思っていたら、いつの間にか囲まれているんだってさ」

「クソじゃんか」

「サイテー」

「ラブー! ラブー! クズー!」

「ラブ〇フちゃんは銭湯に帰ろうね」


************************************************************


『あのカス共みてぇに、弱いヤツを狙うのはクソダセェ。それに大人数で囲んで、数の暴力でKILLするのも恰好悪ィ。だろう?』

『まぁ……確かに、格好良くは無いと思います』


************************************************************


「PKはするけど、手段を選ばないって訳じゃない……のか?」

「成程、これがPKの美学か」

「いやはや、納得だね!!」


「いやいや、思考停止すんな。やってる事はあくまでPKだからな」

「PK行為に美学もクソもあるかよ」

「まぁ何でもありの奴等よりはマシなだけで、迷惑行為なのは変わらないわな」

「制限されてないだけで、PKはノーマナー行為だしね」

「強い奴と全力で戦いたいだけの戦闘狂だろ、ありゃあ」


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『先代ギルマス……つまりディグルのアホが、お前等の情報を送って来てな。多分、お前等への復讐目的なんだろうが……逆にこの戦いは、俺等にとっては再出発になるバトルにさせて貰うぜ』


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「ギリィ……」

「ん? 何か変な音しなかったか?」

「歯軋りみたいな音だったな」

「……ま、いっか」


「お、ジンさん達は受けて立つっぽい」

「やっちまえー!」

「ぶっころせー!」

「下品な掛け声やめんかい」


「始まった!!」

「グレイヴ……だっけか、あいつも速いな」

「流石、戦い慣れている感があるな。動きもすげぇぞ……」

「これは、流石のジンさんも楽勝とはいかないか……!?」


「おっ、他のメンバーも……」


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『INTはそこまで高くないんでしょ、お姫様ッ!!』


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「ええぇ~……まさか突っ込むとは……」

「確かにヒメノちゃんのSTRは高いが、その分他のステータスは然程高くない……魔法攻撃はINT不足で、そこまでダメージを受けないとふんだか」

「縛るヤツは? 第二回イベでやってたろ」

「一人縛っても、後ろに二人いるからな。それも込みで、突撃かましたんじゃないか?」

「だがリンちゃんとヒナちゃんの援護も、流石って感じだぜ」

「ヨミヨミとキツネちゃんも、良い動きだな。そこまで不安材料は無いんじゃね?」


「というか今更だけど、キツネちゃん大きいな。ヨミヨミが乗れるくらいだもんな」

「肩や頭に乗れるサイズが、一気にでっかくなったもんな。どうなってんだ?」

「これは掲示板で情報流してくれるのを待つしかないな」

「ハヤテ君なら、ハヤテ君ならきっとやってくれる……!!」


************************************************************


『そんなに悠長に狙っても、当たってなんてあげないわよ?』

『それはどうでしょう? 【縮地】!!』

『な……っ!?』


『なんてね?』

『!?』

『あなたに転移技があるのは、第二回イベントで予習済み。私も同じ状況なら、その戦術を取るでしょうね……羨ましいスキルだわ』


************************************************************


「ああぁっ!! ヒメノちゃんが!!」

「ていうか、未だにあの転移スキルの正体が解らないんだよな」

「ジンも使っていたよな? って事は、ユニークではないと思うんだが……」

「第二回で既に習得済みだったよな?」

「第二回より前……ってなると、やっぱウルトラレア?」

「情報が無いよなぁ」


「いや、第一回で何かあったという可能性は?」

「第一回……まさか、四神ボス!?」


「それよりヒメノちゃんが麻痺してんぞ!」

「これは流石のヒメノちゃんも、無理か……」

「ジンは……ダメだ、グレイヴが行かせてくれない……!!」


************************************************************


『ああぁっ!! すっぽ抜けたぁ!!』


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「おぉっ!?」

「ちょwww」

「なんぞ!?」

「当たったぁぁwww」

「痛そーw」

「ヒメノちゃんにしてみればラッキー、PKerにはアンラッキーなw」

「コヨミちゃんwww」

「でも、ヨミヨミは今、武器が手元に無い事に……!!」

「あぁぁ、ジタバタしてる……かわいいけど」


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『『ぐふっ……!?』』


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「うそーんwww」

「ラッキーヒット二連発www」

「なんて運が良いんだ……w」

「草生えたわwww」

「神掛かったラッキーアタックw」


「しかし、お陰でヒメノちゃんが助かったぞ!!」

「おっ……これは二対三か?」

「あっ……あっ、ヒナちゃん……」

「ヒナちゃん、やられちゃった……!!」

「まだ蘇生は間に合う……けど……」

「通せんぼするPKer、まぁ当然か」

「ん? ヒメノちゃん?」


************************************************************


『……押し通らせて貰います』


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「……ん? んんんん?」

「……あれ、待って? あのポーズ……」

「何か、見覚えがあるんだけど……」

「えぇと、確か……」


「あれ、ジンが()()()()()を使う時の……」

「そうそう、同じポーズだね。流石、ラブラブ新婚カップ……ル……だ」

「……って事は、まさかあぁっ!?」

「嘘だろ!?」

「もう駄目だぁ、オシマイだぁ……PKどもが」

「来ちゃう!? 来ちゃうの!?」


************************************************************


『【変身】!!』


************************************************************


「キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!」

「きちゃったああああああああああ!!」

「最強夫婦が、更に最強に……いいぞ、もっとやれ!!」


「【七色の橋】全員で変身キボンヌ」

「それなんて戦隊……」

「【異世界戦隊】でないのは確かだ」

次回投稿予定日:2022/10/20(本編)

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― 新着の感想 ―
[良い点] 正直「変身」は人権までありそうなんだよなぁ…。 まぁだからこそのガチャ産高レアなんだろうけどw ユージンさん、疑似変身とか作れないかなぁ…。 とりあえず変身二人でWライダーキックかマッ…
[良い点] 観客目線での話は わかりやすくて 改めて 見直しながら 楽しむことができます [一言] 観客が 代弁してますね やはり……?
[良い点] ディグル氏きっと涙目でざまぁwてかディグル氏は自分は後輩に慕われてると勘違いして呼ばれてもいないのにサークルの飲み会にやって来るDQNな大学OBみたいですねw [気になる点] 前回から気に…
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