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忍者ムーブ始めました  作者: 大和・J・カナタ
第十五章 第四回イベントに参加しました・弐
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15-08 幕間・運営観測室2

「他のゲームから移籍してくるプレイヤーも、ここへ来て更に増えたな」

 シリウスがそう言うと、ガイアが頷いてみせた。

「イベントPV等を利用した、宣伝効果でしょう。また他のゲームに無いスキルや装備等も、プレイヤーの興味を惹き付けたのは間違いないかと」

 第一回イベントの始まりの町防衛戦、第二回イベントギルド対抗PvP決闘トーナメント。この二つのイベントで、活躍するプレイヤー達の様子がPVとして公開されている。

 更に第三回イベント、プレイヤーメイドの多種多様な作品。それを身に纏った魔王の姿も、公式ホームページで見る事が出来るのだ。

 これらの宣伝は、効果覿面。新規プレイヤーや、移籍プレイヤーは増加傾向にある。


「ユニークスキルも、徐々にプレイヤーの手に渡って来ているが……コンプリートされているのは、【神話スキル】だけか」

 シリウスの言う【神話スキル】……それはジン達の保有する、ステータス系ユニークスキルの事である。

「【神話】スキルは、コンプリートが予想以上に早かったですね。【九尾の狐】が入手され、そこから立て続けに【酒呑童子】【漆黒の竜】……【神獣・麒麟】と【八岐大蛇】は、同じ日に入手。それから数日後に、六つ目の【鞍馬天狗】でしたね」

「流石にアンジェリカが【八咫烏】を手に入れるまで、間が空きましたがね」

「誰かが第七ステータスを開放しないと、【八咫烏】は手に入らなかったからな。それは仕方ない……むしろ、それを考えたら早いくらいだ」

 そこまで言うと、一人の運営スタッフがモニターにとある情報を表示する。


―――――――――――――――――――――――――――――――

■神獣に認められし者

 【九尾の狐】―――――――ジン

 【鞍馬天狗】―――――――ケイン

 【八岐大蛇】―――――――ヒメノ

 【酒吞童子】―――――――シオン

 【神獣・麒麟】――――――レン

 【漆黒の竜】―――――――ユージン

 【八咫烏】――――――――アンジェリカ


■偉業を成し遂げた勇者

 【デュアルソード】――――アーク

 【マジックブレード】―――ケリィ

 【?????】

 【?????】

 【?????】

 【?????】

 【クレストエンチャント】―ユージン


■聖人の修練を達せし者

 【百花繚乱】―――――――アイネ

 【????】

 【????】

 【????】

 【七転八起】―――――――アレク→シルフィ

 【????】

 【益者万友】―――――――アンジェリカ


■魔人の試練に打ち勝った者

 【千変万化】―――――――ヒイロ

 【一撃入魂】―――――――ハヤテ

 【????】

 【????】

 【????】

 【????】

 【????】

―――――――――――――――――――――――――――――――


「残るは【勇者】と【聖人】【魔人】ですね。既に【勇者】はアークの【デュアルソード】……そして【クレストエンチャント】と【マジックブレード】が入手済みですか」

「【魔人】スキルは【千変万化】と【一撃入魂】……どちらも、【七色の橋】ですね。【聖人】も【百花繚乱】を保有していますし」

「そしてスパイ側が【七転八起】を手にし、それは【聖光】のシルフィに渡った……【益者万友】は、【八咫烏】同様にアンジェリカが持ったまま」


「次は誰が、どれを手に入れますかね」

「イベント中は無いと思うけどな……NPC起点の【聖人】と【魔人】は、通常マップのみでしか手に入らない。そしてイベント中はスキルレベルも、熟練度も変動しない仕様だし……」

「【勇者】スキルの入手条件を達成する手段が無い、やっぱりイベント後だろうさ」

 そんな運営メンバー達の会話を聞きながら、エリアはある事を考える。【聖人】と【魔人】のユニークスキルは無理でも、【勇者】のユニークスキルは入手する手段が一つだけ存在する。

 最もそれを実行するには、PAC(パック)の契約をしていなければ……そして該当するスキルレベルと習熟度が、上限に達している必要があるが。


「そう言えば、【勇者】の達成条件ですが……もう、王手が掛かっているのが一つありますね」

「あぁ……アレか。七つの【勇者】スキルの中で、一番入手難易度が高いんだけどなぁ……」

「条件達成者が複数名いますからね。でももしかしたら、このイベントで誰がアレを手に入れるのかが決まるかもしれませんよ?」

 運営メンバーですら、条件達成が困難と評する条件。しかしその条件を達成するのに、王手を掛けるプレイヤーが居ない訳ではない。

 その中でも有力な候補者について、ある運営メンバーが言及しようとする。

「達成に手が届きそうなのは、やはりアークと……」

 しかし、その言葉は別のメンバーに遮られる事となった。

「……あっ! そのアークが……!」

 一人の運営メンバーがアークの動きについて声を上げると、他の面々は視線を彼に集中させた。


「どうした?」

「興味深い対戦カードです。【聖光】のアークが、【フィオレ・ファミリア】の拠点に辿り着きました!」

次回投稿予定日:2022/8/10(本編)

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― 新着の感想 ―
[良い点] 七色の虹が大量に入手してるのは予想の範囲内だけど、どこぞの夫妻がゲーム内でも勇者してるの笑うし奥方は入手早すぎない?w しかし、虹の最恐カップルが聖人と魔人かぁ…ピッタリだけど怖いんよw…
[良い点] ユニークスキルってそういう内訳になってたんですね。勇者スキルのアレってどういったものか今から楽しみです。しかし最後の運営のやり取りはフラグでしかない運営は一級フラグ建築士か何かでしょうか?…
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