短編 突撃! 彼氏のオフトゥン
糖分を補給して下され。
M▲Xコーヒーを飲んでいる人は、今すぐ飲むのをお止め下され。
どうも、私です。あ、これだと誰だか解らないよね? センヤだよん。
私は今、カッコカワイイ(ここ重要)マイ彼氏である、ヒビキの部屋の前に居ます! 何故かって? 決まってるじゃん、突撃! 彼氏のオフトゥンの為だよ!
年頃の娘のする事ではないとな? HAHAHA、まぁ、ですよねー。
でもね、お忘れかな? 私とヒビキは幼馴染なのだよ。同じ布団で寝るのなんて、何度だってあったんだ。
身の危険? それこそナイナイ。ヒビキは可愛い顔して、紳士だからね。
しかもホラ、うちには超ラブラブバカップル夫婦がいるじゃん? なのに二人は節度を守った清いお付き合いをしている訳でさ。そんな良いお手本がいるからか、私もヒビキも影響を受けちゃったのさー。
ちゃんと自分達で責任を取れる様になるまでは、清く正しいお付き合いにしよう! ってね!
という訳で、突撃ー……あれ、カギ掛かってんじゃん!! オーノー、私の嬉し恥ずかし計画が頓挫したぁ!!
「何やってんの、センヤちゃん……」
「うぉっ!! 寝てたんじゃなかったの!?」
薄暗い廊下から、スッと現れたヒビキ!! 服の生地が暗めだから、尚更ビックリしたよ!! 誰だよ、ヒビキにこんな服渡したの!! あ、私だわ。
「……何か、変なこと考えてる顔してる」
「変とは失敬だな、ヒビキってば! 単にヒビキの服が黒いのは私のせいってだけの事じゃんか!!」
「うんオーケー、よく解らない事が解ったよ」
呆れ顔で笑うヒビキ、何で解らないかなこれが。
「で、こんな夜更けにどうしたの?」
「え? あぁ、うん。夜這いに来た」
「夜這いて……あぁ、添い寝しようと思ったんだね?」
流石ヒビキ、速攻で私の考えを見抜いたね!!
「良いでしょ? ジンさんとヒメのんだって、添い寝なうだし。きっとナウはロマンティックだよ」
「今■さんの黒歴史ソングっぽく言うのやめようよ……はぁ、まぁ良いよ」
おっ? 今日のヒビキは、すんなり受け入れたね? いつもは中々、首を縦に振らないのに……。
「ははーん、デレ期だね?」
「それ言ったら、僕は常にデレ期だと思うよ……センヤちゃんの事、大好きだし」
「いやん、照れる」
ヒビキはちゃんと、ストレートにそういう事を言ってくれちゃうからなぁ。
「とりあえず、入ろうか? ちゃんと仮眠取らないとね」
「そだねー! あ、余は腕枕を所望するぞい?」
「キャラがブレッブレじゃんか……まぁVRだから腕が痺れたりしないし、良いよ」
……
一緒に一つの布団に入って、ヒビキの腕を枕にする。でへへ、役得。
「それで、どうしたの? 何か相談……それとも言いたい事でもあった?」
ヒビキは私を見て、そんな事を口にする
「あれ、さっき夜這いって言ったじゃん」
「センヤちゃん……成程、自覚がないパターンか」
む、そう言われると、そう……かも?
「流石ヒビキ、私の事を私以上に知ってるね」
「ずっと、センヤちゃんを見ていたからね。それが何かわかったら、教えてね」
急かしたりしない、そんなヒビキの言葉。それが嬉しい。私を大事にしてくれる、受け止めてくれるって信じられる。
あぁ、そうか。私は多分、ヒビキにこれが言いたかったんだ。
あの二人の愛情の深さを見て、思ったんだ。ジンさんとヒメのんみたいな、最高の夫婦になりたいなって……ううん、違うな。私達は、あの二人に負けないくらい強い絆で結ばれている。それを、ヒビキと確認したかったんだ。
「ヒビキ、愛してるぜ」
「知ってた。僕も、センヤちゃんを愛しているからね」
ほーら、そういう所だぞ。全然動じないで、自然体でそういう返事をくれちゃう所だぞ。もー、本当にヒビキは最高なんだから。
私をここまで受け止めて、支えて、愛してくれる男の子は……うん、やっぱりヒビキしかいない。もう、ヒビキのいない未来なんて考えられないね。
「フッ、おもしれー男」
「立場が逆じゃん。面白さで言ったら、センヤちゃんには負けるよ……絶対」
ネタに走っても、適当にあしらったりしないで返してくれる。私の唐突な行動も、苦笑しながらも受け入れてくれる。私の事を、ずっとずっと大事にしてくれる。
そんなヒビキが、今までもこれからも大好きで……愛してるよ。
次回投稿予定日:2022/5/5(短編)
このノリが許されるのは、【七色の橋】ではセンヤ×ヒビキなんだよなぁ。
ちなみに何が描きたかったのかって、センヤの「フッ、おもしれー男」にヒビキが愛のあるツッコミを入れる所です。