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忍者ムーブ始めました  作者: 大和・J・カナタ
第十四章 第四回イベントに参加しました

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14-34 観戦エリア・4

 深夜に勃発した、ギルド側とスパイ達の戦闘。それを目撃した観戦エリアのプレイヤー達は、困惑気味だった。

 なにせ同じギルドの者同士が、怒りを顕にして戦っているのだ。しかも、片方はカラーカーソルが赤になっている。


「何が起きているんだ?」

「【宴】の拠点で爆発が起きて、そこから一斉に外に飛び出して来たが……これは、ただ事では無さそうだな」

「あぁ、しっかりと様子を見ておこう……これは、絶対に何かあるぞ」


「おい、他のギルドの奴等も来たぞ!!」

「湧いて来たぜ!?」

「はいはい、リ〇イさんはお風呂洗ってて」


「しかし、奴等も重犯罪者レッドになってんだな……」

「複数のプレイヤーが、重犯罪者落ちしたのか。しかし、ギルドはバラバラだな?」

重犯罪者レッドは皆、アンジェリカさんの名前を口にしている。最もアンジェリカさん自身は、一般グリーンプレイヤーのままだけど……」

「アンジェリカの取り巻きが、何かやらかした……? いや、しかしそれなら【天使ギルド】に入るだろうし……だぁぁ、わからん!!」

「あ、アークが居た! 誰かロックオンしてるぞ!」


『他人事の様に言うな、アレク。お前達、全員のせいだろう』


「アレク……【聖光】のメンバーみたいだが、何をやらかしたんだ?」

「さぁ? しかし、アーク達の目がマジだぜ……」

「おこ? おこなの?」

「よく解らんが、おこだろうな……いや、あのメンツを敵に回すとかやべーよ……」

「あっ! アレクが逃げたぞ!」

「おい、こっち! 【森羅万象】も動きがあったぞ!」


『裏切りには、代償を。スパイを殲滅するわよ』


「……スパイ? スパイだって?」

「そうか! スパイ行為が発覚して、スパイ達が処されるって事じゃねーの?」

「しかし……だとしたら、エレナがスパイだったってことか? 幹部がスパイとか、やべーな……」

「それにしても、シンラさん……一瞬、めちゃくちゃ哀しそうな顔したな……」

「あぁ、だな……本当に一瞬だったけど」


「他のギルドはどんなだ?」

「【桃園の誓い】なんだが……スパイだったらしいドラグが土下座してんだけどさ……」


『俺は、【桃園の誓い】だ!! 【桃園の誓い】のメンバーだ!! 俺は、ここに居たい!! ここに居させてくれ!!』


「……本気っぽい、かな?」

「うん……何か、本気で謝っているように見えるわね……」

「スパイ目的でギルドに入ったら、ギルドが大事になっちゃったのかな……」

「どうするんだ、ケイン氏……」


『それは出来ない』


「許されなかった……」

「自業自得だけど、悲しいね……」

「本当に反省しているなら、チャンスをあげても良いと思うんだけどなぁ……」

「ん? あれは……」


『お前が、【桃園の誓い】じゃないからだ』


「レオン?」

「【桃園の誓い】じゃないって、どういう……?」


『【桃園の誓い】は、【七色の橋】の姉妹ギルドだ! 忘れたか!』

『彼等に向けられる好奇の視線なんかを……軽減させる為に結成された。それが、【桃園の誓い】よ!』

『俺達も、最初から理解していたわけじゃない……しかし、今は違う!!』

『ケインさん達と話して、ようやく解ったんっす……俺達が、どういうギルドなのかって!!』

『ドラグさん……【七色の橋】を貶めた事……それ自体が、【桃園の誓い】の理念に背いているんです!!』


「そっか……そういう事か……」

「でも、解るわ……【桃園】の結成は【七色】があってこそっていうなら、ね……」

「ドラグぇ……」


「なぁ、【旅路】はどんなだ?」

「それがさ、ルシアと他二人がスパイだったみたいなんだが……」

「タイチに向けて、近付いているな……何か、悲しいな……」

「そうだね……いや、違う!!」


『ルシア!?』


「攻撃した!?」

「おいおい、えげつないな!!」

「タイチが可哀そう過ぎて……」


『ねぇ、助けてくれるんでしょ!? タイチ!! アンジェと私の為に!! 死んでくれる!?』


「……うわぁ」

「病んでる」

「病んでるな……」

「ヤンデレならぬヤンデルか、新ジャンルだな」

「言ってる場合かよ!!」


「ってか、やっぱりスパイ達はアンジェリカと関係がある……のか?」

「信じたくはないが、どうやらそうみたいだ……俺、ファンだったんだけどなぁ……」

「スパイ達は、アンジェリカの為にスパイをしてたのかな」

「アンジェリカファンの暴走……かな。本人は知っていたのかね?」

「で、当のアンジェちゃんは……ファッ!?」

「速い……それに、相手は……」


『行くよ、忍者さん』

『……いざ、参る!!』


「アンジェちゃんVSジンさんだとっ!?」

「マジか!?」

「マジで!?」

「マジだ!!」

「おいコラ、魔法ライダーは良いから」

「まさかの対戦カードだぞ、これ!」


……


「見えん!! 速過ぎて良く見えん!!」

「ぴえん」

「え、鼻炎びえん?」

「違うし!!」

「それにしても本当に速い……アンジェリカ、まさかジンに匹敵する速さとは……」

「んー、しかしアンジェの動画配信では、ここまで速くなかったぜ?」

「ふむ……装備の力か、スキルの力だろうな」


「でも、何か腑に落ちないというか……納得がいかないというか……」

「ん?」

「いやさ、忍者さんは解るよ。あの人は最初っからやたら速かったけど、極振りって噂だし……で、それからも何かこう、段々と更に速くなっていったろ? それって色々と詰み上げていって、あれだけの速さになったんだと思うんだ」

「そうか……努力すれば、ク■ックアップ出来るのか……」

「いや知らんけど。でもさ、アンジェリカは……いきなり強くなって、速くなったっていうかさ。後発組なのにあっという間に楽々で最前線級って、なんか馬鹿にされてる気がしてさ……」


「まぁ、言いたい事は解るけどよ。配信を見る限り、アンジェリカはちゃんとゲームをプレイしてるぞ」

「そりゃあ、そうだろうけど……配信してる時は、だろ?」

「それこそエクストラクエストは、ちゃんとアンジェリカ自身が攻略してんだ」

「だな。もしかしたらスパイからの情報提供とか、ファンからの貢ぎ物はあったかもしれんが……アンジェリカが何も努力していない……ってのは、違うんじゃないか?」

「……あぁ、済まん。そうだな……まぁ、まだ完全には納得いかないけど、さっきのは言い過ぎだった」


『【変身】』


「ほらぁ!!」

「言ってるそばから!! もー!!」

「フォローし切れないじゃんかよぉ!!」


『……マジでゴザルか』


「それな」

「だよね」

「わかる」


「いやしかし、まさかアンジェちゃんも【変身】するとは……」

「ジンさんすらビックリって相当だよね」

「【変身】持ちって、今誰が居るんだ?」

「ジン、アーサー、アンジェリカか? 他はまだ、()()()()()()()()()()は居ないと思うぞ」

「つまりまだ、【変身】するヤツが出てくるかもしれないと」

「ウルレアだっけ?」

「いや、排出率がクッソ低いスーパーレアだよ。スーパーレアの中でも、排出率が調整されているみたいだ」

「あ、ホントだ。ガチャの排出一覧に記載あった」


「って、おいおい!! ジンが押されてる!?」

「うっそだろ!? 忍者さんが!?」

「イベントランカーのジンが押されるとか……アンジェリカって、そんなに強いのかよ!? まだ始めて一月くらいだったろ!?」

「スパイ達の目的はこれか……アンジェリカをトップに立たせる為に、スキルやアイテム、各ギルドの情報を集めていたんじゃないか?」

「……成程」


************************************************************


「本気で潰し合いみたいになってんな……」

「あぁ、大乱闘だな」

「ス〇ブラですね解ります」

「全然違うだろうが」


「なぁ。スパイ達の中で、何か集中して狙われてる奴らが居るよな?」

「【聖光】は、あの茶髪のヤツか。アレクだっけ? アーク達が追っ掛けてるな」

「【森羅】はエレナ、【桃園】はドラグ、【旅路】はルシアか……」

「こいつらが、主犯……かな」


「あと、【七色】のメンバーとタイマン張ってるヤツ……例の青髪君じゃん」

「何かさっき、言い合っていた……ってか、アイツが一方的に怒鳴り散らしてたな」

「ん? よく見たらあの【七色】の兄ちゃん、偽物の騒ぎでも居たな。ネオンちゃんを庇ってた」

「あー! あれか!」

「あん時のイケメンか!!」

「ふむ……外見だけじゃなく、心もイケメンらしいな」

「イケメンで強いのね!! 嫌いじゃないわ!!」

「ルナDさんは帰ってどうぞ」


『【一閃】ンンンッ!!』

『【一閃】!!』


「あっ!」

「何だ、今の!」

「武技を発動しながら攻撃して、相手の武技を逸らした……!?」

「えぇぇ、そうはならんやろ……」

「なっとるやろがい」


「うおお! 【チェインアーツ】!」

「すげぇ! 動きがめちゃくちゃ滑らかだ!」

「彼は技巧派タイプのプレイヤーなのか……!」

「いけいけーっ!!」

「っしゃあ!! 決まったあぁっ!!」

「……いや、まだだ!!」


『今度はこっちの番だ、名井家ェッ!!』


「さっきから、本名で呼びまくってるな……」

「オンラインゲーマーとして、アウト寄りのアウトだな」

「ただのアウトじゃねーか」


「おぉっ!?」

「えっ、技後硬直が……!?」

「一瞬、あいつの陣羽織が光ったな……」


『覚悟しとけよ……お前、許さねぇぞ……!! あいつらなんかより、きっつい方法でイジメてやるからな……!!』

『生憎だけど、もう演技でも君に屈したりしないよ。さようなら、カイト。次は、現実リアル決着ケリを付けよう』


「うわぁ……綺麗なプレイヤーと汚いプレイヤーの決着って感じ?」

「どっちがどっちかは、言うに及ばずだな」

「カイトか、ヤツの事は覚えておこうかな……反面教師として」


************************************************************


『どーも! 姉妹ギルドの援護に来ました!』

『い、一緒に……た、戦い……ます、よ?』


「おおぉっ!? 【桃園】の援護に【七色】参戦!!」

「さっきのドラグのを見た後だと、尚更胸に込み上げるものがあるな」

「ミモリちゃん可愛い……」

「ミモリさんに看病されたい人生だった」

「カノンちゃん、眼鏡外すと尚更美人じゃね?」

「それな。マジで美人よな」

「おい、見ろ!! あれ!!」


『これは、あなた達のスパイ行為を終わらせる戦いです』

『そゆこと。大人しく退場しな』


「【魔弾】も加わったぞ!!」

「きたぁ!!」

「何かこういうの見ると、【魔弾】ってかなりマトモなギルドよな」

「銃とか結構使うヤツ増えてるって噂だし、な。ただイチ早く揃えただけって感じ?」

「ルナちゃんも可愛いよなぁ」

「ビィト氏、あんまり良く見てなかったけど……結構、カッコ良くない?」


「さて、他の【桃園】は……あるぇ?」

「どうしt……うわっ!! なんですと!?」


『精密な動きは出来ない……か。本当にそうかな?』


「何あれえぇっ!?」

「ファンネル!? ファンネルじゃないの!?」

「【ゴーストハンド】だろうが……あんなに的確に、早く動かせるなんて……」

「スタイリッシュ過ぎん? 【ゴーストハンド】ってより、【ゴッドハンド】って感じ」


「あ、おい……ドラグが」

「……やっぱ、勝てないよなぁ」

「まぁ勝ってどうすんだってなるけどね」

「それは言うな……」


『お前が、俺達の事を本当に仲間だと思っているなら……重犯罪者でも、構わなかった』

『ドラグ、お前を【桃園の誓い】から追放する』


「ケインさん……」

「この決断を下すまで、悩んだんだろうなって思うよ……」

「こんなに良いリーダーのギルドに居たのに……ドラグぇ……」


『さようなら、ドラグ……また、何処かで』


『ケイン……! 次に会った時は……』


「ケインさんっ……!!」

「最後まで、ドラグがやり直せるって信じたのは……ケインなんだな……」

「もう……もう……視界が滲んで、何も見えませんッ!!」

「やめろぉ!! もらい泣きすんだろうがぁっ!!」


************************************************************


「あちこちで決着が付いてんのか? こっちはまだまだみたいだが」

「あぁ……エレナ、やっぱ一筋縄じゃいかねーか」

「しかし……エレナは何か、的確に手下を使って【森羅】を封じてるな」

「しかも自分は【変身】で、自分を強化してるしな……最初から、やり合う気だったのかな」


『それがアンタの本性かよっ!』

『あら、幻滅しちゃったかしら? でもごめんなさいね、女ってこういうものなのよっ!』


「酷い風評被害だ」

「女全員がアンタみたいな性悪じゃないんですけど!」

「お、おう……せやな!!」

「ん? おい、何か二人組の野郎が……」


『初めまして。俺はスオウの友人で、セス=ツジだ』

『俺達で良ければ、協力するよ?』

『お願いします。謝礼については、後程』


「セスさん!! セスさんじゃないっすか!!」

「え、誰?」

「始まりの町で、喫茶店をしてるプレイヤーだよ! セスさんのコーヒーが美味いんで、俺ちょくちょく通ってるんだけど……まさか、戦えたの!?」

「喫茶店のマスターの意外な一面ってか?」


『あ? お、おい……! 待て、俺もう戦闘不能しんで……!!』

『来るな!! おい、こっち来んな!!』

『こ、この外道があぁぁっ!!』


「(゜Д゜)」

「エグいwww」

「文字通り肉壁にしやがった……!!」

「外道に外道って言われてんの草生えるわw」

「セスさん……友人は選んだ方が良いよw」

「さて、そのセスさんは……」


『ちょ……直角っ!?』

『バレバレ……か。なら、何合耐えられるか試してみるといい』


「何あれ!?」

「ど、どうやってんだ……!?」

「スキル……かな?」

「いや、どうだろう。エフェクトが一切発生してないし、スキルじゃないんじゃね……?」

「しかし、それだと……」

「あぁ、無理やり直角に剣筋を曲げてる」

「ここへ来て意外な伏兵が……!!」


「おっ!! 流れが変わったぞ!!」

「セスとスオウに引っ掻き回されて、エレナの計算が狂ったか」

「ん? おい、シンラちゃんが仕掛けるみたいだぞ!!」

「何っ!? 全然、動きが無いように見えるが……」

「今、小声で……」


『ハル、この作戦……いける?』

『任せて、お姉ちゃん!』


「作戦って何だよぉ!!」

「うっせー、黙って見てろ!! それにしても、シンラちゃんの思った通りに行くのか?」

「おっ! アーサーが!」

「押し切れるか、アーサー!?」


『【スラッシュ】!!』


「おぉ、【チェインアーツ】!!」

「やっぱランカーだな、無理やり繋いでるって感じがしない……安定感あるぜ」

「ヒットストップで、エレナの動きが止まってんぞ!!」

「アーサー、行けーっ!!」


『【ブレイドダンス】!!』

『な……っ!?』


「決まった!!」

「やったか……!?」

「バカ、フラグ立てんなよ……あぁぁっ!!」

「【変身】は解けたけど……アーサーの動きが……!!」


『……このっ!!』

『させない……!!』


「ナイルたん!!」

「出た、鎖防御……!!」

「おっ!? シアちゃんも……!!」

「となると、アイテル嬢が行くか……!?」


『【ホーミング】!!』


「ん?」

「お?」

「あれっ? 今、矢を撃たずに……あれぇ?」

「いや、狙い通りだ!! アイテル、わざとエレナの注意を引いてる!!」

「あ、あれは……っ!!」


『【リヴェンジ】!!』


「ハルちゃんっ!!」

「決まったあぁっ!!」

「シンラちゃん、すげぇな……ここまで、ピッタリと作戦がハマるとか……」

「え、何それ? アイテルのフェイントとか、シンラさんの指示?」

「いや、アイテルちゃんのアレは……”あそこまで言われたアイテルが、何も考えないはずが無い”って……」

「何だよその読み……未来予知か!?」


「あ、シンラさん……」

「よく見たらシンラさんも、かなりボロボロじゃんか……」

「何気に、回復したりデバフしたり……めっちゃ戦ってたからな……」


『……絶対にアンタ達を許さないわ』

『私もよ、エレナさん。地獄に落ちるといいわ』


「シンラさん、かっけー……」

「成程……戦闘には長けてなくても、シンラさんは良いギルマスだよ……」

「惚れてまうやろ……」

「むしろ、惚れたわ」


************************************************************


「お、【旅路】もいよいよって感じみたいだぜ」

「まぁ、だろうなぁ……」

「【旅路】だって実力者の集まったギルドだからな。烏合の衆に遅れは取らんだろ」


『降参しろ、ルシア』

『そうだよ、まだ今なら……』

『それ以上は言わないでくれる?』


「降参も無し、か……」

「何がそこまであいつらを突き動かすんだろうな……」

「さぁな。でも、アンジェリカが絡んでるのは間違いなさそうだよな」


「ってか、ルシアってタイチの彼女じゃないんか?」

「いつも一緒だし、仲良さげだったけどな……」

「友達以上恋人未満……? それとも、恋人だけどスパイだったとか……?」

「タイチ、すげぇ苦しそうな顔してるな……」

「そりゃあな……」


『ちょっと、タイチにい。犯罪者みたいな怖い顔するの、やめてよ』


「……えぇぇぇ……」

「エルリアちゃん、辛辣ゥッ!!」

「エルリアって、あんな子だっけ?」

「いつもトロロの側でニコニコしてるイメージだったけど……結構、毒舌なのか?」


『やれやれ……【旅路】のエースとあろうものが、ダークサイドに落ちないでよね。あ、ベ〇ダー卿のマスクいる?』

『いるかぁっ!』


「www」

「コーホーしちゃうのかwww」

「ってか、タイチの顔色が変わったな……もしかして、エルたんはその為に?」

「おぉ……!! そういう事か!!」

「エルリアさん……なんて素敵なんだ……!!」


「おっ!? ルシアが動いたぞ!!」

「タイチとエルリアを見て、怒ったのかな……?」

「かもな……とはいえ、スパイ行為をしてたんだ。逆ギレもいいとこだろ」


『チッ……邪魔しないで、オヴェール!!』

『いや、するでしょ。それは』


「そwwwれwwwなwww」

「確かに、邪魔するよねw」

「オヴェールだっけ? 美人な上に強いぞ、ありゃあ。動きが凄く洗練されてる」

「また、要チェックプレイヤーが増えたなぁ」

「おぉ!! 他の奴等も!!」


『こっちは即席おたくらと違って、仲間ギルドなんだよ』

『そういうこと』


「今の、技後硬直を計算してやったんだな」

「ん? どゆこと?」

「二人一組で、技後硬直で動けない時間も把握して、フォローし合ったんだよ。ゼノンとウィンフィールド……すげぇ連携プレーだ」

「おぉ……!!」


「あっ、イクラが……!!」


『終わりだ、ルシア』


「入った……!!」

「HPは……あぁ、終わったな」

「ルシアも戦闘不能、か……ん? 何か、ルシアの様子が……」

「タイチに向かって、何か言ってる?」


『タイチ!! 私は……』


「……切ねぇな」

「タイチも、辛いだろうな……」

「ルシアをやらせなかったのは、わざとみたいだな……タイチの為に、イクラさんもエルリアたんも率先して動いたのか……」

「……【旅路】は良いギルドなんだなって、改めて思ったわ」


『エル、決着ケリを付けに行こう。こうなったら、徹底的にやってやる』

『おけ、止まるんじゃねぇぞ』

『どこの隊長だ……止まらねぇよ!!』


「タイチ……!!」

「頑張れ、タイチ……!! その悲しみを乗り越えて、強くなれ……!!」

「……まぁ、タイチを応援したいのは理解できるんだが……何目線なのよ、俺等は……」


************************************************************


「スパイらしき奴等は、もう残り少ない?」

「だなぁ……あ、あそこの画面! あれ、アーク達だ!」

「……追っ掛けてるのは、さっきのアレクって奴だな」

「アークにシルフィ、ギルバートにライデンか……」

「【聖光】のトップ達が追っ掛けてんのか……これは間違いなく、即死案件だろ」

「おっ、アレクが止まったぞ!」


『ようやく観念したか、アレク。お前をギルドから追放する前に、やっておく事がある』

重犯罪者レッドのデスペナルティは、君も知っているだろう? 我々を騙し、利用して来た代償を支払って貰うよ』


「そういや、イベントではデスペナってステータスダウンだけだっけか」

「……あ、そうか!! 重犯罪者レッドの奴等は、スキルやアイテム……装備が全部ドロップするはずだよな!?」

「……確かにそうだけど、さっきから重犯罪者レッド達が落ちても何もドロップしてないよな」

「あー、確かに……ん? でも重犯罪者レッドへのペナルティは、発生してないとおかしいよな? ルールやマナーに違反してる、本当の意味でのペナルティなんだし」

「……もしかするとドロップする代わりに、所属ギルドのリーダーに引き渡されるとかか?」

「……成程、慰謝料代わりだな」


『彼等がギルドの為に動く代わりに、我々は彼等が出来ない事を成し遂げる。彼等が更に強くなる為に、我々が彼等の進む道を切り拓く。それが【聖光の騎士団】の掲げる信条だ』


「ギルバート……!!」

「ギルバート、かっけー……」

「最近、ナンパしてないギルバートさんじゃないっすか」

「綺麗なギルバート、本気で格好良いよな」


「おっ、いよいよ処されるか?」

「あー、動きも大した事無いな。トップランカーにゃ程遠いわ」

「おぉ! アークの攻撃……決まったぁ!!」

「瞬殺でしたな」

「ただのカカシですな」


『なーんてな』


「……は?」

「何で!? 蘇生二回目!?」

「蘇生って≪ライフポーション≫をかけられるか、≪聖なるメダル≫を使うしかない……よな?」

「あっ、姐御……!!」


『【ブレイドダンス】!!』


「姐御に何してんだ、クソ野郎!!」

「頑張れ、姐御!!」

「あっ、アーク!! ナイス、アーク!!」

「ブッ潰せー!!」

「いや……まさか……!!」

「また復活!? どうなってんだ!?」

「あいつだけ、何度でも蘇生できんのか? 何だよ、それ……」

「ゾンビみたいな奴だな……」

「蘇生……ゾンビ……デンジャラス……うっ、頭が!!」

「ゲーム病かな?」

「ゲーム脳だろ」


「おっ? ライデン?」

「ギルバートに、≪ライフポーション≫を割らせたな……?」

「……あ、もしかして!!」


『手品の種は、アイテムのストック……≪ライフポーション≫の蘇生効果を、発動待機ストックするスキル。もしかしたら、ユニークスキルかな?』


「ユニークスキル……だと……!?」

「しかし、成程? そう考えると、あり得なくはないか?」

「重複してガッツ効果か。確かにそりゃあユニーククラスだな」

「アンジェリカも、何かユニークを二つ手に入れてんだよな?」

「あぁ……【八咫烏】と【益者万友】だな。効果の詳細は公開されてないが……」


『くっそおぉぉっ!!』


「顔真っ赤www」

「チョロいな」

「煽り耐性はザコレベルとみた!」

「まぁ今は煽られてるというより、追い詰められてる訳だけどね」

「必死過ぎる……ふっ、無様ね」


『ウゥゥアァァァッ!! 寄るんじゃねえぇぇっ!!』


「最早、駄々っ子にしか見えない」

「ドラグもあんな感じだったぞ」

「ギルバートに全部捌かれてる……ギルバート、やっぱ強いんだよなぁ」

「あっ、死んだ」

「打ち止めか? やっぱ回数制限はあるみたいだな」

「檀●斗神には程遠かったな」


『黙れ!! 全てはアンジェへの愛の為だ!!』


「「「「はぁ???」」」」

「あいつは、なにを、いっているんだ?」

「思わず呆れちゃったわ……愛ですって? 何言ってんの、あいつ」

「しかしこれ、アンジェリカがこいつらを利用してるのか? それとも、こいつらがアンジェリカを利用してるのかな」

「さぁ……でも、何かろくでもない裏がある気がしてならないわ」


************************************************************


『次は、誰にしましょうか……』


「うわぁ……」

「銃の悪い使い方……」

「これ見ると、【魔弾】ってちゃんとしてるんだって思うね」

「比較対象にならんだろ、このクズとレーナちゃん達じゃ……」

「あと、銃といえばあの人な」


『おっと、さっきぶりじゃないッスか……』


「キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!」

「クズ銃使いに、本物の銃使いが引導を渡すんですね、解ります!!」

「撃っていいのは撃たれる覚悟のある奴だけだ。古事記にもそう書かれている」

「マジかよ、古事記すげーな」

「何で古事記にル〇ーシュの言葉が書かれてるんだよw」

「いや、待て!! まさか……!!」


『私達二人が、お相手します』


「最凶カップルじゃないですか!! やだー!! と言いたいが、全く嫌じゃない自分がいる!!」

「これで勝つる!!」

「ハヤ×アイしか勝たん!!」


『おや、二人がかり。正々堂々が信条の、【七色の橋】では無かったのですか?』

『当然、相手によります。貴方は、正々堂々を謳う気は無いのでしょう?』

『そういう事。そっちのやり方に、倣うだけッス』


「せやな」

「わかる」

「どの口が言ってんだ、このクソ野郎は」

「手下に拘束させて、抵抗出来ない所を射殺してた人間の言っていい台詞では無いね」


「おっ、おっぱじめた!!」

「って!? えぇぇぇ!?」

「あれは、ナイルたんと同じ……!!」


『あぁ、これですか? 私は見ての通り、か弱いのでね……アンジェから譲り受けたんですよ』


「鎖防御だと!?」

「汚い、流石スパイ汚い」

「綺麗な忍者の仲間からしてみれば、完全に汚物だろうなコレ」

「あぁっ、アイネちゃんが!! 何してんだ、このクズ!!」


『まだです!』

『な……このっ……!!』


「……おっ!!」

「薙刀で鎖と銃を逸らしてる……!?」

「あぁ……それにしても、あの薙刀捌き……ふつくしい……」

「しかし、自動防御は機能してるっぽいな……まだ、野郎はダメージを食らってない」


『それに忍者も、アンジェには勝てません!! 彼女は、ジンの弱点を知っていますからね!!』

『まさか、ドラグさんが……?』

『あの意気地無しは関係ありません。単に私が、独力で調べ上げた結果に過ぎない……』


「ジンの、弱点……?」

「え、何それ? そんなものあったの……?」

「弱点……ヒメノちゃんには甘い、とか?」

「甘いのは二人の関係の方だけどね」


「しかしアイネちゃんの様子を見ると、ドラグはその弱点知ってたのかもな」

「【桃園】は皆知っているのかも。でも、あの様子だと……ドラグはそれを広めてないのか?」

「スパイならその辺広めても良さげだよなぁ」


『夢を絶たれた哀れなガキも、すぐに始末されるでしょうね』

『テッ……メエェッ!!』

『……許さないッ!!』


「……夢を絶たれた? どういう意味だ?」

「解らん……しかし、こいつ本気でクズだな」

「何かデリケートな事情があるのかもな。だからドラグも広めなかった……か?」

「ケインとのやり取り見ると、ドラグはまだマトモな方な気がするし……」

「だな。ハヤテ君もアイネちゃんも、激おこだし……きっと何かあるんだろうな。ジンさんが心配だが……」

「あぁ……それにしても、あのスパイはわざと二人を怒らせたはず。冷静さを欠いたら……」

「あぁっ!! ハヤテが、撃たれて……!!」


『お前のユニークスキルが魔力による攻撃強化ならッ!! 物理攻撃を魔法攻撃に変える手段もあるって解るんだよッ!! 間抜けがッ!!』


「……ユニークスキル?」

「え、まさかハヤテもユニーク持ってるの?」

「魔力による、攻撃強化……それが、ハヤテのユニークスキルなのか?」

「あいつはそれを知っていたっぽいな。どういう事なんだろう?」

「しかし、ハヤテとアイネもこのままじゃあ……」


『……ぷふっ……あーあ、ノせられちゃった』


「!!」

「その、台詞は……!!」

「レー○ーさんじゃないですか!!」

「おい、監察医!!w」


『もう、遅いですよ』

『あっれ~? 忘れたッスか? 決闘の時も、ヒイロさんがやってたじゃん』


「あぁ、確に!!」

「鎖の防御が固くても、動かなければどうという事はない!!」

「いやヒイロもだけど、それをやってのけるアイネが凄いんじゃよ……」

「ふっ……これは勝ったな!!」


『俺の彼女に近付くんじゃねぇよ』


「……こわっ」

「あれは、マジで最凶っすわ」

「っつーか、普通にドスの効いた声してんっすけど。マジでパネェっすわ」

「やばたにえん……」


『……絶対に、報復してやるぞ……ガキ共、せいぜい楽しみに……』

『あ、ゴメン。聞く気が無かったから撃っちゃった』

『貴様ああああああああぁっ!!』


「ざまぁwww」

「ハヤテきゅん、ナイスよ!!」

「やられっぷりが、雑魚過ぎぃ!!」

「ってか、銃と鎖に頼り切ってたもんな。本当、それ考えたらPSなんて微塵も感じられなかったし」


『スパイ共ッ!! 俺を蘇生しろ!! アンジェに会わせてやるぞ!! 俺ならそれが出来る!! 早くしろ、このノロマアァァッ!!』


「うわぁ」

「クズ過ぎ」

「あれで回復して貰えると思ってんのかな」

「しかし、今の……アンジェリカに会わせるって? どういう事だ?」


『貴様ら、早くしろ!! 早く俺を蘇生しろ!! アンジェが、アンジェが大変な事に……ッ!! 早く、止めないと……!!』


「あっ、死んだ」

「悪は滅びた……」

「しかし、アンジェリカちゃんが大変な事にって、何だ?」

「さぁ……むしろ、これ以上大変な事になるか?」

「で、当のアンジェリカは……」


************************************************************


「あっ!! 大変だ、忍者さんが……!!」

「雑魚が一斉に……でも、ジンなら余裕で……」

「違う!! 雑魚にも対応しなきゃいけないせいで、アンジェリカと拮抗していたバランスが崩れた!!」

「あー……被弾してるな……」

「このままじゃ、変身が……」


『ジンさん……っ!!』


「今の矢は!!」

「ヒメノちゃん!?」

「しかし、ヒメノちゃんの力でも……」

「ん? いや、待て……」


『【我等は比翼の鳥、連理の枝】』


「何だ……? ウィンドウ?」

「あぁ、ウィンドウで何かを操作してるな……何だろう、あれ?」

「ああっ!! ジンさんが……!!」

「【変身】が解けた……このままじゃ、アンジェリカに……!!」


『邪魔だッ!!』

『ぬおぉっ!?』


「えっ?」

「何だ、あのパワー……」

「今のあれ、出来る?」

「相当なSTRじゃないと無理じゃないかな……」

「283かな?」

「ゴリライズしたのかな?」

「んなバカな」


『ヒ、ヒメノだ!! 何かウィンドウを操作していた、彼女を倒せば……!!』


「……そういや、ヒメノちゃんが何かをしていたな?」

「あぁ、そうだな」

「そしてヒメノちゃんが何かした結果、ジンさんが怪力になったな?」

「そうなるな……」

「ヒメノちゃんは、自分の力をジンさんに貸したのでは?」

「かもしれないな……」

「だとしたら、ヒメノちゃんは弱体化している?」


「「「……」」」


「逃げて!! ヒメノちゃん逃げてぇ!!」

「やめろスパイ共!! ヒメノちゃんはAWOセカイの宝なんだぞ!?」

「い、いや!! 待て!!」


『こんばんは、ヒメノさん。またお会いしましたね』


「……」

「……」

「……」


「……ハッ!! み、見惚れてた!! 誰だ、あの美人!!」

「ハッ!? お、おう!! そうだな!! 綺麗だな!!」

「ハッ!! お、思わず言葉を失っちゃったわ……」

「凄く綺麗な人……同性でも惚れちゃいそう……」


『おっと、そこまで』

『それ以上は許可しないわ』


「ユージンさんも参戦ッ!!」

「これで勝つるっ!!」

「レーナちゃんhshs!!」

「レーナちゃんっ!! 俺のハートも射抜いて!!」


『あら、私達も忘れて貰っちゃ困るわ』

『遅くなったけど……ヒメノさんには、近付かせない』

『大丈夫ですか、ヒメノさん!』

『私達が護衛に回りますね!』

『すぐに駆け付けられんかった、堪忍な!』


「ジェミーさんっ!! 相変わらずお美しい!!」

「メイリアちゃん!! 俺だ!! ケッコンしてくれぇ!!」

「リリィちゃんキター!!」

「ヨミヨミイイイィッ!! 頑張ってえぇぇっ!!」

「クベラさん、ボロボロなのに……いけえ!! ファイトォッ!!」


『スパイ共を頭領様から引き離すぞ!』

『頭領様の邪魔をさせるな!』


「あ、あいつらは!!」

「あの恰好、忍者……だよな?」

「あぁ、間違いない……あいつら、【忍者ふぁんくらぶ】だ!!」

「普通に強いんですけど、何アレ」

「頭領様って、ジンの事? どういう事なの?」

「さぁ?」


「しかし、この戦力差……ジンさんも、ヒメノちゃんのお陰でスーパー忍者タイムだ。もう形勢は決まったな」

「勝利の法則も決まったな」

「それはもう良いから」

「個人的にスーパー忍者タイムというパワーワードが超好み」

「古事記に書き足しとくわ」

「いつから古事記はウィキ〇ディアになったんだよ」


「ん? アンジェちゃんが……」

「そう言えば、今の流れで全く攻撃してなかったな」

「どうしたんだろ? 流石に不利を悟ったのかな?」


『……君は、アレク達の愛は愛じゃないって言ったよね? じゃあ、君にとっての愛ってどんなもの?』


「愛?」

「どうした、いきなり?」

「何故、ここで愛……?」

「愛とは何か……哲学だな」

「愛されるより愛したい」

「マジで?」

「嘘、めっちゃ愛されたい」


『それが正解かは、拙者も解らぬでゴザル。しかしそれは求めるものでも、与えるだけ……ましてや、押し付けるものでは断じて無い』


「……む?」

「おぉ……?」

「ジンさん……」


『一緒に、育てていくもの……それが拙者の考える、愛でゴザル』


「……ジンさんッ!!」

「一緒に育てていく……深いな」

「小生、不覚にも胸キュン」

「全く、ジンさんは最高だぜ」

「ジンかっけー……」

「馬鹿野郎!! ジンさんだ!!」

「ジンさんかっけー」

「よし!!」


「で、何で愛について語ったんだろうな?」

「さぁ……でも、二人共真剣だしな。何か、深い理由があるんだろう」

「この台詞こそ、古事記に!!」

「古事記はもう忘れろぉ!!」

「あっ……アンジェリカが動い……」


『【一閃】!!』


「……フアァァァーーーッ!?」

「何だ、今の……!?」

「なぁ、ダメージ数値……今、何桁いってた?」

「……四桁、だったな?」

「さっきまで、ジンさんが攻撃しても一桁だったのに……?」


「あぁっ!! 決まったあぁっ!!」

「アンジェちゃんがブッ飛んでる!!」

「いや、それだとアンジェリカさんの中身がブッ飛んでるみたいじゃないか?」

「あっ、拠点内に……くそっ、アンジェちゃんは無事なのか? 中が見れないと解らないよ!!」


「それにしても一撃で【変身】を破って、更に一撃でアンジェちゃんを倒しちまったな……すげぇ」

「ははーん、私解っちゃったわ!! ヒメノちゃんのお陰ね!!」

「まぁ、そうだろうな……」

「ステータスを貸す……とか、そういうスキルかな?」

「良いじゃんか……ジンさんとヒメノちゃんの、愛の力って事で」

「愛の力ってすげー……」


「もう、重犯罪者レッドも少ないな」

「抵抗しようとしてる奴らも、もう残り僅か……って、待て!!」


『俺達が、それをさせると思うか?』

『これ以上の好き勝手は、決してさせません』

『総員、かかれ!!』

『今が好機だな……皆、行こう!!』

『いよいよ大詰めよ~。皆、行きましょう~!!』

『俺達も行くぞ!! スパイ共を、殲滅する!!』

『仲間達の分まで、やらせて貰うぜ!!』

『お前達!! 頭領様に続けぇっ!!』


「ダメ押しがエグいね!? いいぞ、もっとやれ!!」

「スパイは、もう皆死ぬしかないじゃない!!」

「突然の〇ミさんやめーや」

「ヒイロきゅんもレンしゃまもカッコいい……」

「【聖光】と【森羅】の大規模に、中規模の【旅路】……そこに【七色】・【桃園】・【魔弾】の三ギルド……豪華だな」

「そしてトドメに【ふぁんくらぶ】」

「それな」

「時々で良いから……【白狼】の事、思い出してあげて下さい……」

「いや、だってヒューズだけしか居ないじゃんか……」


************************************************************


『アンジェリカ君の戦闘不能を確認したよ』


「おっ、ユージンさん」

「そういえばユージンさんが、ユージンさん時々ユアンだって知ってるのはまだ【七色】と俺等くらい?」

「じゃないかな……とはいえ、もうこの感じだと隠す気も無いらしいけど」

「しかし、アンジェちゃんは落ちたか……まぁ、だよなぁ……」


『ヒメっ!!』

『ジンさん!!』


「イエス、フォーリンラブ」

「やめろ」

「くっ……甘い!! 甘過ぎる……!!」

「視覚で感じる甘さとは」

「バケツプリン見てさ、あまーいっ!! って叫んだ事があるんだよ……今、あの時よりも良い声で言えそう」

「良いだろう、やってみろ」

「ああぁぁぁまあぁぁぁぁいっ!!」

「うっせー」

「うっせぇ」

「うっせーわ」

「やれって言ったじゃん!?」


『ジンさんが無事で良かったです!! 本当に、お疲れ様でした!!』


「……見ろよ、このとろけるような笑顔……」

「ヒメノちゃんの愛妻ハグ、超羨ましい」

「尊み秀吉」

「美少女を幼な妻にして愛を育みたい人生だった」

「もう妬む気も起きないよ……二人の末永い幸せを祈るしか出来ない……」

「さっきの愛云々も含めて、この二人は応援する以外の選択肢が無いわね」


「それにしても今回の件、何が何なのかよく解らんな」

「えーと、各ギルドにスパイが居た……そいつらが何故か重犯罪者になって、ギルド連合軍と戦って敗けた……かな?」

「まぁそうなんだろうが……何がどうしてそんな事になったんだろうな」


『スパイ達は、揃って強制ログアウト。俺達の仲間を暴行したカイトについては、現実の方でも手を打っていますし……』

『そうね~、私達も獅子身中の虫を排除出来たし~』

『あぁ、裏切られた事は残念ではあるが……それに気付けないまま、利用され続ける事態は避けられたしな』


「【七色】の仲間を暴行? え、リアル案件? タイーホ?」

「これまでの流れから察するに……被害者は、さっきのマキナ氏か?」

「そうかも……つまり、カイトがクズだと証明されたな」

「100%クズな」

「いいえ、1000%です」

「ZAI▲にお帰り下さい」

「他の奴等も、カイトのせいで色々バレたって事じゃないか?」

「……戦犯がカイトっぽいのは解った」


『では、ここからは本来の形に戻る……という事で構わないか?』

『えぇ、ここからが本番。存分にイベントを楽しみつつ、競い合いましょう』


「そういえば今、イベント中でしたね」

「忘れてたのかwww」

「スパイ撲滅の為に、一致団結したか。つまりこっからは、純粋なGvGに移行するって事だな」

「今が一日目の深夜……まだ、一日半残ってるもんな」

「早めにスパイを駆逐した感じかな?」


『こっちも気にしなくて良いんだぜ? むしろ、ウチのメンバーのせいで君達は風評被害を受けたんだ。逆にこっちが、ギルメン総出でお詫びに行きたいくらいだ』


「ヒューズが、風評被害って言ってる」

「例の不正疑惑だろうな……という事は、やっぱり【七色】は無罪?」

「無実の罪をスパイ達に着せられた……って所か」

「そして他のギルドを巻き込み、スパイを撲滅した……と?」

「やられたらやり返す……何倍返しだ?」

「十倍は超えてるよな、多分」


『それは是非。もしくは皆さんを、ウチのホームにご招待するというのも考えているんです。皆さんがご迷惑でなければ、ですけどね』

『それは魅力的な提案だなぁ』

『確かに。ちょっと興味あるわね~』


「僕も興味があります」

「良いなぁ、[虹の麓]訪問。俺もしたいわ」

「和風建築らしいし、中見てみたいね」

「ケッコンカッコマジ済みのジンさんとヒメノちゃんの新婚部屋はあるんですか!?」

「!?」

「!!」

「それだ!! 見たい!!」


『まぁ、この件はギルドの方達の意見もあるでしょう。ギルドクリスタルの制限時間もありますし、一度ここらで解散しますか?』


「あ? ギルドクリスタル……?」

「クリスタルがどうかしたのか?」

「クリスタルは拠点から離れると、一時間で自然破壊だからだよ」

「一時間……経ってなかったんだね……」

「怒涛の展開だったからな……」

「ひとまずこれでお開きっぽいな……」

「ここからは純粋なガチンコ勝負か。どんな戦いになるのか、楽しみだ」

次回投稿予定日

2022/4/20 1:00(第十四章の登場人物)×2

主要ギルドとその他、二つに分けて投稿致します。

主要ギルドの方は、ちょっと実験も含んでます。


続けて次回投稿予定日

2022/4/25(短編)

このタイミングで描きたい話があるので、第十五章に入る前に短編を投稿します。

尚、短編は本気で短いので、更新ペースを五日間隔でお送りします。



P.S.Ma-kun様

いつもありがとうございます。

ここぞとばかりに、「ドラグぇ」させて頂きました。

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― 新着の感想 ―
[一言] え?スーパー忍者《バジリスク》タイム?
[良い点] 一気見タイプなので久々に見ました。 やっぱりライダーネタが多いww!! この掲示板民的なノリ大好き!! ZAI▲とデンジャラスなゾンビ神の公式コラボ見た後にこの回見たらもうやばいww い…
2022/04/21 23:19 通りすがりのオタク見習い
[良い点] スパイ達については一旦の幕引きが行われ、本編の方ではギルド同士のガチバトルとなるのが次章なんですね。 どこのギルドも前回大会から積んできたモノをどのように発揮するのか楽しみです! [一言]…
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