14-06 観戦エリア・1
色々描いていたら、頭がバグってこんなん描いていました。
消すのが勿体ないなと思ったので、折角だからうpしてみます。
頭を空っぽにしてご閲覧下さいませ。
イベント観戦の為に用意された、観覧エリア。そこに転送されたプレイヤー達は、大型のモニター……もしくは自分のシステム・ウィンドウで、イベントの様子を見る事が出来る。
見る事が出来ないのは、ギルド拠点の内部だけ。それ以外は、どこでも自由に見る事が可能だ。
ちなみに、視点は水平より下が見れない。つまり、スカートの中を覗き見る事は出来ない様になっている……当然の配慮である。
一部のプレイヤーは、この仕様に不満を漏らしたが、すぐに周囲のプレイヤーから白い目で見られて場所を移動した。さもありなん。
さて、イベントはまだ前半戦。しかしその中で、数々のギルドが激しい戦いを繰り広げてみせた。
特に注目されているのは、やはり大規模ギルド。【聖光の騎士団】【森羅万象】……そして、アンジェリカの結成した【天使の抱擁】だ。
それらと同じくらいの注目を集めているのは、やはり【七色の橋】だった。不正疑惑に対する疑念から、悪意の視線も少なくない。
そんな開幕であったのだが……それも、長くは続かなかった。
************************************************************
「うっは! 忍者さんマジ忍者!」
「初っ端から、超全力疾走かよ。速さがエグいw」
「いやぁ、本気で速いな! でも、何の為に走ってんだ?」
「そこに道があれば走るだろ、ジンさんだぞ?」
「いやいや。普通に考えて、他のギルドの偵察だろ?」
「あと、マップ開放じゃない? ほら、追加されたイベントルール見て。『マップはギルドメンバーが到達したポイントを中心に開放される』って書いてある」
「ホントだ……って事は、まさかマップを一気に全部開放する気か!?」
「流石は忍者だな! 偵察、探索はお手の物か!」
「……なぁ、【七色】の拠点を弄っているあの人って……ユージンじゃね?」
「あぁ……第二回イベントでは【魔弾】のゲストだった……アロハのオッサンだよな? 今は甚平だけど……アロハの」
「生産職人のトップじゃねぇか、マジかよ!」
「で、あの人は何を作ってるんだ?」
「……まさか、武家屋敷とか?」
「いや、まさか……」
「まさかなぁ……」
「だよなー、ははは……」
「「「……」」」
************************************************************
『ジンさん、流石です……!! ね、コンちゃん♪』
「???」
「え? あれ? 何、あれ? かわいい」
「キャワイイ。どっちもギャンカワ」
「仔狐……? え、まさかヒメノちゃんが産んだの?」
「アホかお前は!! 多分、テイムかな?」
「モンスターテイムって、まだ実装されていないんじゃ……」
「モフモフ可愛い……」
「可愛いと可愛いが合わさって最強に見える……」
「おっ? ハヤテにアイネちゃんが……」
『こっちに接近している集団を確認ッス』
「出た、【暗黒】www」
「まぁあいつらにしたら、【七色】は格好の標的よなw」
「ただし、倒せるとは言っていない」
……
「速射!? マジ!? そんなん出来んの!?」
「開幕の大砲もビビッたが、逆にこっちのがすげぇ……ていうか、矢がいつの間にか手に……」
「何だ、知らんのか? あれは【クイックドロウ】ってスキルだぞ。ガチャ限定のスーパーレアスキルだ」
「そんなのあったの!? 知らんかった、そしてほすぃ……」
「ちなみに換装スキルは【クイックチェンジ】だな……予備装備と入れ替えるスキルだが、成程。考えたな、ヒメノちゃん……」
「ていうか、今更だけどさ……【七色】の装備がグレードアップしてるよな……」
「ヒメノちゃんが更に尊い存在に……」
「レン様も、何かこう……拝みたくなる様な美しさに……」
「シオンさんの露出が増えて、俺大勝利」
「ヒイロの鎧、カッコ良くない? あれなら俺も欲しいんだけど」
「それを言ったら、アイネちゃんもカッコかわいいんだよなぁ」
「ハヤテは和服の上に弾帯みたいなのしてたな。サバゲーか? 好きだけど」
「ネオンちゃんが可愛い……目が幸せ……」
「青髪少女と黒髪少女も良いよな……」
「ミモリさんは!? 俺の推しのミモリさんは何処へ!?」
「カノンさんも居ないな……あの小動物ちっくな所がツボなんだが」
「ジンさんの衣装、速すぎて見えんかった……」
『う、嘘だろ……!? ゆ、弓と刀が……一体に!?』
「って、えええぇぇっ!?」
「何あれ!? 何だあれ!?」
「弓と刀……を、一つの武器にしたのか!?」
『ロ、ロマン武器じゃない!! そういうの大好きです!!』
「俺も大好きです!!」
「ロマンは宝だよな」
「俺はヒメノちゃんが大好きです!!」
「ジンさんに殺されるな……お前……」
************************************************************
『めっちゃ御城でゴザルッ!?』
「忍者が驚いた!?」
「嘘だろ!?」
「お前等、ジンを何だと思ってんだ?」
「忍者だろ」
「そりゃあ忍者だ」
「忍者意外に有り得ないだろ」
「武家屋敷じゃなかったなぁ」
「それを上回るヤベーのが出来たな……」
「でも、ジンは御城製作を知らなかったのか……」
「まぁ、開幕早々に全力疾走だからな。普通はやらんけど……」
「忍者に普通を求めてはいけない、古事記にもそう書いてある」
「マジかよ、すげーな古事記」
「おっ?」
「弾丸……? 銃使い、か?」
「もしかして【魔弾】? え、やるの? やっちゃうの?」
『【魔弾】の銃は、ウチのと同じユージンさんの作。弾丸もそれに見合った出来だけど……これは、作りが甘いでゴザル』
「作りが甘い……? ユージンの作? え、色々情報が出過ぎて混乱して来た!!」
「ユージン……流石は最高の生産職、銃も作れるのか」
「待て待て、つまりだ。【七色の橋】と【魔弾の射手】が持っている銃は、ユージンが製作したって事か?」
「姉妹ギルドらしいし、【桃園】もその可能性があるな」
「あ……っ」
「どうした? え、あれ? ジンとヒビキちゃんは?」
「待て、今探して……うわっ、マジ?」
「拙者、忍者なり。今、貴様の上に居るの」
「口調ブレッブレじゃねぇか。似てねぇよ」
「しかし、あの距離を一瞬で詰めたんだよな?」
「どうやったんだろな、今の……」
「壁に足付いた瞬間に、大砲みたいな速さで……あっ(察し)」
「まさか、【ハイジャンプ】……?」
「ギルバート戦の時と言い、ジンさんは【ハイジャンプ】を何だと思ってるんだ?」
「ひぇえ、ヒビキちゃんつよつよ……」
「鮮やかに踵落としまで持ってったな……」
「ってか、HP全然削れてなかったぞ? 散弾だろアレ、ミリアが使ってたのと同じやつ」
「あの篭手に、秘密があるんじゃないか? 恐らく、盾としても機能するんだと思うぞ」
「そしてジンの動きが……目で全て追い切れないよ」
「AGIいくつあるんだ、あいつ……」
「聞いてみたいな、正直……」
「はい、壊滅! おつかれ!」
「まぁ、うん……こうなるよね!」
「最後は逃げようとして、ヒメノちゃんとハヤテの狙撃かw」
「相手が悪過ぎたな、こりゃ」
「長距離狙撃か……やっぱ【狙撃の心得】持ってるっぽいなぁ」
「てかさ、やっぱり……純粋にPS高いんだよな」
「あぁ、あの動きは情報を得るだけじゃ出来ないだろ」
……
『ご飯にしますか? お風呂にしますか? それとも……』
「新妻ヒメノちゃんがお出迎えとか、やっぱりジンは許されない!!」
「テメェ、ジンさんディスってんじゃねぇぞゴルァ!!」
「さんを付けろよ、デコスケ野郎!!」
「えぇぇ……」
「しかし仲が良いな……羨ましいぜ」
「ラブラブ過ぎて、嫉妬するのにも疲れたよ……」
「なんつーか、こう……嫉妬したいはずなんだけど、気が付けば応援したくなってんのよな」
「てぇてぇ、もうひたすらにてぇてぇ」
「見守りたい、あの笑顔……」
「やはりジン×ヒメ……!! ジン×ヒメは全てを浄化する……!!」
「……何かさ、【七色の橋】不正疑惑って陰謀か何かじゃないか?」
「いやお前、陰謀て……」
「誰がそんな事するんだよ、馬鹿馬鹿しい」
「だってほら、あいつらエンジョイ勢だろ。ただ普通にゲームを楽しんでいるだけにしか見えねぇんだけど」
「エンジョイ勢とか、自称だろうが」
「いや、待て。お前、陰謀って言ったな? よくよく考えたら……偽物が出た事あったろ?」
「あ! そうだよ! あれも何か、関係あるんじゃないか?」
「あぁー、あったなぁ……掲示板でハヤテさんがキレたやつな」
(あ、ちゃんと”さん”付けしてる……)
『スパイ行為を逆に利用して、流している情報……それに沿って、奴等は攻めて来た……これは間違いなさそうだ』
「スパイ?」
「スパイ……今、スパイって言ったか?」
「酸っぱいって言ったんじゃないか? ほら、ジンヒメは甘酸っぱい……いや、甘さしかないな」
「糖度1000%だから仕方ないね」
「馬鹿馬鹿しい、VRゲームでスパイなんてするかよ?」
「DKCには居たぞ、マジで」
「居たのかよ!?」
『詳しい事は拠点の中で話すけど……多分、スパイ連中の目的が解ったかもしれない』
「いや、待って! ジンさん待って!」
「そのまま話して!! 気になって夜しか眠れない!!」
「健康的でよろしい」
「しかし、スパイ……まさか、本当に何か陰謀が?」
次回投稿予定日:2022/1/1(本編)
拙作【忍者ムーブ始めました】をご閲覧の皆様へ。
本年も大変お世話になりました。そして拙い私の作品をご閲覧下さいまして、誠にありがとうございます。
2022年もまた、皆様に物語をお届け出来るように頑張って参ります。来年もどうぞ、宜しくお願い申し上げます。
どうぞ、よいお年をお迎え下さいませ。
【ハヤテとアイネの新衣装を描いてみた】
≪戦衣・暁空開天≫
(名前の由来:暁空(夜明け・明け方)開天(天を開く))
≪軽装鎧・虎視眈々(こしたんたん)≫
(名前の由来:相手に狙いを定め、隙を突く機会を伺う様)
≪戦衣・風雅白椿≫
(名前の由来:風雅(雅な趣・風流の嗜み)白椿(申し分のない愛らしさ・理想の愛))
≪聖鎧・清風明月 改≫
(名前の由来:明るい月夜の静かで清らかな様子)