12-13 イベント準備を開始しました
ユージン・リリィ・クベラを、ゲストに迎えた翌日。ログインをしてから、ゲーム内時間にして九時間が経過した頃。二日に渡る探索の末に、ジン達は無事にエクストラクエストをクリアする事に成功。戦利品を手にし、ギルドホームに帰還した所だった。
「さて……これで最初の目標だった、エクストラクエスト攻略は達成済みだな」
ヒイロがそう言うと、ジン達は満ち足りた表情で頷いてみせる。
彼等はまたも、二日かけてエクストラクエストをハシゴしたのだ。それもダンジョン攻略だけではなく、エリアボス攻略よりも難易度の高いエクストラクエスト攻略をである。
それを成し得たのは、メンバーのスペックの高さが一点。それに加えて、エクストラクエストの場所に目星を付けていたハヤテとマキナのお陰であった。また、その推測を補強したゲストからの情報も大いに貢献している。
とはいえ余裕だったかと問われれば、答えは否。消費アイテムやポーションも、惜しみなく投入しての強行軍となったのだった。
第三エリアになった事でダンジョンの適性レベルは上がっているし、エクストラボス戦に至っては激しい戦闘となった。過去のエクストラボスよりも、攻略難易度が上がっているのだから当然である。
そこまでするのは、やはりエクストラクエスト攻略の重要度が高い為である。故にメンバーは皆、笑顔で作戦成功を称え合うのだった。
ちなみにアンコクキュウビのスピード・アタック・ボーナスは、ジンしか得る事が出来なかった。恐らくはユニークシリーズ同様に、該当者限定という仕様なのだろう。
そして他のエクストラボスからは、≪神獣の卵≫を入手出来なかった。単純に、スピード・アタック・ボーナスが得られなかった為である。
他のエクストラボスの討伐時間は二十分から二十五分だったので、恐らくスピード・アタック・ボーナスが得られるのは十五分未満と推測される。
尚、過去のエクストラボス戦での所要時間は、大体一時間以上……メンバーが充実した状態で戦った第二エリアのエクストラクエスト攻略も、三十分から五十分。それを考えたら、二十分台もかなり早い方である。
それはさておき、テーブルの中央に鎮座する物体。その形状は、THE・卵というべきオーソドックスな卵だ。
「生まれるまで、一週間掛かるんだね。これはどうやら、ゲーム内じゃなく現実時間みたいだ。それで、血肉を分け与えるってどういう事かな」
説明文の事を思い出し、ジンは首をしきりに捻る。
「ご飯をあげるなら、餌って書きますよね?」
「ヒメちゃん、そもそも卵の状態で餌は食べられないんじゃないかな?」
「あ、そっか」
「普通に考えたら、プレイヤーのHPとかかな?」
この≪神獣の卵≫については、全く情報が無い。その為あーでもない、こーでもないと意見を出し合う面々。
そんな仲間達の様子に笑みを浮かべつつ、手掛かりを求めてジンがシステム・ウィンドウを開く。
「……お? システム・ウィンドウに、何か新しい表示がある」
そこには≪神獣の卵≫というタブが追加されていた。
「ジンさん、何かのヒントがあるかも!」
「そッスね!」
ヒビキとハヤテがそう言うと、他の面々も興味津々と言わんばかりに目を向ける。
ジンは全員に見える様に、システム・ウィンドウを可視化して情報を確認していく。
「ステータス画面、スキルスロット……で、装備。これ、PAC画面に似ているね」
まずはステータスを確認……という所で、ジンはPAC画面とは異なる表示がある事に気付いた。
「……いや、違う。ここ」
ジンの反応を見て、他の面々も画面を覗き込む。
名前の欄は【NO NAME】と表示され、その横にあるレベル表示もゼロ。そして全てのステータス値もゼロであり、その横に『+』のボタンがあるのが確認できる。この『+』ボタンは、PACのステータスには無い。
その『+』ボタンをジンが押すと、『ステータスポイントを譲渡しますか?』というメッセージ、その下に『YES』と『NO』のボタンが表示された。
「ステータスポイントを、譲渡? もしかして血肉って、ステータスポイントの事なのかな」
……
謎のアイテム≪神獣の卵≫の検証を切り上げたジン達は、エクストラクエスト攻略と併せて重要案件とされている要素に目を向けた。
「それで、素材の集まり具合はどんな感じなんですか?」
ヒメノが生産専門のメンバー……ミモリ・カノンと、ゲストメンバーであるユージンに問い掛ける。
「そうねぇ、可もなく不可もなく?」
「うん……もう少し、安全マージンを取っておいた方が良いかも……」
歯切れの悪い二人に苦笑しながら、ユージンも意見を口にした。
「素材不足で実力が発揮できない……という展開は避けたいからね。他のタスクを処理するのと並行して、素材集めは継続した方が無難かな」
その忌憚なき意見を聞いて、【七色の橋】の面々は頷いて応える。生産専門の彼等がそう考えるのならば、その判断に従うべきだというのがメンバーの総意だ。餅は餅屋、である。
「まぁ、もしかしたらコイツで何か良いモノが手に入るかもしれないッスよ」
そう言ってハヤテは、収納から取り出したチケットをヒラヒラさせる。エクストラクエスト攻略報酬の、ゴールドチケットだ。
「まぁ、確かにそうですね。それに、今まで貯め込んでおいたチケットもあります」
この【七色の橋】の面々は、第二回イベント以降に手に入れた各種チケットをキープしていた。第三回イベントでも使用しなかったのは、忍者発祥のフェアネス精神もある。しかし、当然それだけではなかった。
「今回の様に、新たな戦略を用意したい時の為の隠し玉。どの勢力も、私達の戦力は研究し尽くしてくるだろうからね」
「……その為に、チケットをずっと貯め込んでいたなんて。私なら、すぐに使ってしまいますね」
事実、リリィは既に第二回イベントのチケットを使用済みだった。
「ま、ガチャだからねー。当たり外れはあるだろうけど」
センヤの言う通り、入手する物が全て望む形の物とは限らない。それを承知の上で、彼等はこれまで手に入れたチケットをテーブルの上に並べていく。
「って、この数……とんでもないな」
クベラが目を丸くするのも、無理はないだろう。
「え、えーと……私達ゲストを除いても……これ、百枚くらい?」
「ゴールドチケット八十一枚、シルバーチケットが八十枚だね。プラチナも二十枚、オリハルコンは四枚。そして第三回の報酬である魔札が、十九枚……いや、これ本当によく使わなかったね?」
あっという間に数えて計算して見せたユージンに驚きつつ、更なる驚きがリリィとクベラを襲う。
確かに、今回のエクストラクエスト攻略でこの場に居る全員がチケットを手に入れた。ちなみにエクストラクエスト攻略では、PACの分はチケットを入手できない仕様らしい。
そして一部のメンバーがオリハルコンチケットを使用して、それ以外は全てストックしていた。全ては、来る時……今、この時の為に。
「ふむ……では、僕のコレも加えておこうか」
そう言ってユージンが差し出したのは、ゴールドチケットとシルバーチケット。どちらも五枚ずつだ。
「……ええ、そうですね! こうなったらヤケです、私のも!」
「ワイもや! 乗るっきゃないやろ、このビッグウェーブに!」
なんとリリィとクベラまで、今回入手した金銀のチケットを一緒に並べた。これでゴールドチケット九十六枚、シルバーチケット九十五枚だ。
当然、これは「自分のチケットをあげる」という事ではない。「このチケットを使って出た物を、取引材料として提示する」という意味合いだ。それは、この場にいる全員が解っている。
そして、取引。それをどう進めるか、メンバーは悩んだのだが……ジンが、ある提案をした。
「まずは自分のチケットでガチャをする。扱いの難しいプラチナとオリハルコンは、ここぞという時の為に温存。それで、これはトレードに出して良いっていう物を出すんだ」
そこまでは、誰もが考える。しかし、そこからがジンらしい点だった。
「で、参加券を配る」
『え? 参加券?』
何だ、参加券って。流石のユージンも、サングラスの下の目が点になってしまった。
そんな空気に気付いているのか、いないのか。ジンは更に、説明を先へと進める。
「で、欲しいアイテムやスキルがあったら、それを手に入れる為のジャンケン大会に参加する。その為の参加券」
「……は、はぁ」
まさか、ここでジャンケンが出て来るとは。確かにポピュラーだし、第二回イベントのトーナメント組み合わせもジャンケンで決定したけれども。
「勝者は参加券を消費して、商品を得る。敗者は、参加券はそのまま持って次の商品のジャンケン大会に使える」
つまり、運も実力の内方式である。かなり乱暴な案なのだが……メンバーは、その提案を真剣に検討し始めた。
確かにこの方式ならば『ジャンケンに負けたから得られなかった』と、無理矢理だけれども納得はする事が出来る。それならば、望むものが手に入らなくても諦めは付くのではないか? と。
「……確かに、案外良いかも?」
「取り合うなら、健全にジャンケンで取り合えって事かな。ジン君、面白い事を考えるね」
「うん、それなら喧嘩にならなそうだ。このメンバーで、喧嘩する所が想像できないけれどね」
「はい、私はその案に賛成です。皆さんと、喧嘩なんてしたくないですし」
「ワイもや。何よりおもろいし」
反対意見は出なかったので、そのままガチャ大会&ジャンケン大会が催される事となった。
尚、そのジャンケン大会は思いの外、盛り上がった事……そのお陰でログアウト門限ギリギリになってしまったのは、余談である。
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翌日は休みの為、ジン達は早い時間からAWOにログイン。アイドル業で遅くなるリリィ以外は、メンバー勢揃いとなっていた。
この日の議題は、武器や防具・装飾品の更新についてだ。
「で、ログイン前に考えて来た新デザインがこちら!」
センヤが生産用ウィンドウに表示したのは、一着の和風装備。そのデザインから、ヒイロの物であると察する事が出来る。
「おぉ……成程、今の和服を豪華にした感じなんだね」
そのデザイン画は、基本的な部分は今の和風衣装と同様。しかし金色の縁取りがなされており、華々しい印象を与える。そしてズボン部分は現在のパンツタイプの上に、股部分が切り取られた様なズボンを重ね履きにしたものになっている。
「こういうの、何て言うんでしたっけ?」
「チャップスっていうやつの、ズボンタイプ!」
ちなみにチャップスとは本来、ズボンの上から下腿部に巻きつける形で装着する保護具である。乗馬で使用する、騎手の装具だ。センヤのデザインしたのは、下半身を覆うズボンのタイプのチャップスである。
「昔あった、格ゲーの二代目主人公が格好良くてねー!」
「あぁ、白髪の……」
ちなみに彼女が言っているのは、ファイターズの王様な格闘ゲームの話である。超必殺技の時に、グラサンを投げればいいのだろうか……ユージンしか持っていないが。
センヤが続いて、ヒイロの鎧≪妖鎧・修羅≫の新デザイン案を表示。
「ちなみに男性陣は、その上に装備する物で違いを出した感じだよ。ヒイロさんの鎧は、こんな感じ」
今のデザインを踏襲しつつ、更に洗練された印象を抱かせるデザインだった。
「……良い、ね!」
そのデザインを見たカノンが、瞳を輝かせて何度も頷いて見せる。どうやらデザインを見ただけで、その装備を作りたくなって来たらしい。
センヤは続けて、ジン・ハヤテ・ヒビキ・マキナの順番にデザイン画を表示していく。
「おー、どれもバージョンアップ感がある」
「結構良いッスね! センヤさん、流石ッス!」
「おぉ……カッコいい!」
「……こ、これを着れるの? マジで? 結構嬉しいんだけど……」
男性陣は、揃って気に入った様だ。そんな男性陣の反応に、センヤはご満悦である。
「で、女性陣は……あ、男性陣はユージンさん以外、ちょっと席を外して貰いたいかな~」
センヤの唐突な要請に、ジン達は顔を見合わせる。え? なんで? という感じだ。そんな男性陣に、ユージンは思わず笑い出してしまった。
「はは、そこは乙女心というやつだよ。つまり女性としては、実際にそれを着た所を見て感想を言って欲しいのさ」
ネットショッピングのカタログを見て、その服がどうこう言うのもアリではある。しかしながら女性としては……やはり自分が着た姿を見た上で、率直な感想を言って欲しいのだ。前情報があると、新衣装のインパクトが薄れるというのもあるだろう。
「成程、そういう事ですか」
ジン達が納得すると、更にセンヤがニッコリ笑って補足する。
「ユージンさんには、製作に関わって貰うから特例なのだ! 流石にこの量だと、手伝って貰わないと厳しいし」
センヤの言う通り、十三人分の装備更新となれば一苦労である。彼の助力が無ければ時間が足りないのは、全員が理解している。それに現行の装備を更新する際には、彼の持つ【合成鍛冶】のスキルを借り受けたい。
「了解。それなら、今の内に素材集めでもして来る?」
「そうだね、たまには男子だけってのも面白いかも」
「【七色】男子で五人、ワイも入れて六人やな。ほんなら、PAC二人連れていけるやん」
男性陣の申し出を、女性陣が承認。珍しく、男女別行動と相成るのであった。
……
変装してフィールドに出たジン達は、西側第三エリアのダンジョンへと向かった。ダンジョン内の宝箱や、モンスターのドロップ品を求めて来たのだ。
物理主砲のヒメノ、魔法主砲のレン、盾と言うより要塞役のシオンが居ない中での探索……しかし、この男子メンバーも相応の実力者揃い。
「よっ! ほっ! 当たらないでゴザルよっ!」
ヘイトを稼ぎ、回避盾として活躍するジン。その回避能力は更に磨きが掛かり、ヒイロ達からは万一の不安も無いと確信させるだけの動きだった。
「一番厄介そうなのは……あの奥の、巨体のヤツですね」
「だな。ハヤテとヒビキ、セツナも頼んだ!」
マキナとヒイロでモンスターを倒す順番……優先順位を付け、チャンス作りの為に走り出す。
「っしゃ、ヒビキ!! 決めるッスよ!!」
「任せて下さい!!」
ハヤテは【一撃入魂】の、MP消費による威力を高めた銃撃。ヒビキは溜めが必要ながらも、近距離スキル【体術の心得】において最も一撃の破壊力が高い攻撃の準備に移る。
「ふむ、では参るとするか……」
ヒイロとマキナに続いて走り出すセツナに、気負った様子は見受けられない。ちなみにPACはもう一人連れて行けるのだが、折角男子のみとなったのでリンとカゲツには女性陣の手伝いをして貰っている。
ロータスとジョシュアも、ホームで手伝い中だ。理由はユージンが、「女性だけの場所に男一人にしないで欲しいかな」と言い出したからだ。自分がその立場なら、同じ事を考えるな……という事で、男子メンバーはそれを快諾した。
そんな六人の姿を見て、クベラはニヤリと笑う。
「なら、ワイはコイツで足止めしたるか!」
構えたのはクロスボウ……銃弾は生産コストも掛かる為、イベントまで温存するつもりなのだろう。ちなみにそのクロスボウの矢には、ミモリ達が生産した≪パラライズポーション≫が仕込まれている。ポーションの在庫は、それなりにあるので問題は無いらしい。
「お、やるでゴザルな」
ジンは一体の【ジェネラルオーク】と、三体の【エリートオーク】の攻撃を回避。そのまま、ジェネラルの頭上へと跳び上がる。
「【狐雷】!!」
苦無をその頭頂部に投げ付けると、ジェネラルが電撃を浴びて動きを止める。
「【アサルトバレット】!!」
その好機を逃さず、MPをチャージした【アサルトバレット】を放つハヤテ。その銃弾はジェネラルの眉間を撃ち抜き、そのHPを一気に全損させてみせた。
MP消費というデメリットはあるものの、ハヤテのユニークスキルによる一撃はヒメノ・レンと並ぶ主砲と成り得るのだ。
そんなハヤテ目掛けて、三体のエリートオークが走り出す。しかし、その目前には既にヒイロとマキナが迫っていた。
「【ブレイドダンス】!!」
「【アクセルドライブ】!!」
同時に【長剣の心得】と【短槍の心得】の奥義を発動する二人。その連続攻撃を受けたエリート二体の動きが止まる。
「うむ、流石は我が主とその同胞……良いタイミングよな」
「僕も、行けますっ!!」
そんな二体のエリートオークに、ヒビキとセツナが接近する。
「【ストレートスマッシュ】!!」
溜め動作を終え、準備万端だったヒビキ。マキナが動きを止めたエリートオークに向けて突き出された渾身のストレートが、その胸に直撃する。同時に鳴り響く、大きく鈍い打撃音。クリーンヒットしたヒビキの【ストレートスマッシュ】が、エリートオークのHPを狩り尽くした。
「【一閃】!!」
振り上げた大太刀を、渾身の力で振り降ろすセツナ。その一撃に込められたのは、エクストラボス時代には劣るもののそれでもハイスペックなPACである彼だ。エリートオーク程度で、その破壊力に耐えられるはずも無かった。
残る一体はハヤテに向かって、仲間がやられた事も気に留めず走り続ける。AI的にはヘイト値の高いハヤテを狙っているのだろうが、傍から見たら仲間が殺られた恐怖で逃げている様にも見えた。
「はいはい、そうは問屋が卸さんで」
しかしクベラの放ったクロスボウの矢が突き刺さり、その身体に≪パラライズポーション≫の麻痺効果が適用される。
「それじゃ、頼んます!」
足止めまでが自分の仕事。前衛に交じっても、足を引っ張るだけだと自覚しているクベラは下がる。
そして接近するのは、最速忍者。そして魔剣使いのギルドマスターと、アサルトライフルに刀を装備させた銃使い。剣鬼と呼ばれたPACに、熟練の短槍使いと成長著しい少年拳士。
藻掻く様に身を捩じらせるエリートオークは、その恐怖から逃げようとしている様にしか見えなかった。無論、エリートオークがフルボッコになったのは言うに及ばず。
……
そうして絶妙な連携を駆使し、戦闘に採取に邁進する【七色の橋】男性陣とクベラ。あっという間に、ダンジョンの最奥へと辿り着いてしまった。
「ボスを倒して、そのまま他に行く? それとも、入口に戻って周回?」
「マッピングは粗方済んだし、余所に行くのが良いッスかねぇ」
マキナとハヤテがそんな相談をしているのを聞きながら、ジンはぼんやりと彼女の事を考える。
――ヒメは今、どうしてるかなぁ。
ここ最近のゲーム内では、別行動をする事が無かった最愛の少女。常に寄り添う彼女の存在が、隣に居ないだけで物足りなさを感じてしまう。
そんな時だった。ジンの視界に、メッセージが届いた事を報せる表示が飛び込んで来る。
「ちょっとゴメン、メッセージだ」
システム・ウィンドウを操作すると、メッセージを送って来たのはお嫁様な彼女だった。タイムリーなタイミングである。
『センヤちゃんのデザイン、素敵でした! ジンさんに見て貰うのが楽しみです!』
そのメッセージの内容に、ジンは表情を綻ばせる。そして、画面をスクロールするとその下に……。
『別行動は寂しいです。早く帰って来て貰える様に、私も頑張りますね!』
こんな可愛らしい言葉が綴られていた。
ちなみに女性陣の装備だけ先に仕上げて貰い、男性陣の装備の製作は皆でやれば良いのでは? という事に彼等が気付くのは、ボスをフルボッコにした後の事であった。
次回投稿予定日:2021/10/8(幕間)




