12-10 イベント告知がされました
【聖光の騎士団】に所属するプレイヤー・アレク。彼が情報屋に接触した可能性があると判明し、ギルバートとライデンは真剣な顔で語り始める。
「アレクは先日、[ヴォノート砂漠]で活躍してくれたプレイヤーでね。エリアボスの封印を解く手段をたった一人で突き止めてくれたんだ。そんな素振りが無いから気になっていたんだが、こういう事だったんだね」
ライデンの表情は、穏やかだ。どうやら彼は、アレクが情報屋を雇ったのは『エリアボスの封印を解く手段』を買う為だと勘違いしたらしい。
「その情報の対価が、どれくらいのものかは解らないが……ギルドの為に、そこまでするとはな」
ギルバートも感心しきりで、笑顔を浮かべつつ頷くばかりだ。
「へぇ……どんな人なんですか?」
アイネが何気なく聞いてみると、ギルバートが口ごもる。
「う、む……実はあまり、印象に残らないタイプで……糸目で、いつも笑っている男としか……」
おいおい、幹部。という視線が、ギルバートに突き刺さる。
居心地の悪さから解放されたいギルバートは、ライデンに縋る様な視線を向けた。
そんな相方に苦笑しつつ、ライデンはアイネの問いに答える。
「ギルの言う通りで、見た目も実績も平凡なプレイヤーだ。印象に残らないというか、残りにくいのは事実だね。斥候ポジションのメンバーで、言ってみれば平均的なプレイヤーかな」
そんな評価も無理のない事で、アレクは常に目立たない様に立ち回っているのだ。
際立った成績は残さず、かと言って足を引っ張る事も無い。自己主張はあまりしないが、かと言って背景に溶け込む様な影の薄さではない。
気付けば側に居た……なんていう時でも、特に不自然には感じない。そんなキャラクターを、意図的に演じている。
「その人が、[ヴォノート砂漠]の封印を解く方法を?」
レンの問い掛けに、ライデンは柔らかい表情で頷いてみせる。
「あぁ、そうだよ」
ライデンの返答に、ハヤテがふむ……と考え込む。
――アレクの書き込みは、ジン兄達の文化祭の前……金曜日。そして封印が解かれたのは、土日を挟んだ月曜日。何か、この間が気になるな……。
【聖光の騎士団】として第三エリア初到達を誇示したいならば、情報屋から情報を買ってすぐに動くのではないか? そんな疑念を抱く。
――それに、タイミングが気になる。俺達がエリアボスの情報を探し始めたタイミングと、一致している……それも、あの偽物事件の直後だ。
「そのアレクさんから話を聞いて、すぐに動いたッスか?」
「あぁ、そうだよ。丁度僕達も、各エリアのエリアボス打倒に向けて動いていたからね。報告を受けてすぐに集まったんだ」
アレクからの報告に対する【聖光の騎士団】の動きは、迅速な対応だったらしい。だとすれば尚更、気に掛かる
しかし、目の前の二人はそう思っていない様だ。
「アレクには念の為、確認するとしよう……我々が、内々での方が良いかな?」
「そうだね。ギルドの為に身銭を切ったのなら、補填してあげないと。必要経費だね」
そんな二人の様子に、ハヤテは内心で溜息を吐く。
――考え過ぎなのかな? 人を疑い過ぎるのは、俺の悪い癖だね。
ハヤテが心の奥底で自嘲していると、ネオンが「あっ……!」と声を上げた。
「そういえば、あの時に偽物騒動があったんですよね」
「あぁ……そうですね」
ネオンとマキナがそんな事を口にすると、ライデンが反応を見せた。
「あぁ、掲示板でも話題になっていたね……【七色の橋】の名を騙ったプレイヤーの件だろう?」
「あぁ、アレか。大事に至らなかった様で、何よりだ。あれから音沙汰が無いなら、偽物も大人しく引き下がったのかね」
「どうかな。もしかしたら他の誰かが通報して、アカウント削除になったんじゃない? ギルド詐称の上で揉め事を起こすなんて、普通に重大な違反行為だ」
ライデンとギルバートの会話に、マキナはある点について引っ掛かった。
――え?
彼等の言葉は間違いだが、何もおかしくない。だから、何がおかしかったのかに思い至った。
「いや、それがその後……その偽物が、PKしようとして来たんだ」
ヒイロがそう訂正すると、ギルバートとライデンは目を見開く。それは、「何でアカウント削除になっていないのか」や「PK事件を起こしたなんて知らなかった」というもの。それは実に、正常な反応だ。
――そうだ。あの偽物事件は掲示板にも書かれたけど、首謀者の名前は広まっていない。それに大規模PKだって、僕達以外のプレイヤーは突然のPKer集団に混乱しながらやられてログアウトしていった。だから……。
あのPKer達が、同盟を狙った大規模PKの為に集まったものだとは解らない……当事者以外は。
ならば、何故? なぜ? 何で?
――浦田君が、何故あれが僕達を狙ったものだと……それに、バンの事も……。
バンは機を窺う為に、後発組と身を潜めていた。つまり同盟以外のプレイヤーは、彼が首謀者だと気付きようがない……ただ、ある可能性を除いては。
――あのPKに関わっていたか……あのサイトを、見ていた? だから、バンが首謀者だと……僕達が狙われたと、知っていたのか……?
成績優秀で、品行方正……そして、正義感の強い彼だ。PK側とは思えない……思いたくない。
恐らく大規模PKの件を耳にして、その真相を知ろうと思い調べた。それで、あのPK専門サイトに辿り着いた……それならば、合点がいく……いや、そうであって欲しい。
――念のため、一応……浦田君に、聞いてみよう……。
ひとまずこの件は、自分が確かめる。その上で、必要ならば【七色の橋】の仲間達に報告しよう。それが、マキナの考えだった。
……
PKの件などについて話していると、その場に居る全員のシステム・ウィンドウがメッセージの受信を告げる。全員同時……となれば、これは運営からのメッセージだ。
「……第四回イベント!」
メッセージは運営からのイベント告知。十二月二十二日の日曜日……その日に、第四回イベントを開催するというものだった。
そのイベント内容は……。
「ギルド対ギルドの、サバイバル戦……」
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【イベント概要】
・本イベントはギルド単位での参加イベントとなる。
・イベントは時間加速下にて行われる。加速時間はニ十倍速となる。
・イベント期間中は、イベント専用サーバーのみにログインとなる。
【参加要件】
・ギルドに所属しているプレイヤーを対象とする。
・ギルド未所属プレイヤーは、ギルドにゲストメンバーとして参加可能となる。
・イベントに参加可能なギルドメンバーは、最大百名。
・ギルド未所属かつゲスト参加が決定していない参加希望プレイヤーは、仮設ギルドに参加とする。
・イベント非参加プレイヤーは、観覧者エリアでイベント観戦が可能となる。
【応援NPC】
・百名未満のギルドには、イベント期間専用の応援NPCを参加させる事が可能。
・応援NPCはプレイヤーの意向で参加・不参加を決定する事が出来る。
・応援NPCのスキル・ステータス構成は固定となり、プレイヤーが任意で選択可能。
・応援NPCに振り分けられるスキルポイント・ステータスポイントは、ギルドメンバー数によって決定される。
・応援NPCの年齢・性別・容姿はランダムに決定する。
【PAC】
・イベントに参加するPACは常時召喚状態となり、送喚は不可能とする。
【デスペナルティ】
・戦闘不能となったプレイヤーは、戦闘不能1回につきステータス値がマイナス20%となる。
・5回戦闘不能となったプレイヤーは、戦線復帰不可となる。
・10回戦闘不能となったPACは、戦線復帰不可となる。
・20回戦闘不能となった応援NPCは、戦線復帰不可となる。
・戦闘不能時から戦線復帰まで、五分の待機時間を要す。
【拠点】
・各ギルドには拠点が用意される。
・拠点内に≪ギルドクリスタル≫が設置される。
・≪ギルドクリスタル≫は移動が可能。
・≪ギルドクリスタル≫を移動した際、拠点から一時間離れた時点で自然破壊となる。
【ギルドポイント】
・各ギルドには500ポイントが初期値として与えられる。
・ギルドメンバーが戦闘不能になると、マイナス10ポイントとなる。
・PACが戦闘不能になると、マイナス5ポイントとなる。
・応援NPCが戦闘不能になると、マイナス1ポイントとなる。
・ポイントが0になったギルドは敗退し、観覧者エリアに強制転移される。
・≪ギルドクリスタル≫を破壊された場合、マイナス100ポイントとなる。
・≪ギルドクリスタル≫の破壊に成功したギルドには、プラス100ポイントが与えられる。
・破壊された≪ギルドクリスタル≫はゲーム内時間において一時間後に復活する。
・≪ギルドクリスタル≫を5回破壊されたギルドは、その時点で敗退となる。
【モンスター】
・マップ内にはモンスターも配置される。
・モンスター撃破によるポイント増減は発生しない。
・モンスターによって戦闘不能になった場合、プレイヤーによって戦闘不能になったものと同様の措置となる。
【成績評価】
・イベント成績は、イベント終了時のポイント集計によって順位が付けられる。
・上位二十組のギルドに、成績に応じた褒賞を授与する。
・イベント期間中の特定条件を満たしたプレイヤーが所属するギルドに対して、ポイントが加算される。
【他】
・イベント参加中のプレイヤーを対象とした攻撃行為による犯罪判定は、決闘システムと同様のものとなる。
・本イベント期間中は時間加速に対応する為、運営アカウントがマップ内に常駐する。
・不具合報告、違反行為の通報に際しては、システム・ウィンドウ『運営への報告』タブより常駐運営アカウントにリアルタイムでの報告が可能となる。
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「お、おぉ……何かびっしりルールが書き込まれてるね……」
「そりゃあ、GvGはトラブルも起こりやすいからな」
情報量の多さにジンが驚いていると、ギルバートは苦笑してみせる。
「こうして事前にルールを公開して、それを徹底させないと運営も対処が難しいんだよ」
「ふむ……成程」
他の面々も、真剣な表情でシステム・ウィンドウを見つめていく。
「≪ギルドクリスタル≫を狙う方が、手っ取り早い……って事か」
「この≪ギルドクリスタル≫を守るのが、一番になりますね!」
「ちなみにこの部分。応援の現地人は、倒されても1ポイントなんだね?」
「プレイヤーの方が、手札が多いッスからね。PACはプレイヤーと応援者の中間の扱いみたいッス」
「ここに記載されている、戦闘不能によるステータスダウン。これはきっと、イベント終了まで解除されないのでしょう」
「はい、お嬢様。戦闘不能になったプレイヤーが増えれば、そのギルドが不利を強いられるのは必然ですね」
そんな風に、イベントについて真剣に考え始める【七色の橋】のメンバー。その姿に、ギルバートとライデンは内心で闘志を燃やし始める。
第二回イベントでの敗北を経て、自分達も更に実力を付けて来た。今ならば、【七色の橋】にも負けないという自負がある。
――正々堂々、打ち勝ってやるぜ!!
――今度は僕達が勝たせて貰う……真っ向勝負で!!
そうと決まれば、こうしてはいられない。イベントに向けて、自分達も準備を整えなくてはならないのだ。
「さて、今日はそろそろお暇しようかな」
「あぁ、イベントに向けて動き出さなければならないからな」
立ち上がる二人に、ジンが思い出したように問い掛ける。
「そういえば、ライデンの相談事は良いの?」
そんなジンの質問に、ギルバートが勢いよく振り返った。
「あっ! そうだった! ライデンがルーとデートするんだよ! なんかアドバイス無い!?」
「ぶはっ!! ギル!?」
ジンとヒイロだけならまだしも、【七色の橋】の全員の前でそれを暴露するギルバート。軽率ここに極まれり。
とはいえ、ギルバート的にはライデンの恋路が上手くいく様に、全力で力になりたいと思っているだけ。悪気は無いのだ、悪気は。でも軽率。
「ルーさんと……ライデンさん? へぇ、中々お似合いの組み合わせね」
「ルーさんって、【聖光】の魔職の人ですよね? わぁ! 素敵!」
レンとヒメノがそう反応すると、他の面々も口々にライデンとルーの仲を応援する趣旨の発言を口にする。
「ちなみに女性としては、初デートは日が暮れる前に切り上げる方がよろしいかと」
「あぁ、確かに。がっついたイメージを与えないから、紳士的に感じられるらしいわね」
シオンとミモリがそんなアドバイスを贈ると、センヤとネオンも自分なら……と考えを口にする。
「あとは締め切った部屋に二人きりは、グレーゾーンかも?」
「うん、確かに。遊園地や水族館みたいな、他人が居る方が最初は安心かも?」
そんな女性側からの質問に、ライデンはギルバートをヘッドロックしながら真剣に聞き入る。こうも具体的な意見が聞けるのは、貴重な機会なのである。
その後も女性陣からの具体的なアドバイスを聞いた後で、二人はギルドへと帰還するのだった。
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「さて、イベントなんだけど……俺達も、参戦で良いかな?」
ヒイロの問い掛けに対し、異議を唱える者は一人も居ない。誰もがイベントに対して、気持ちを昂らせているのが見ただけでも解る。人見知りのカノンですら、「やる、よ? 私、やれるよ?」と言わんばかりの顔だ。これは珍しい。
このギルド【七色の橋】は結成して半年の、若いギルドだ。しかしながら、その来歴は新興ギルドとは思えない大活躍を見せて来た。
過去三回のイベントにおいて、上位に名を連ねて来た面々なのだ。今回も上位を狙って、気合いが入っていた。
「しかし、今回のイベントはギルド戦です。これまでの私達の戦力は、恐らく研究されていると考えなくてはいけません」
レンの意見に、ジンも追従する。
「まだ公にしていない手札はあるけれど、それだけで勝てるとは思わない方が良いよね」
ジン・ヒメノ・レン・シオンの持つ、風火山雷のユニークスキル。その武技や魔技の内、まだ公にしないで温存しているものがいくつかある。
今回のイベントでそのカードを切る事になる可能性は高いが、それだけで勝ち抜けるかは疑問が残るところだ。
「更に言うと、他勢力について情報収集を進めないとッスね」
「確かに。俺達は注目されているだろうから、初っ端から攻撃が集中する可能性が高い」
ハヤテとマキナの発言も、実に最も。過去のイベントで大活躍を見せたジン達を、ライバル視する勢力は少なくないだろう。今回こそ、自分達が……と考えるならば、真っ先に狙われるのは想像に難くない。それも、他勢力の攻撃に合わせて……と考える中小規模のギルドが居る可能性は、高いといって差し支えないだろう。【ベビーフェイス】とか、そういう事を普通にやりそうだし。
「イベント前に、素材も可能な限り集めないといけないわね」
「う、うん……イベントマップで、素材が手に入るか……解らない、から」
生産職のミモリとカノンも、消費アイテムの確保の重要性を口にしてみせる。なにせ、大規模なイベントだ。消費アイテムの在庫の有無が、継戦能力に直結すると言っても過言ではない。
イベント告知があったからには、既に取引掲示板やNPCショップは買い占めが始まっていてもおかしくはない。
「それに私達は、他のギルドよりプレイヤー数が少ないんだよね」
「PACや現地人の応援があるとしても、相手がプレイヤーとなると……厳しい局面があると考えた方が、確実だよね」
センヤとヒビキの言葉も、懸念事項の一つだ。【七色の橋】は参加メンバー百名の内、プレイヤーは二割未満。残りはPACと、応援NPCで賄う必要がある。
応援NPCのスキルやステータスは、小規模ギルドの【七色の橋】にとって有利。しかし彼等が、どこまで自発的に判断・行動が可能か……これは未知数だ。
「それに大規模なギルドは……確実に、プレイヤーの人数差を利用した作戦を立てて来ますよね」
「そうだね。包囲されて集中砲火……なんてなったら、いくら何でも耐え切れないかもしれません」
ネオンの懸念に、ヒメノも同意を示す。必ずしも、相手が真っ向から攻めて来るとは限らないのだ。百対百の大規模な戦闘となれば、戦略を立てるのは当然の帰結だ。
「うん。これらの意見を踏まえて、俺達もイベントに向けて準備を始めよう」
「となると、まずは……エクストラクエスト、ですね」
ヒイロの発言を引き継いだシオンの意見に、全員が頷いて見せた。
【七色の橋】の戦略の要は、ユニークスキルを保有する結成メンバーの七人。そのスキル強化は、必須となるだろう。
「あ、そうだ……ユージンさんやリリィさん、クベラさんを誘わない?」
ふと思いついたジンの提案に、ヒイロは確かにそれは良い案だと頷く。
とはいえユージンとリリィの二人は、過去に【桃園】や【魔弾】にゲスト参加した経緯がある。今回も同様に、それらのギルドに加わる可能性は高い。
「ま、ダメ元で連絡しよう」
ともあれ、ユージンへの連絡はジン。そしてリリィへの連絡はレン、クベラへの連絡はヒイロが担当する事になった。
その時、マキナはある提案をしようとして……そして、口を噤んだ。
本当ならば、三人を誘うという話題になった際に……クラスメイトを、誘ってもいいかと聞こうとしたのだ。しかし、それが出来なかった。まだ彼しか気付いていないが、クラスメイト……浦田霧人が、あの偽物騒動と大規模PKに関わっている可能性がゼロではないから。
……
イベントに向けたこれからの行動方針についての話し合いは、手早く切り上げた【七色の橋】。人数が少ない分、議論や意見交換が複雑化しない点は小規模ギルドのメリットだろう。
まず最優先は、エクストラクエスト第三弾の攻略。それと並行して、各種消費アイテムの素材収集。
風火山雷の四カ所……そして、もし存在するならば【千変万化】【百花繚乱】【一撃入魂】の強化も進めたい。そして、消費アイテムの確保……それを作る為の素材の確保は、絶対に欠かせない。
同時に未契約メンバーの、PAC契約の推進を図る事になった。応援NPCと違い、PACはプレイヤーの裁量でが可能なのだ。
PACと契約していないのは、センヤ・ネオン・ヒビキ・マキナ。場合によっては、ジン・ヒメノ・レンが所持している未使用のオリハルコンチケットの使用も視野に入れる事になった。
そして……。
「各々の装備の強化、だね」
カノンが珍しく、饒舌だった。各々が装備している武器や防具……その性能を引き上げる事で、イベント戦での戦力アップを図りたい。鍛冶専門のカノンとしては、この点は譲れないらしい。
「そうすると、尚更ユージンさんに参加して欲しいよねぇ」
「センヤちゃん、デザインの相談をしたいって言っていたもんね」
この【七色の橋】の装備について、これまで携わってくれた生産職人……それも、最高峰のプレイヤーであるユージン。結成メンバーの装備を手掛けたのは、ユージンだ。更に追加メンバーの為に製作された武器や防具も、ユージンが提供してくれたレシピを元にしている。彼無くして、これまでの成績は成し得なかったと言っても過言では無いだろう。
そこで、ジンとヒメノがピクッと反応した。本人だけが見る事が出来る視界に表示される、アナウンスに気付いたのだ。ヒメノも見えるのは、夫婦としてメッセージ閲覧も共有化されているからである。
「ユージンさんから、返信が来たみたい」
ジンがシステム・ウィンドウを開き始めると、メンバーの視線が集中する。そして、ユージンからの返答は……。
次回投稿予定日:2021/9/28(幕間)
PvE、PvP、生産イベントの次は、GvGです!
ギルド規模を埋める為の応援者システムは、同じ土俵に立たせるための苦肉の策でございます。
※2022/5/3、イベント上位への褒賞の記載を追記。