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忍者ムーブ始めました  作者: 大和・J・カナタ
第九章 第二回イベントに参加しました(後)
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09-24 決勝戦・副将戦(後)

――はやきこと風の如く。


 そのキーワードをジンが口にした瞬間、彼の足元から紫色のオーラが噴き上がる。噴き上がったオーラは、すぐにジンを包み込んでみせた。しかしながら、特異な点が一つ……それは、ジンの腰辺り。動物の尻尾のようなオーラが、ジンの腰から伸びているのだ。


「あれは尻尾……狐の尻尾?」

「それが……九本? 九本の尻尾って……!!」

「それじゃあ、まさか……!?」

 観客の中の数人がそう言うと、周囲の観客達がその意味に気付く。

「九尾の……狐……!!」


************************************************************


 そんな観客席の喧騒は、ステージ上の二人には届かない。互いに、目の前の相手にだけ集中しているのだ。

 ジンにとっては、実に久しく感じる没入感。ギルバートにとっては、もしかしたらここまでの集中力を発揮したのは初めてではないか? という程に、戦いの空気に埋没していく。


――ヒメノ君やレン君、シオンさんが発動したものと、酷似している。恐らくはステータス強化。特定ステータスのみか? いや、全てが向上していると考えろ。


 ギルバートの思考は、既に相手をプレイヤーとして見てはいない。最早、相手はボスモンスター同様の存在。いっそ、ラスボスでも構わない。

 気を抜けば殺られる、隙を見せれば屠られる。そんな、自分のHP(いのち)を摘み取る相手。如何に彼の心根が優しかろうと、勝負の世界に温情は不要。自分達は、互いに相手を倒す為にこの場に居る。


 ギルバートが決死の覚悟を決めると、ジンが口を開く。

「それでは、いざ……参る!!」

 小太刀を構え、ギルバートを見据えるジン。


 九尾のオーラを身に纏い、二振りの小太刀を構えた忍者少年。会場中の全てのプレイヤーの視線を集め、ジンは走り出す。

 そのスピードは、【変身】状態のジン同等。同じく【変身】状態だったアーサーをも凌駕した、正真正銘の最速。この【武技・九尾の狐】で、ギルバートに打ち勝つ……そう決意を込めてジンは走る。


 その疾走を、ギルバートは辛うじて視界に収める事が出来た。そしてジンの放つ圧倒的な存在感を頼りに、彼が狙っているであろう部分へと槍を向ける。

 甲高い金属音、そして散る火花。ギルバートの勘は的中し、ジンの攻撃を防ぐ事に成功した。しかしながら、それで終わりではない。更なる追撃が、ギルバートの身体アバターを斬り付けた。

「ぬぅぅぉぉぉおおおっ!!」

 目にも止まらぬ早業、とはこの事。ジンの繰り出す斬撃は視認する事すら困難で、ギルバートの身体にダメージエフェクトを刻み付けていく。


 ジンの動きは最早、速いとしか言い様がなかった。それ以外に、適切な言葉が浮かばない。

 激しい斬り付け攻撃を受け、ギルバートのHPは残り一割程度。このまま、成す術無く倒されるのではないか……そんな予感さえする。


 しかしギルバートは、ひたすら耐える事を選ばない。何せ耐えた所で、今のジンに当てられる攻撃など心当たりが無い。あえて言うならば、【ミリオンランス】でワンチャンあるのでは? という程度。それでも恐らくは、決定打にならないだろう。


――あぁ、今回はダメだったけど……。


 ギルバートは、そんな諦めの言葉を心の中で口にしかけ……そして否定する。


――次は……なんて言うかよッ!!


「【超加速】!!」

 虎の子の加速スキル【超加速】を使用し、バックステップしてジンの間合いから逃れたギルバート。すぐに体勢を整え、槍を構える。【ミリオンランス】も【グングニル】も、他の武技も通用しないだろう。

 ならば……同時に放てばどうか。

「【グングニル】!! 【ミリオンランス】!!」

 武装スキルと、武技の併用。限界に近い状況下で、ギルバートが思い付いた苦肉の策。その武技と武装スキルの併用は、思わぬ成果を披露する。


 ギルバートの放つ【ミリオンランス】のヒット数だけ、オーラの刃がジンに向けて殺到する。一般的なプレイヤーならば、避けるのは至難の業だろう。

 しかし、ジンは一般的なプレイヤーとは言い難い。武技抜きでそれを回避し始めるが、その表情は興味深そうなものだった。武技と武装スキルを合わせて発動した、ギルバートの攻撃。これは自分や仲間達も応用できそうだ、と。


 そんな事を考えつつも、ジンは更に加速すべくこれまで温存していたスキルを発動。それは、ギルバートと同じ……そしてゼクスも使用したスキルだ。

「【超加速】!!」

 更にAGIを向上させたジンは、オーラの槍を避けていく。飛来するオーラの数は、十では足りない。それでも尚、尽くを回避するその姿……もし、それを観客達が視認する事が出来たならば、盛大な歓声が上がっていた事だろう。

 紫色のマフラーを靡かせ、槍騎士の猛攻をやり過ごす姿は正しく忍者。


 そしてついに、ギルバートの武技が終わる。武技の後に訪れる技後硬直が、彼の身体を拘束する。それを見計らって、ジンはギルバートに向けて接近した。

 一瞬でギルバートの懐に潜り込んだジンは、身体を丸める様にしている。その体勢から、右足をギルバートの腹に向けて突き立てた。


「【ハイジャンプ】!!」

 同時に発動した、【体捌きの心得】で得られる武技。それを攻撃に転用したオリジナル技、【ハイジャンプ〜ただし跳ぶのは相手〜】。その応用武技を受けたギルバートは、直上へと吹き飛ばされた。


「ぬおぉぉぉぉっ!?」

 蹴り上げられ、急上昇するギルバート。その姿に、観客達が目を丸くした。

「【ハイジャンプ】!? 今、【ハイジャンプ】って言ったよな!?」

「ギルバートが吹っ飛んでんぞ!?」

「おいおいおいおい!! 何だそりゃあ!!」

「嘘だろぉっ!?」

 彼等はそう叫びつつ、上空に向けて飛ばされたギルバートを視線で追う。ジンから目を逸らして……だ。


 ジンは体勢を一瞬で整え、ギルバートを見る。このまま、高高度ダメージで終わらせるつもりはない。

「【縮地】!!」

 ジンは第一回イベントの後で、≪白虎の宝玉≫のスキル【縮地】に興味を抱いた。そこでシオンの持つ≪白虎の宝玉≫と、自分の持つ≪玄武の宝玉≫をトレードしていたのだ。


 上昇するギルバート、その進路上に瞬間移動したジン。再び右足をギルバートに向けて突き出す。

「【天狐てんこ】!!」

 二段ジャンプ用の、足場として使用する魔法陣。それを展開すると同時に、ギルバートがジンの右足に接触した。その衝撃に、ギルバートはエビ反り状態となる。

「ぐぉっ……!?」


「これで決めるでゴザル!! 【空狐くうこ】!!」

 両手の小太刀を構えたジンは、攻撃の手数を増やす為に【空狐くうこ】を発動。

「【閃乱せんらん】!!」

 そして更に、【刀剣の心得】の最終奥義を発動させた。それは単発で発動する【一閃】を、連続で放てるという大技だ。しかしながら、代償はある。【一閃】一撃につき、HPを10消費するのである。勝負を決めるここぞという時にしか使えない、諸刃の剣と言えよう。


「【一閃】!!」

 ギルバートを斬り付ける度に、激しいライトエフェクトが発生する。一撃毎にギルバートのHPが減少し、そして……ついに、ゼロに達した。


************************************************************


 ステージ上に落下したギルバートは、ピクリとも動かない。ジンは高高度落下ダメージを避けるべく、【縮地】を発動して着地した。

 決着……それを察したアンナが、ステージ上に転移する。

『ギルバート選手の、戦闘不能を確認……』

 静まり返った会場に、アンナの声が響き渡る。

『よって、決勝戦・副将戦……勝者、ジン選手!!』


 ジンの勝利……その宣言を受けた観客席のプレイヤー達が、一斉に沸く。

「うぉぉぉっ!!」

「忍者さんの勝ちだぁぁっ!!」

「ギルバートさぁんっ!?」

「サブマスが負けた……!! 嘘だ……ウゾダドンドコドーン!!」

「ヤバッ!! マジヤバッ!!」

「いやっほぉぉう!! ジン最高ゥッ!!」

 悲喜交交ひきこもごもの声に、拍手の音。しかし、これで終わりではない。


『そして、三本先取により……決勝戦、勝者は【七色の橋】っ!! 優勝、おめでとうございますっ!!』


 そのアナウンスを聞いた観客達は、立ち上がって歓声を上げる。それは今日一番の、凄まじい盛り上がりだった。

 そんな大歓声の中、ギルバートのHPが1だけ回復。先程までの素早さはどこへやら、ゆっくりと立ち上がってみせる。

 憑き物が落ちたかの様な、どことなく清々しい表情。そんな彼は、ゆっくりと歩き出す……ジンの元へと。


 ギルバートを見据えて、ジンはその場に留まっていた。その身体を覆う【九尾】のオーラを、霧散させる。

「見事だった……負けたよ、ジン」

 そう言うと、ギルバートは頭を下げる。

「君に対する無礼な発言、改めて謝罪する。済まなかった!!」

 それはギルバートなりの、最大限の誠意を込めた謝罪。それを正面から受け止め、ジンは頷いた。

「これで正真正銘、和解でゴザルな」

 アッサリとした言葉で、ギルバートの謝罪を受け入れるジン。そんな二人に、会場中から拍手が贈られる。


 そんな拍手を受け、ギルバートは更にジンとの距離を詰める。

「お手を失礼……」

 そう言ってギルバートはジンの右腕を握り、そしてグッと天に掲げる。それは彼の勝利を認め、称えるというギルバートの思いが込められた行動だった。


「最速の称号は、今は預けるよ。いずれ必ず、私が貰いに行く」

 それは、また仕合おうという再戦を約束する言葉。それを受けて、ジンは笑みを零す。

「うむ、またるでゴザルよ……ギルバート殿」

 そんなやり取りは、やはり会場中のプレイヤー……そして運営達の耳に届く。拍手の音が一層大きくなり、歓声は熱を帯びていく。


……


 優勝チームが確定した所で、ステージ上に二人の運営メンバーが転移して来た。一人は銀髪の青年であり、運営責任者であるシリウス。そしてもう一人……青銀の髪を風に靡かせた美女が、その傍らに居る。

 その女性を見た瞬間、レンが目を見開いた。無理も無いだろう、彼女にとって誰よりも身近な存在であり……敬愛する実姉が、そこに居るのだから。


『AWOを楽しんで頂いているプレイヤーの皆さん、この第二回イベントはどうだったでしょうか? 最後の試合は特に、熱の籠もった熱い戦いでしたね』

『数々の素晴らしい試合を拝見出来て、私もとても嬉しく思います。申し遅れました、私は運営主任のエリアと申します』

 二人は穏やかな声で会場中のプレイヤーに語り掛けながら、ステージ中央……ジンとギルバートの下へと向かう。

『では、お二人はそのままで……これより、表彰式を始めたいと思います。それでは、アンナ……』

 エリアの呼び掛けを受けて、アンナがマイクを口元へと運ぶ。

『それではチーム名をお呼びしますので、ステージ上へお越し下さい。まずは優勝チーム、【七色の橋】チーム! 準優勝、【聖光の騎士団・Ⅰ】チーム!』

 チーム名を呼ばれ、各々のチームがステージへ向けて歩き始める。更に他のチームも名前を呼ばれ、決勝トーナメント進出を果たした全てのチームがステージに上がる。


 全てのチームが揃った所で、シリウスの左側に立つアンナがマイクを口元へ運ぶ。シリウスの右側に立つのは、エリアだ。

「それではまず、優勝チームの表彰を行います。【七色の橋】の代表者、二名は前へどうぞ」

 アンナの言葉に、ヒイロとレンが顔を見合わせる。代表者……となれば、ギルドマスターとサブマスターが出るのが当然だろう。

 ヒイロはシリウスの前へ……そして、レンがエリアの前へと歩み出る。自分の前に来たレンを見て、エリアは満面の笑みだ。


「それでは≪オリハルコンチケット≫と≪プラチナチケット≫を運営責任者シリウスより、≪ゴールドチケット≫と≪シルバーチケット≫を運営主任エリアより贈呈致します」

 アンナの進行を受けて、シリウスとエリアがその手にチケットを具現化させる。

「優勝おめでとう、見事なチームワークだったよ」

 シリウスが差し出したチケットを、ヒイロが両手で受け取り一礼する。優勝賞品は≪プラチナチケット≫二枚に、用途が明かされていない≪オリハルコンチケット≫一枚だ。


 そして……。

「さぁ、どうぞ。優勝おめでとう」

 レンとどことなく似ている美女……まぁ、似ているのは実の姉妹なのだから当然か。

「ありがとうございます」

 エリアの言葉にレンはニッコリと微笑み、≪ゴールドチケット≫と≪シルバーチケット≫を受け取る。が、どことなく圧を感じさせる笑顔だ。そして、その内心は……。


――どういう事ですかお姉様!!

――詳しい事は、後で話すわね? あ、そうそう。約束も果たさないといけないわねー。

――……絶対ですからね?

――勿論よ。私が恋に嘘を吐いた事があったかしら?


 視線だけで、これだけの意思疎通を取れる姉妹。もうこれ、テレパシーの域ではなかろうか。


……


 続けて、準優勝の【聖光の騎士団・Ⅰ】チームには≪プラチナチケット≫二枚、≪ゴールドチケット≫と≪シルバーチケット≫各一枚。

 準々優勝の【魔弾の射手】・【森羅万象・A】チームに、オリハルコンを除く三種のチケットが、各一枚。

 決勝トーナメントに進出した【桃園の誓い】・【遥かなる旅路】・【ベビーフェイス】・【暗黒の使徒】には、金銀のチケット一枚ずつが手渡される。


 壇上に上がる全八チーム中、五チームは晴れやかな空気を纏っている。勿論、ジン達【七色の橋】がその最たるものだろう。

 そして、【七色の橋】を応援していた【桃園の誓い】と【魔弾の射手】。彼等はジン達に歩み寄り、祝福の言葉を掛けていく。


「おめでとう、皆。素晴らしい戦いだったね」

「やったな、おめっとさん!!」

「かーなーり、強かったわよー!!」

 ケイン・ゼクス・イリスの三人が、真っ先に声を掛ける。ジン達との交友が深い為、当然といえば当然か。


 そして、次に声を掛けるのは……。

「やぁ、見事だったね」

 【七色の橋】御用達の生産職人である、ユージンだ。彼は自分がこの場に現れる事で、ジン達が驚くだろうと期待していたのだが……そうは問屋が卸さなかった。

「あ、やっぱりユージンさんがゲスト参加してたんですね」

「弾丸供給が出来る生産職人っつったら、ユージンさんくらいッスよねぇ」

「予測されていた……だと……!?」

 当てが外れてオーバーに驚く生産大好きおじさんに、ジン達は苦笑する。


「あはは、残念でしたね~」

 そんなユージンに声を掛けるのは、レーナ達だ。

「いやぁ、最後までワクワクする戦いだったよー」

「流石、【七色の橋】の皆でした! ドキドキしっぱなしでした! 英語で言うと超エキサイティンッ!!」

「超は日本語でしょ……あ、優勝おめでとう。皆、凄かったわね……年甲斐も無く全力で応援しちゃったわ」

 【魔弾の射手】のメンバーで、ジン達と仲の良い四人組。相変わらずの賑やかさで、ジン達を祝福する。


 そんな様子を遠巻きに眺めつつ、アーサーは手に入れたチケットをヒラヒラさせる。

「さぁて、追い付く為にはどんなモノをゲットするか……次は負けないっての」

 負けず嫌いな彼にしては、喜色が覗える。ライバルと見定めたジンが、ギルバートを倒した時はガッツポーズしていたくらいだ。


 そんなアーサーに、ハルが笑顔で声を掛けた。

「そだね、私ももっと強くなりたいし! 一緒に頑張ろう、アーサー!」

 満面の笑顔を向けるハルに、アーサーは少々頬を染めながら笑みを浮かべる。

「おうっ! 一緒に強くなろうぜ!」


 アーサーをジーッと見ていた三人組が、ハルに負けるものかと割って入る。

「私も! 私も一緒ですよ!」

「アーサーは目が離せないからねー、付き合ってあげるよん♪」

「私も……一緒で良い?」

 いつもの賑やかなギルドメンバー達に、シンラとクロードは笑みを零す。負けはしたものの、得るものが多いイベントだった。今は、そう感じていた。


 そんな賑やかな面々を見つつ、【遥かなる旅路】は今後の方針について話し合う。

「未知のスキルや装備が、まだ眠っているに違いない。なぁ?」

「そうね、今後はそれらの捜索も進めましょうか~!」

「おう、俺も頑張るぜ!」

 悔しいという思いは拭えずとも、前向きにこれからまだまだ強くなれると心を滾らせる。彼等もまた、このゲームを全力で楽しむ一団である。


「……チッ、今度はこうはいかねぇ……」

 そう言いながら、ローウィンを筆頭にステージを降りていく。とはいうものの、正直に言うと居心地が悪いだけだった。


――バケモノだらけじゃねぇか、こいつら……!! クソッ、デバフアイテムの為に素材を集めたせいでコインもすくねぇし……!! 赤字だよ、畜生!!


 彼等【ベビーフェイス】が決勝トーナメントに進出出来たのは、ファルスのPACパックが製作したデバフアイテムのお陰。しかしデバフアイテムを大量に用意した結果、金欠に陥っていた。

 彼等の次の活躍が見られる日は、果たして来るのだろうか。


 そして、【暗黒の使徒】。彼等もまた、ある意味盛り上がっている真っ最中である。

「良いか、【七色の橋】に鉄槌を下すのは後だ。まず間違いなく、ぶっ殺される!!」

「くそぅ……今すぐ殴りてぇよぉ!!」

「我慢しろ、死にたいのか!? 忍者のアレを見ただろう、一瞬で殺られるぞ!!」

 いずれは【七色の橋】に決闘を挑むつもりらしいが、彼等は馬鹿ではなかった。実力差を痛感し、今は耐え忍ぶ事を選択したのだった。


 そんな賑やかなステージの上で、一人の男が【七色の橋】に向かって歩き出した。白銀の鎧を身に纏うその男の名は、アーク。【聖光の騎士団】最強の男だ。

 アークの接近に気付いた【七色の橋】が、彼に向き直る。アークは真剣な表情で、ヒイロを見て口を開いた。

「我々の負けだ……見事だった」

 それは、潔い敗北宣言。しかし彼の眼に宿る光からは、闘志が見え隠れしている。そして、アークはヒイロを真っ直ぐに見て、軽く頭を下げた。


「負けたと言っておいて、何なのだが……ヒイロ君、俺と決闘をしてはくれないか?」

次回投稿予定日:2021/3/8


ジンVSギルバート、決着!

祝【七色の橋】優勝!!

しかしまだ終わらない、俺達の決勝戦はこれからだ!!!


※打ち切りではございません。

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― 新着の感想 ―
[良い点] >超エキサイティンッ!! ギルバートをステージの上空にシュゥゥゥーッ!!
[一言] オンドゥル語...!と思ったらエセオンドゥルだった。 こういうのもあえてちょっと変えたりしてるのか... 気遣い大変。
[良い点] ジンくんvsギルバート決着そして和解なんとも競技者であるジンくんらしい結末でした。このあとあるであろう現実でのギルバート&ライデンとの邂逅が今から楽しみです。
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