09-23 決勝戦・副将戦(中)
ついに始まったジンとギルバートの試合は、開幕から激しい高速戦闘となっていた。小太刀と槍がぶつかり合い、火花を散らす。互いに目の前の相手に集中し、全身全霊を込めた戦い振り。そんな二人の戦いに、観客からの声援も熱を帯びていく。
「あぁっ!! 惜しいっ!!」
「ギルバートさん、そこだぁっ!!」
「さっすが忍者!! 良いぞぉ!!」
「すげぇ、こんな試合を生で見れるなんて!!」
「頑張れーっ!!」
二人の間に、何があったのか? そんな事は、もうどうでも良い。今はただ、目に映るこの戦いこそが全て。
余計な事を考えて、この試合から意識を逸らすなどとんでもない。憶測も邪推も不要、目を逸らして掲示板に書き込むなど勿体無い。
ジンとアーサーの戦い以上に、観客達はその動きを見る事に集中していた。
ギルバートの槍が唸りを上げて振るわれる。それを紙一重で躱しながら、ジンがクルリと一回転。その勢いのままに小太刀を振るう。
それを槍の柄で弾き返し、ギルバートは蹴りを繰り出す。ジンは後方宙返りで蹴りを避け、逆の手の小太刀で斬り付ける。その剣筋を予測したギルバートは、バックステップで一歩下がってやり過ごす。
そのまま距離を取るかと思いきや、彼はすぐに再び前に出た。槍の石突きでジンを突こうとするも、ジンはそれをヒラリと避ける。しかし、ギルバートは更に槍の持ち手を軸にする様にして横薙ぎ払い。ジンの首目掛けて迫る刃は、風を切るかの如き速さだ。
しかしながら、相手は本当に風の如く。膝を曲げ、腰を落として姿勢を低く下げたジンは、ギルバートの刃を潜り抜ける様にして回避。ギルバートに一歩踏み出し、斬り上げる様に小太刀を振るった。ギルバートは両手で持っていた槍を左手で持ち、そのまま振り抜くと背中の方へ。その持ち手から左手を離すと同時に右手で握り、勢いを殺さずに振り抜く。
迫るジンの刃と、ギルバートの刃が激突。激しい火花が散り、互いに仕切り直すべく距離を開ける。
「【グングニル】!!」
距離を開き切る直前、ギルバートはジンに向けて【グングニル】を放つ。迫る【グングニル】の刃に、当然ジンは気付いている。地を蹴り、身体に捻りを加えて跳ぶ。
その身のこなしは鮮やかで、観客達は前のめりになってその姿を見つめた。フィギュアスケート選手の演技、大技の瞬間を目に焼き付けようとするかの様に。
着地しながら、ジンは右手の≪大狐丸≫を振るい魔技を発動する。
「【狐風】!!」
放たれるカマイタチの様な攻撃。ギルバートはジンに対抗するかの様に、前方宙返りでそれを避ける。着地と同時に腰を落として槍を構え、ジンを見据える。
対するジンも、両手の小太刀を構えた状態で静止した。
それは三十秒にも満たない時間の中で繰り広げられた、技の応酬。決勝戦という舞台に相応しい、高度な駆け引き。互いの誇りと意地を賭けた、超高速の戦いだった。
……
「ひぇぇ……何この速さ……!! 目で追い切れないよ!!」
観戦していたイリスが、震えながらそんな事を宣う。もしもあの攻撃に、自分が晒されたら? 間違いなく、何も出来ないままに殺られてしまう事だろう。
そんなイリスに、ダイスが苦笑した。
「アレ、俺でも対応し切れないぜ。ギルバートの奴も更に速くて鋭くなってんだけど……ジン君、やべぇな。あれで本当にVR歴が半年未満なのか?」
ギルバートはVR歴が長く、その中で腕を磨いて来た……言わば、歴戦の強者だ。彼の速さと技術は、これまでの戦いの集大成である。
問題は、それに拮抗するジン。半年に満たないVRMMOライフで、ギルバートと渡り合うだけの力を身に着けた少年であった。
そんなダイスの疑問に、ゼクスが真剣な顔で口を開く。その視線は、ジンとギルバートの戦いに固定したままでだ。
「アイツのこれまでは、ハッキリ言って異様だからな。プレイ二日目に、ソロでエクストラボスを倒す様な常識外だぜ?」
「異様は言いすぎだけど、ね。ジン君はエンジョイ勢に見えて、かなり内容の濃いプレイをして来ている。初っ端から、高難易度クエストを踏破して来ている訳だからね」
その批評にケイン・ゼクス・イリス以外が目を丸くする。エクストラクエストの事は聞いていたが、ジンが二日目でそれを討伐したという情報は初耳だった。
……
そんな評価を受けているとは露知らず、ジンはギルバートとの戦いに集中する。全力を尽している……しかし、ジンは全ての手札を晒してはいない。ギルバートはそれに気付いており、ジンに向けて声を掛けた。
「どうした、君の力はそれだけではないだろう! これがこのイベント、最後の出場! ならば全ての力を出してみたまえ!」
ジンの保有するスキルは、多岐にわたる。それを知りつつ、ギルバートは堂々とした様子でそう言い放った。
ジンのスキル……それは第一回イベントと、先のアーサー戦で披露しただけでも脅威そのもの。
デバフ効果のある魔技に、【分身】。【チェインアーツ】というプレイヤースキルも身に着けており、更には苦無による魔技。そして、アーサーに打ち勝った【変身】。
それを理解していて尚、ギルバートはジンにそれを出して来いと言う。それにはギルバートなりの、ジンに対する配慮でもあった。
「君が全力を尽してこそ、それに打ち勝つ意味がある!! 君の言う、真剣勝負というやつだ!!」
ギルドの事を思えば、それは間違った判断。しかしギルバートは、ジンの全力を望んだ。それは全力を尽くしたジンに倒される為ではなく、全力を尽くしたジンを倒す為。
――これまで積み上げてきた全てを駆使して、お前を倒す……!! その後の事は、今は考えはしない!!
罪悪感、後悔の念、謝罪の気持ち。それは今だけは、脇へと置く。ジンの望む真剣勝負の為に……そして、そんな彼に勝利する為に。
ギルバートの言葉を受け、ジンは目を丸くしていた。
「……そうでござった。失礼、貴殿との戦いが楽しくて、スキルの事を失念していたでゴザル」
その言葉に、ギルバートも観客達も目を丸くした。ギルバートとの戦いに集中するあまり、スキルの存在を忘れていたというのだから当然か。
ギルバートはその言葉の中で、楽しくて……という部分に反応した。
この戦いを、彼は楽しいと言った。このひりつく様な、隙を見せればそれで終わる様な戦いを。
――楽しい、か。
これまでは、どう思っていただろう。今は、どう思っているだろう。ギルバートは、自分のこれまでを振り返る。
ここ最近……とはいえ、数年は戦いを楽しいと感じていたか? 戦いに勝利して、チヤホヤされて……その時は、心が満たされた。しかし、戦うことそのものに対してはどうだっただろう。
VRを始めた当初は、楽しんでいた。確かに、負けたりする事もあった……その敗北すらも、次は負けるものかと対策を練り、レベルを上げたり技を磨いて……楽しんでプレイしていた。
そんな、楽しいと感じる気持ちを忘れてしまったのは、いつ頃だったか。
そして今は?
――あぁ、確かにそうだ。
ギルバートは、構えを解いてジンに応える。背筋を伸ばし、彼を真っ直ぐに見据えて頷いた。
「あぁ、楽しいな……」
この戦いを、自分は確かに楽しんでいる。ここのところ感じなかった、高揚感。自分と同じ領域の速さで戦える、好敵手。こんなに楽しい戦いは、いつ以来か。
「さぁ、続けようジン。我々の……最高の戦いを!!」
「で、ゴザルな……では、いざ!!」
ジンは印を組み、そのスキルを開帳する。このイベントでは、まだ使用していなかった……彼の忍者ムーブの象徴の一つと呼べる、あのスキル。
「【分身】!!」
ジンの周囲に、彼と全く同じ姿をしたNPCが召喚された。その光景に、会場から盛大な歓声が上がる。ちなみに、印を組む意味は無い。
「【追従】!! 【クイックステップ】!!」
ギルバートに向けて、高速接近。六人のジンが迫る光景に、ギルバートは内心で苦笑いした。
――挑発しなきゃ良かった!! 何だよ、この威圧感はっ!!
苦笑いどころでは、なかった。内心ではテンパっている。傍目には、堂々としているように見えるが。
しかし、彼の受難はここからだった。
「【散開】!!」
NPCジンへの指示は、キーワードを口にする事で行われる。【追従】はジンの動作を真似て動く事……【散開】は、分散して敵を倒す時には使用されるキーワードだ。本来は複数の敵に囲まれた時などに使用するのだが、この場合……四方に散ったジン達は、一人の標的に向けて構えを取る。
一対六という不利な状況にあって、テンパっていた心を押し込めるギルバート。そして己を鼓舞する様に、彼は不敵な表情で槍を構えた。
「我がギルドにも、その【分身】を扱える男が居るッ!!」
そう、【聖光の騎士団】にもこのスキルを持つ男……ヴェインが居る。ギルバートは彼から、【分身】についての話を聞いていた。
【分身】によって召喚されるNPCは、プレイヤーのステータス-50%の性能。また、その際に使用者であるジンのステータス値も半減してしまう。それはジンのユニークスキル【九尾の狐】の効果であるAGI+100%を、リセットするに等しい。むしろAGI以外のステータス-50%は据え置きなので、弱体化と言って差し支えないだろう。
それでも尚、ジンのステータスは一般的なプレイヤーからすれば異端と言えるものだ。
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■プレイヤーネーム/レベル
【ジン】Lv32
■所属ギルド
【七色の橋】
■ステータス
【HP】112/112≪+160≫ (合計272)
【MP】41/41≪+140≫ (合計181)
【STR】10【-50%】≪+40≫ (合計45)
【VIT】10【-50%】≪+40≫ (合計45)
【AGI】82【+100%】≪+126≫ (合計290)
【DEX】10【-50%】≪+40≫ (合計45)
【INT】10【-50%】≪+40≫ (合計45)
【MND】10【-50%】≪+40≫ (合計45)
■スキルスロット(4/4)
【短剣の心得Lv10】【体捌きの心得Lv10】【投擲の心得Lv4】【九尾の狐Lv10】
■拡張スキルスロット(5/5)
【刀剣の心得Lv10】【分身Lv8】【達人の呼吸法】【超加速Lv4】【変身Lv1】
■予備スキルスロット(5/5)
【体術の心得Lv3】【隠密の心得Lv2】【銃の心得Lv2】【感知の心得Lv10】【鍛冶の心得Lv3】
■未装備スキル
【採掘の心得Lv1】【毒耐性(小)】
■装備
≪闇狐の飾り布・弐≫HP+40、MP+40【破壊不能】
≪夜空の衣・弐≫全ステータス+40【破壊不能】【縮地】【朱の羽撃】
≪大商人のポーチ≫収納上限1000
≪大狐丸・弐≫AGI+40【破壊不能】
≪小狐丸・弐≫AGI+40【破壊不能】
≪生命の腕輪≫HP+20【HP自動回復(小)】
≪狩人のチョーカー≫AGI+3
≪狩人のベルト≫AGI+3
≪ユージンの付け髪≫HP+100、MP+100
■【変身】
≪風の忍鎧≫
【AP】52/100
■予備装備
≪シーカーロープ≫
≪ジンの苦無≫DEX+2
≪ジンの手裏剣≫DEX+2
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ジンのAGI基礎値は82。それが【九尾の狐Lv10】の効果で2倍となり、164。更に装備によるステータス強化を受け、290となる。それが【分身】の効果で半減させられ、現在はAGI値145となっていた。
ギルバートのAGI値が127であり、現在のジンと同等となった。仕掛けるべきはここだと確信し、ギルバートは地を蹴って駆け出した。
「ふんっ!!」
技後硬直を避ける為、武技は使用しない。しかしながら、同時に六人のジンを相手にするのは流石に骨が折れる。ならば選択するのは、武装スキルだ。一定値のMPを消費する武装スキル……それを効率的に使い、ジンを複数同時に倒す術を模索する。
ギルバートなりに出したその答え。MP消費はあるものの、武装スキルによる迎撃。
「【グングニル】!!」
槍を突き出すのではなく、薙ぎ払う。そうして発動された【グングニル】は、ギルバートの思惑通りに放たれた。
――これは一回戦で使った、飛ぶ斬撃……!! 【狐風】と同じタイプの攻撃だ!!
ジン本体はその攻撃を目の当たりにして、姿勢を下げた。しかしNPCジンはその咄嗟の判断をするだけの知能を備えておらず、飛ぶ斬撃に当たってしまう。
VIT値45が半減し、22.5という低数値。HPも272が半減して136。その状態でギルバートの【グングニル】を喰らった分身体は、あっさりとダウンしてしまう。
「まだまだっ!! 【グングニル】!!」
間髪入れずに放たれた【グングニル】の刃により、分身体は切り飛ばされる。残るは回避に成功した、本体のジンのみ。
「……【突撃】!!」
残りHPが僅かとなった分身体、最早残された手段は特攻しかない。ジンは素早く駆け出し、ギルバートの注意を引き付ける。分身五体と、ジン本体で挟み撃ちをしようという策だ。
しかしギルバートの判断は、それを覆した。彼は迫るジンに背を向け、分身体に向けて槍を突き出す。
「それは悪手だ……【グングニル】ッ!!」
渾身の力を込めて放たれたその攻撃は、ジンの分身体を尽く貫いてそのHPを刈り取った。
――それなら……っ!!
ギルバートが背を向けている今が好機、逆に言えば今しかその隙は無い。
「【変身】!!」
ジンは【変身】を発動、≪風の忍鎧≫をその身に纏う。これによって、【分身】で半減したステータスが倍加……つまり通常値に戻った。この状態からならば、APを駆使してギルバートを上回る力を発揮出来る。
だが、それもギルバートにとっては織り込み済みだった。
「それも既に見ている!! 【ミリオンランス】!!」
アーサーとの戦いを観戦したギルバートは、嫉妬と劣等感に苛まれつつその光景をしっかりと見ていた。【変身】は専用装備を身に纏う事で発動するスキルであり、その装備のAPが尽きる事で効果を失う。
そしてギルバートの放つ【ミリオンランス】は装備品に対し、絶大な効果を発揮する。その利点は、≪スピア・オブ・グングニル≫の性能だ。そう、耐久値ダメージ+5%が功を奏したのである。
その連続突き攻撃は、ジンの纏う変身専用装備≪風の忍鎧≫のAPを着々と削っていく。
ジンにとって不運だったのは、≪風の忍鎧≫のメンテナンスを失念していた事。理由は言うまでも無く、ギルバートの例の発言にブチ切れた仲間達を宥めるのに時間を浪費した為である。
ギルバートの猛攻は、ジンの切り札を無力化しつつある。
「まずい……っ!!」
APが全損する瞬間、ジンはバックステップで飛び退りアバター本体への直撃を避けた。同時に鎧が光の粒子となって消え、ジンの姿が露わになる。
「……流石でゴザルな」
……
「おいおい、【分身】と【変身】が破られたぞ……!?」
「マジか……ギルバート、ガチで強いな……!!」
「やべぇ、すげぇぞギルバート!!」
そんな声が観客席から聞こえる中、アレクはその様子を見て目を細めた。
――なーるほど? 装備耐久特化の武器で高威力攻撃を全力で当てる。そうやって効果解除に持ち込めばいい……【変身】はそうやって攻略する訳だ。
ギルバートの猛攻で【変身】解除まで追い込まれたジンを見て、アレクはニタニタと笑う。
ジンという規格外の存在を、いかに攻略するか……それを考えあぐねていたのだが、思わぬ相手がその解答を提示してくれたのだ。
――サンキュー、ギルバート。意外な所で役に立ってくれたよ……。
心の中で礼を言いつつも、アレクは彼を見下している。
今はノリにノッているが、彼の戦闘力はムラがあるのだ。その時の精神状態に左右されるという、彼の弱点である。
普段はライデンがさりげなくヨイショして、彼の精神を高揚させる。しかし第一回イベントの時の様に、そういった相手が居ない場合は本人次第となってしまうのだ。
故に、アレクはギルバートを”使えそうで使えない男”と評価していた。
――しかしこれだと忍者が負けて、アークとあの鎧武者君の戦いかな。
波に乗った状態のギルバートを止めるのは、困難だ。その事を知るアレクは、決勝戦の行方は大将戦にかかっていると判断した。
その直後、彼は驚きでその表情を崩す事となる。
……
「ハァッ!!」
裂帛の気合いを込めて振るわれた、ギルバートの槍。ジンはそれを避けつつ、機を窺う。その瞳に宿る光は曇る事無く、ギルバートの動きを見極めていた。その体捌きも淀み無く、HPを刈り取ろうと迫る槍を尽く回避していく。
そしてジンは、自分の身体の変化を察した。正確には、戻るのを察したのだ。
――来た!!
それは【分身】によって半減していたステータスが、元の数値に戻るタイミング。つまり、ジンのニュートラルな状態である。更に、あと一度攻撃を避ける事が出来れば準備完了となる。
「疾ッ!!」
ギルバートの槍を避け、更に鋭く踏み込むジン。
「【クイックステップ】!!」
それを見たギルバートは、歯嚙みして【クイックステップ】を発動した。距離を取ったギルバートは、再び【グングニル】で牽制をしようとし……ジンの纏う空気が変わった事に気付く。
「……【分身】のデメリットが解除された……だけでは無さそうだな。まだ、何かあるのか」
そう言うギルバートの表情は、ジンの奥の手を確信したものだった。ジンという存在を知れば知る程、まだ与り知らぬ何かがある。そう思わせるのが、ジンという少年に抱く印象。
会場中の期待と不安が入り混じる中、ジンは縦に首を振った。
やはり……と思いつつ、ギルバートは気になった事を問い掛ける。
「一つだけ聞いておきたい……それを使うのは、この私が初めてか?」
「そうでゴザルな……ギルドメンバーやボスモンスターを除くと、貴殿が初めてでゴザル」
その言葉を聞いて、ギルバートは満足そうに頷いた。
「それはそれは、光栄だな……そして初見で破るというのも、また中々に心が踊る!! 受けて立とう、【七色の橋】のジン!! このギルバートが、全力で相手を務めよう!!」
油断無く、ギルバートは槍を構える。その眼は爛々と輝いており、彼のゲーマー魂が激しく燃えている事を察する事が出来る。
そんなギルバート……好敵手の姿を認めたジンは、腰を落として小太刀を構える。
「では、いざ参る」
ジンの放つ威圧感を察し、ギルバートは息を呑む。そのまま呑み込まれぬよう、歯を食いしばってジンの行動を注視した。
そして、ジンが口にするのは……彼のユニークスキル【九尾の狐】の最後の武技。それを発動させる為の、キーワードだ。
「【其の疾きこと、風の如く】」
次回投稿予定日:2021/3/5
いや、うん……ギルバートもヘイト稼ぎ過ぎなので、少しはね?
そしていよいよ、ジンが【九尾の狐】の本領発揮。
ジンVSギルバート、次回決着です。