08-15 一回戦 第四試合
『一回戦第四試合に出場される選手の皆様は、ステージにお越し下さい』
アンナのアナウンスを受け、二つの控え室の扉が開く。片や黒い衣装を纏っており、顔も見えない集団。片や高校生くらいの整った容姿をした、男女混合プレイヤー集団だ。
黒い衣装の集団……【暗黒の使者】の面々は、良くも悪くも統一感溢れるチーム。一見すると、物語に登場する邪教とかカルト教団の様な集まりかと思わせる風体である。
対する【森羅万象】は、いかにも冒険者! といった装備をしている以外は、統一感に欠けている。しかし他のプレイヤーの装備よりも豪華で、レアアイテムである事はぱっと見で解る。
ステージ上で対峙する両チームに、会場中の視線が集まる。
『それでは、一回戦第四試合の出場チームを紹介します。まずは【暗黒の使徒】チーム!』
アンナの紹介を聞いた観客席の一角から、野太い男達の歓声が上がる。黒いローブを纏っている事から、どうやら【暗黒の使徒】のギルドメンバーらしい。
「殺っちまえーっ!!」
「俺達の分まで頼んだぞー!!」
「ブッ潰せー!!」
そんな、物騒な応援。その理由は……。
「「「「「「リア充に鉄槌を!!」」」」」」
その言葉に、一部のプレイヤーが引いた。しかしながら、一部のギルド外のプレイヤーが便乗する。多分、非リア充。
というのも、有名ギルドである【森羅万象】の中核メンバー……アーサーとその取り巻きは有名だ。傍から見れば、ハーレム以外の何物でもない。そんな光景を外から見ていると、妬みの対象でしかないのだった。
そしてPKギルドを名乗る【暗黒の使徒】。彼等のギルド方針は単純明快……『カップル死すべし慈悲はない』である。
とはいえ、倒したからといって何がどうなる訳でもない。リア充を倒す事が出来れば、それで良いという考えだ。なのでそれ以降の粘着行為はしないし、誰を倒したと吹聴する事もない。単に倒せれば良いという考えである。
あえて言うなら、PKされて仲違いでもしてくれたら心の底から嬉しいという程度である。要するに、ムカつくから殴らせろというだけ。
そもそも【暗黒の使徒】に所属するメンバーはPKをする際は不意打ちなどはせず、決闘を申し込むというルールが徹底されている。正面から正々堂々と、リア充を殴りに行っているのだ。その為、彼等は一人も軽犯罪や重犯罪プレイヤーではない。
つまり彼等は、決闘専門のPKギルドというわけだ。まともなのかイカれているのか、判断に迷う所である。
「……アーサー、狙われてんぞ」
「別に……戦って勝てば良いだけだろ?」
オリガとアーサーのやり取りに、非リア充代表……もとい、【暗黒の使徒】メンバーの放つ殺気が増した。
『…………えー、続きまして【森羅万象・A】チーム!』
この異様な雰囲気に色々と思うところがあったアンナだが、自分の職務を全うすべくチーム名の紹介を続けた。やらざるを得ないのが実情……というか、さっさと終わらせたい。
大ギルドの一角たる【森羅万象】の名に、観客席から盛大な歓声が上がる。
『それでは先鋒戦に出場するメンバー以外は、一度お下がり下さい』
そのアナウンスを受け、両チームの先鋒戦出場者以外が下がる。ステージ上には、アンナと六人のプレイヤーのみだ。
【森羅万象】からは前衛を務める盾職のハル、弓使いであるアイテル、杖を持つところから魔法職らしきシア。【暗黒の使徒】からは、未だにローブを纏ったままの三人だ。
「って、女の子ばかりかよ……強いのは解かっちゃいるが、気が引けるぜ」
「そう言うな……これは勝負なのだ。相手が誰だろうと、我々はベストを尽くす。そうだろ、シン?」
「あぁ……負けられない戦いがここにある」
ギルド【暗黒の使徒】の三人組は、相手が女性オンリーのチームである事を気に掛けていた。その為、発言にも非常に気を配っている。
「……手早く済ませましょう、早くアーサーさんの元に帰りたいですから」
「アイテルはブレないなぁ……」
試合の為とはいえ、アーサーから離れてしまったアイテルは不機嫌そうである。そんなアイテルに、シアは苦笑していた。
一方、ハルは【暗黒の使徒】チームに向けて笑顔を向ける。
「勝っても負けても恨みっこなしです! いい試合にしましょう!」
「「「お、おう……」」」
その言葉を受け、【暗黒の使徒】チームの三人はやたらと挙動不審になり始める。どうやら、美少女に笑顔を向けられて動揺しているらしい……免役なさ過ぎじゃない?
そんなハルに笑顔を向けられて照れているらしい、相手チームの三人に視線を向けるシア。
「ハルに微笑みかけられただけで、あの反応……もしかしてDT?」
その発言に、ステージ上の空気が凍った。
ちなみにDTとは某・悪魔も泣き出すゲームの主人公が、悪魔の力を発動するトリガーの略では無い。もっと身近で、男性ならば最初は誰もがそうであるAREである。色々と詳しい事はググって下さい、もう説明は控えます。
さて、DT扱いされた【暗黒の使徒】の面々。顔を真っ赤にして、身体を震わせていた。
「前言撤回だ、速攻で倒すぞ!!」
「女の子だからって容赦は無しだ!!」
「ベストを尽くすぞ!! ファイッ、オーッ!!」
シアにDTと言われて、途端にやる気を出す【暗黒の使徒】チーム。どうやら図星らしい。
会場内にいる大半の男性は、彼等に対して不憫そうな視線を向ける。この公衆の面前でDTと評されたらと思うと、他人事とは思えなかった。
『……………………それでは、一回戦第四試合・先鋒戦。試合開始』
アンナの温度の無い声による、試合開始宣言。彼女の苦労が偲ばれる。
……
黒いローブを装備したまま、【暗黒の使徒】チームの三人が縦一列に走り出す。
「悪く思うなよ!!」
「これぞ我らが必勝法!!」
「数々のリア充達を葬って来た技!!」
「「「ジェット・エクストリーム・アタック!!」」」
名前をストリームじゃなくエクストリームにしているが、やっている事は完全に某・黒い三〇星である。
そんな三人を迎え討つのは、茶髪をツインテールにした美少女……ギルドマスターであるシンラの妹・ハルだ。彼女は大盾を突き出し、黒い〇連星もどきを待ち受ける。
ちなみに黒い三連〇もどきは、槍使いのシン・大剣使いのフォウ・クロスボウ使いのギアの三人で構成されている。
「行くぞ!! 【ラウンドスラスト】!!」
シンの武技がハルを襲うが、ハルは大盾でそれを受け止める。華奢な少女ながら、大盾を持つその身体はビクともしない。
シンがそのまま、ハルの脇を擦り抜ける。彼の狙いはシアだ。
ジェットストリーム……もとい、ジェットエクストリームアタックの第二陣はフォウ。
「喰らえ、【ハードブレイカー】!!」
大剣を振り下ろして、ハルに斬り掛かる。その攻撃を受けても尚、ハルは微動だにしない。
「なんてぇ硬さだ!!」
そう言いながらも、フォウはシンとは逆側の方へと抜ける。
そして、三人目。クロスボウを構えたギアが、ハルに迫る。
「【ハイジャンプ】ッ!!」
ハルの目前で跳び上がり、その頭上からクロスボウを構えたギア。
「【スパイラルショット】ォッ!!」
先の試合で、ヒメノが使用した【スパイラルショット】。その特性は多段ヒットによって、高いダメージが見込める点だ。
ギアの放った【スパイラルショット】が、ハルの背中に直撃した。しかしながら、ハルのHPはちっとも減っていなかった。
「……ハァッ!?」
そのまま、地面に向かって自由落下するギア。ハルは振り返り、彼の着地地点に視線を向ける。
「今度はこっちの番だね! 【リヴェンジ】!!」
一方でフォウが向かった先は、弓使いのアイテルが居る方向だった。彼の大剣ならば、矢を射られても剣を盾にする事で凌げる。
「覚悟は出来ているなッ!! リア充めぇっ!!」
そんなフォウを、哀れなモノ前にした様な視線で見るアイテル。彼女は弓に矢をつがえ、狙いを定めた。
「アーサーさんを幸せにする覚悟ですか? 勿論、出来ています」
わざとなのか、それとも天然なのか判断に迷うアイテルの返答。ともあれ、フォウを煽る意味では効果覿面だ。
「ほざけぇぇっ!!」
フォウが鼻息荒く駆け寄るのを見て、アイテルは矢を放つ。
「【エイムショット】」
矢が放たれる事を警戒していたフォウは、大剣を盾にしてみせる。しかしながら、アイテルの放った矢は明後日の方向へと飛んでいく。
「はぁ? 何だそりゃあ……」
「……【ホーミング】」
アイテルがポツリと呟くと、明後日の方向に向かって飛んでいた矢が軌道を変える。不自然な曲がり方を見れば、スキルによる効果だとすぐに解るだろう。
「ぐぇっ!?」
軌道を変えて戻って来た矢はフォウの背中に刺さり、そのHPを一割削る。
「放った矢を操るだとぉ……!? 小癪なっ!!」
反撃すべく大剣を構え直そうとするフォウだが、身体が動かない事に気付いた。自分のステータス表示に視線を向けると、そこには麻痺状態を示すアイコンが表示されている。
「麻痺……!? 何か矢に仕込んでいたのか!!」
「うふふふふふ……さぁ、今度はこちらの番ですよ」
そう言って、アイテルは腰後ろに装備した矢筒から一本の矢を取り出した。
さて、シアに向かったシン。彼もまた、苦戦していた。
「くっ……そぉっ……!! 邪魔な……!!」
「どうかな? この【セラフィムビット】の効果は」
シアが放ったのは、バスケットボール大の光の球体。その球体はシンに向けて飛ぶと、彼の周囲を衛星のように飛び回った。それに身体がぶつかる度に、シンのHPが削られていく。
「この……っ!! やろぉっ!!」
そんな【セラフィムビット】は、既に四つ放たれていた。シンはビットを攻撃して、ようやく一つを掻き消す事に成功する。
「これで少しは……っ!!」
「はい、おかわりだよー。【セラフィムビット】」
「ド畜生めぇっ!!」
この【セラフィムビット】は、【癒やしの聖女】というスキルオーブで会得出来る魔法。そう、【七色の橋】のヒナが所持している物と同じなのだ。
つまり、シアのポジションは回復役。最後衛を務めるプレイヤーなのだ。それがこうして、前衛プレイヤーを封殺出来ている。その事から、【癒やしの聖女】を使いこなすシアの強さが窺い知れるだろう。
「さ、終わりにしよっか?」
そう言うと、シアは杖を頭上に掲げた。
「【セイクリッドピラー】!!」
発動されたのは、純白の光の柱を発生させる聖属性魔法。その光の柱に飲み込まれ、シンのHPがゴリゴリと削られていった。
アイテル側も状態異常を付与する矢を放ち、フォウのHPを削っていく。しかしながら、光の柱を見て勝負を決める時だと察した。
「遊ぶのはこれで終わりですね。それでは……ご機嫌よう」
至近距離で弓を構え、狙いを定められているフォウ。しかし、未だに身動きが取れずにいる。
「おのれぇっ!! 動けない相手を甚振って楽しいか!?」
そう叫ぶも、アイテルは眉一つ動かさない。
「えぇ、割と好きですよ……【パワーショット】」
フォウの眉間を狙い放たれた、アイテルの矢。毒状態や延焼状態で削られていたフォウの、なけなしのHPを全て奪い尽くした。
そしてハルとギアだが、ギアはHPが尽きる寸前で倒れていた。ハルからの一撃を受け、こうなってしまったのだ。
「い、一体何を……!? いくら何でも、これは……!!」
ギアはDEXやAGIを重視する、典型的な耐久の低い後衛職だ。とはいえ盾職の一撃で、ここまで追い詰められる程ではない。何故ならば基本的に、盾職はVITにステータスポイントを振る。STRは二の次であるはずなのだ。
「あ、アイテルとシアは終わらせたんだ。それじゃあ、私達も次で決着だよ!」
相手が立ち上がるのを待つハルは、笑みを浮かべていた。それを余裕と受け取ったのか、ギアは苛立ちつつも立ち上がる。
「舐めるなよ……っ!! せめて、一人だけでもぉっ!!」
クロスボウを構え、ギアは武技を発動する。
「【ハードショット】!!」
放たれた矢を大盾で受けたハル。やはり、HPは少しも減らない。真っ直ぐにギアを見ながら、ハルは大盾を構える。
「これで終わりだよ! 【チャリオットバッシュ】!」
素早い踏み込みから放たれた、ハルの【チャリオットバッシュ】。技後硬直中だったギアは、それを真正面から受けてしまう。そしてそのHPが0になり、勝敗が決まった。
『一回戦第四試合・先鋒戦、勝者【森羅万象・Aチーム】!』
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試合の様子を、控え室のモニターで見守っていた【七色の橋】。
「決め付けは良くないけど、次の相手はやはり【森羅万象】……だろうね」
ヒイロの言葉を否定する者は居ない。メンバーの誰もが、次の対戦相手となるのは【森羅万象】だろうと確信していた。
「あのアイテルさん……彼女の矢は、状態異常を付与するアイテムを使用しているのでしょうね」
「後は、矢の軌道を操作するスキルかしら?」
「間違いなく、レアスキルだと思うッス」
レンの考察に、アイネとハヤテも同意した。そして、矢を操作したスキルについても警戒気味だ。
「シア……というプレイヤーは、ヒナさんと同じ【癒やしの聖女】を所有している様でございますね」
「同じですねー!」
「回復役というよりは、魔法職の立ち回りでしたけどね」
シオンとヒナ、ヒメノも同じく、【森羅万象】の回復役であろうシアに注意する。攻撃と回復の両方を担うのだから、中々に厄介だ。
「そしてハルさん……あの防御力。あれだけ……攻撃を受けても、全くのノーダメージだった」
「そうね……まるで、シオンさんみたいに」
カノンとミモリの会話に、ジンも加わる。
「それともう一点……彼女の【シールドバッシュ】は、相手のHPを大幅に削っていた。【シールドバッシュ】はよろめかせたりするのにはうってつけだけど、ダメージが見込める武技じゃない」
相手が軽装の機弓使いでも、一気に瀕死まで持っていくのは異様だ。
「今のカンストレベルは40。あそこまでのSTRとVITは、両立できない……ユニークスキル、かな」
ヒイロの言葉に、ジンは思考を巡らせ……そして、ある仮説に行き着いた。
「彼女のステータスは、多分VIT重視じゃないかな。あの攻撃力の秘密は、もしかしたら……」
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一方、ステージ上には中堅戦に出場するメンバーが双方出揃っていた。【森羅万象】側は二人の少年……【暗黒の使徒】側は、相変わらず黒いフード付きローブを装備している。その為、容姿は解らない。
「……今度は魔法職に、細剣使いか」
ラグナの言う通り、【暗黒の使徒】の二人は後衛・前衛がハッキリ分かれた二人組だった。片や細剣を腰に差し、片や魔導杖を手にしている。
対する【森羅万象】側はオリガが大剣使いの前衛で、ラグナが二本の短槍を持つ前衛。ダブル前衛のコンビである。
「……頼んだよ、バーラ」
「任せなさい、ライカ」
それはどちらも、女性の声だった。オリガとラグナが言葉を失うが、【暗黒の使徒】のコンビ……細剣使いのライカと魔法職のバーラは、逆にヒートアップする。
「「リア充死すべし慈悲は無い!!」」
女性プレイヤーならば、それなりにお声が掛かるのでは? と思うかもしれない。しかしアバターの容姿を弄っても、心や性格は弄れないのである。
DKC時代、バーラとライカは初めこそ声を掛けられたものの、すぐに男が離れていくという経験をして来た。その理由は二人共、”構ってちゃん”という結構煙たがられる性格故であった。
しかし二人はそれを改める事無く、男性プレイヤーに媚を売り続け……そして、相手にされなくなってしまい逆恨み。
結果、【リア充撲滅委員会】という【暗黒の使徒】の前身ギルドに所属する事になった。そのまま決闘PKが楽しくなって来てしまった為、彼女達はAWOに移籍した今も居座り続けているという訳である。
そんなバーラとライカの相手を務める事になった、オリガとラグナ。二人はげんなりとした表情で、肩を落とす。
「戦う前から、ドッと疲れが……」
「中々に、濃ゆいキャラクター性だな」
とにかく、さっさと終わらせようと武器を抜く二人。しかし、ラグナの一言にライカが反応した。
「誰の化粧が濃いって!?」
「アラフォー舐めんなよ、小童共!!」
勘違いした上、アラフォーを暴露する二人組。というか、化粧が濃いのを気にしているらしい。
「運営さん、進めて貰えますか」
「こっちはいつでもOKなんで……」
精神的な疲労を貯め込んだ二人を不憫そうに思い、アンナはマイクを手に取る。
『それでは、準備はよろしいですか?』
「やらいでか!!」
「あたぼうよ!!」
ガラが悪いにも程がある二人に、アンナは溜息を吐く。一番疲れているのは、彼女かもしれない。
『それでは一回戦第四試合・中堅戦……試合開始』
試合開始宣言の直後、ライカが速攻を仕掛ける。
「【フラッシュストローク】!!」
それはスキルオーブ【細剣の心得】で会得出来る、フェンシングの様な二連撃。狙いはオリガの大剣を持つ、右腕だ。
「速攻タイプか……甘いんだよ」
試合開始前と違い、鋭い視線でライカを捉えるオリガ。迫る細剣を恐れる事無く、一歩踏み込む。それと同時に、ラグナが両手の短槍を構えながらライカに接近。彼女の右肩に、右手にした槍を突き出す。
「【ソニックピアス】!!」
先制攻撃を受けたライカの足が止まり、迫るオリガの大剣が振り下ろされる。
「【ダウンブレイカー】!!」
情け容赦のない打ち下ろしを受け、ライカが地面に倒れ伏す。たったの一撃で、ライカのHPは危険域に突入していた。
そしてオリガは真っ直ぐに、バーラに向けて駆け出す。
「こ、このぉ……っ!!」
必死に威嚇するも、彼女の魔法はまだ詠唱途中。ライカが速攻で二人を翻弄している間に、高位の魔法を発動させる。ライカも攻撃を喰らうが、彼女はMNDを上げるレアアイテムを所持している為耐え切れる。そう踏んで、いつも通りの速攻を仕掛けたのだ。ライカの速さを過信していたが故の、凡ミスである。
「吹っ飛べ……【ブレイクインパクト】!!」
想定外の事態に対応出来ず、バーラはその一撃をモロに受けてしまう。重量級の武器を振るう前衛職に対し、魔法職が耐え切れるはずもない。HPが一気に枯渇し、バーラは倒れ伏す。
同時にラグナも両手の短槍を駆使して、ライカにトドメを刺すべく疾走する。
「【スティングピアス】!!」
突き出された槍を避ける事も適わず、ライカのHPが刈り取られる。
ほぼ同時にHPが尽きた、【暗黒の使徒】の二人。試合開始から間もない決着に、会場中から盛大な歓声が沸き起こった。
『一回戦第四試合・中堅戦、勝者【森羅万象・A】チーム! よって一回戦第四試合は【森羅万象・A】チームの勝利です!』
次回投稿予定日:2021/1/2