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悪い奴は誰?  作者: じいちゃんっ子
第3章 日常編
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元剣士(ショタ) 鶴野有人

「あれ...」


目が覚めると姉さんと杏が僕の目の前で微笑みを浮かべていた。

でも少し顔が近過ぎるよ。


「あ、姉さん、杏もおはよう」


「...おはよう有人」


「おはよう兄ちゃん...」


2人共顔が赤い、僕もだけど。


「もう大丈夫だから」


3日前に倒れてから姉さんと杏は過保護になった。

心配掛けたのは分かるけどお医者さんは異常無いって言ってたし。


「まだダメよ」


「そうそう、兄ちゃんに何かあったら大変だから」


「大げさだな」


真剣な眼差しを向けられ少し不安になる。


「本当よ、姉さんなら世界を滅ぼしかねないわ」


「こら杏、せいぜい国1つよ」


「全く姉さんったら」


この2人は何を言ってるんだ?

聞かなかった事にしてベッドから身体を起こし、高校の制服を手に取って...


「姉さん」


「何か?」


「杏も」


「何?」


「僕着替えるんだけど」


「知ってるよ兄ちゃん」


「さあ遠慮しないで早く」


「僕が遠慮します」


僕は2人を追い出した。

姉さんと杏、最近おかしいぞ。


「姉さん今日から文化祭で早く学校に行くんでしょ?

そろそろ行かないと」


姉さんが焼いてくれたトースト食べてると杏が言った。

今日は高校の文化祭、何をするのか全く知らなかったけど姉さんから教えて貰った。

早い話が高校のお祭りだって。


「大丈夫よ、後で(時間を)巻き戻せば...」


「巻き戻すって、何を?」


「姉さん!」


「わ、分かったわよ、杏分かってると思うけど電車大丈夫?」


今日僕は初めて電車に乗るんだ。

以前乗った事があるんだろうけど今は昔の記憶が全く無いから緊張する。


「何度も練習したから大丈夫」


「そうなの?」


杏いつの間に。


「あ、ええと...兄ちゃんの寝てる間に」


「そっか、杏宜しくお願いするね」


頼りになる妹だ。


「あ...へへ任せて」


「やっぱり時間を...」


「お姉ちゃん!!」


姉さんは杏に叱られてた。

妹を信用しなくっちゃ。


「私から離れないでね」


「うん」


駅で杏が僕に念を押す。

電車の中は人が一杯乗っていてはぐれたらもう2度と会えなくなるそうだ。

電車って凄く怖いんだな。


「うわ...」


電車の中は杏が言ってた通り人が一杯で、身体の小さい僕を杏が抱き抱えてくれた。

恥ずかしいなんて言ってられない。


「ありがとう杏」


「....」


「杏?」


どうしたんだろ?杏は真っ赤な顔で固まってる。


「...幸せ」


「何が?」


「何でも」


杏は涙まで浮かべていた。


「ああ!!」


突然杏の後ろにいた男の人が大声を上げて崩れ落ちた。


「何?どうしたの」


「妾の尻を触ったのじゃ」


「え!?」


「心配無い、もう出し尽くしてやったからの」


「どうしたの杏その口調、顔つきまで?」


「ううん何でも無いよ兄ちゃん」


慌てて首を振ると杏は元に戻ってくれた。


「おはよう愛花」


駅の改札を出ると愛花が待っててくれた。


「おはよう有人、杏」


「愛花ちゃんおはよう」


「岬さんは?」


いつも愛花と一緒にいる岬さんが居ない。

どうしたんだろ?


「霞は文化祭の模擬店の準備で先に」


「兄ちゃん覚えてないの?」


「うん、3日前に倒れた時から前の記憶が少し途切れてて」


「あ、ごめんなさい」


「どうして愛花が謝るの?」


「ううん何でも」


愛花は少しバツの悪い顔をした。

変な事聞いたかな?


「確か愛花ちゃんと霞ちゃん同じ模擬店だったよね、何の店だったっけ?」


少し慌てながら杏が聞いた。

僕と杏は転校したばかりで今回の文化祭は参加予定が無い。


「仮装喫茶店よ、色んな服を着てお客さんをもてなすの」


「へぇー楽しそう」


「杏、僕達も後で行こう」


「もちろん!」


高校に着いて愛花と分かれ、僕と杏は色んな所を歩いた。

普段の高校と違う雰囲気に気分が(たかま)る。

そして愛花と岬さんが参加する店がある教室に着いた。


「いらっしゃい鶴野君」


店に入ると愛花とクラスの友達は笑顔で僕達を迎えてくれた。


「愛花ちゃんはメイドさんなんだ」


「どうしたの有人?」


「似合うよ...」


思わず本音が。


「愛花ちゃん私も!」


「いいわよ杏、衣装はあるからこっち来て」


愛花の可愛い衣装に杏も羨ましくなったみたいだ。

僕は1人取り残されてしまった。


「有人...」


「岬さん」


声に振り向くと岬さんが僕を見ていた。

僕と同じく小柄な岬さんが着ていた衣装は剣士の衣装...


「.......」


声が出ない、どうして剣士って分かったんだろ?


「やっぱりこの身体じゃ似合わないか」


岬さんは悲しそうにうつ向いた。


「違うよ、懐かしいっていうか」


「懐かしい?」


「違うな、どこかで見た事が...」


上手く説明出来ない!


「はいお待たせ!」


困っていたら大きな声が僕を呼んだ。


「わ!杏その格好」


杏はピッタリ張り付く皮の衣装、身体の線がハッキリと分かる。

更に仮面まで...


「どう?女王様だよ」


「うん似合うよ似合い過ぎて怖い位に」


これも本音。


「さあ有人も」


「うん兄ちゃんもだよ」


「僕も?」


「さあさあ」


「何故?」


良く分からない内に別室に連れて行かれた。

そこには1着の衣装が置かれていて、

[執事用]とタグが着いていた


「恥ずかしいな」


着替えて別室を出る。

衣装は黒いタキシード。

サイズはピッタリなんだけど執事に見えない、

まるで子供の王子様みたいだ。


「...似合う」


「最高」


「写真撮って置こう」


愛花や杏、岬さんは赤い顔をして僕の姿を写真に撮りまくる。

気づけば沢山の人に囲まれてしまった。


「接客もお願い!」


「ええ?」


「売上アップ間違いなし!」


クラスの人に頼まれ退けなくなる。


「いいじゃん兄ちゃん」


「杏?」


「私からもお願い」


「愛花も」


「もっと目に焼きつけたいから頼む」


「岬さんまで」


結局引き受ける僕だった。


「鶴野君!」


「はーい」


「こっちも!」


忙しいけど楽しい!

杏の女王様スタイルも凄く好評、でも余りイヤらしい目で見ないでね。


「あの良いかしら」


「はーい!」


呼ばれテーブルに行くとそこに居たのは、


「...姉さん?」


「姉さん来たの?」


「シル...先生...」


笑顔で携帯のカメラを向ける姉さん。


「見回りに来たの、大切な仕事なんだから」


そう言いながら姉さんは最後まて席を離れなかった。



良いのかな?


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