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第二十二話

最初と最後はアリーヤ視点、真ん中はハル視点です。

 落ち着こう。今ここで落ち込んでいても仕方無い。まずはここを出なきゃいけない。そしてここが何処か突き止めなきゃ。魔法でわかったりしないかしら。だが、残念ながら私は居場所を突き止めたりする魔法は知らない。さて、どうしようかしら。


 前世の私がこの乙女ゲームをプレイしていたとき、こんなイベントあったかしら? いや、でも私隠れキャラルートを完全攻略する前に死んだから分からないのよね……。

 あぁ、もう私の知識チート役に立たないわね! ハァ……。




 ◇◇◇◇◇




 それにしてもどうやってここを脱出しようか。まずあのがたいの良い男を睡眠魔法で眠らせ、瞬間魔法でここを出る。

 だが、問題が一つある。先程、この部屋を気付かれないように魔法で調べたが、この部屋全体に結界魔法がかけられていた。多分、僕が出られないようにするためのものと対魔法用なのだろう。対魔法用は万一、部屋を攻撃された時のものだったし。僕がそんな野蛮なことをすると思っているのか? まぁ、どうでも良いけど。

 それに僕が今から使うのは『魔法』じゃないし。あっでもその前にあのがたいの良い男を眠らせないと。


『アゼンディア』


 僕は呪文を唱えた。上位睡眠魔法だ。

 がたいの良い男は音もなく倒れる。完全に眠ったのを確認すると僕は立ち上がった。


アリーヤ・(アリーヤ・)シラン・(シラン・)マノグレーネ(マノグレーネ) リアノート(の元へ運べ)


 僕は小さく、微かに聞き取れるくらいの声の大きさで精霊語を唱えた。

 僕の体が光に包み込まれる。

 やっとアリーヤ様の元へ行けると思うと嬉しくなって顔が綻ぶ。僕はゆっくりと目を閉じた。





 目を開けるとそこは清楚な感じがする部屋だった。ここにアリーヤ様が……。思わず辺りを見回す。だが、アリーヤ様はどこにもいない。


 急に風が入ってきた。風は僕の髪の毛を(なび)かせる。

 ふと横を見るとベランダがあり、ベランダへと続くドアが開いていた。僕はベランダの方へゆっくり歩み寄る。

 そこにいたのは―――――――…………。




 ◇◇◇◇◇




「アリーヤ様……」


 何処か懐かしい声が私の名前を呼んだ。逢えなくなってまだ半日しか経ってないのに、こんなにも懐かしく感じるのは何故だろうか。


「……ハルッ!」


「わっ、アリーヤ様!?」


 私は思わずハルの元へ走る。勢い余ってハルにぶつかり、抱き着く形になったのは気にしないで置こう。


「……ッハル、無事だったのね!」


「うん。アリーヤ様こそ無事で良かった……」


 取り敢えず良かった。ただただ良かった。でもまさかこんなにも早くハルと再開出来るとは思わなかった。


「アリーヤ様、まずはここを脱出しましょう。そのあとにここが何処か考えませんか?」


「えぇ、そうね」


 思考を切り換えて、ハルの意見に頷く。でもどうやってここから逃げようか。唯一逃げ出せそうなのは……先程私がいたベランダしか無い。

 実は、先程ベランダにいたのはこの部屋から逃げ出そうとしていたのだ。そして逃げ出してからハルを探そうと思ったのだ。


 私達は顔を見合わせると、ベランダの方へと向かう。勿論、ここから逃げるために。


「ハル様、マノグレーネ公爵令嬢。少しお待ち下さい」


 急に後ろから誰かに話し掛けられた。私達は一斉に後ろを振り向く。そこにいたのは私達を連れ去った先程のがたいの良い男の人だった。


「私の名前はベルモット・レン・シンジーラです。現在、ジアルア公国の国王の側近を勤めさせています。そして、公爵家当主です。私と一緒に来て下さい」


 ……ジアルア公国の国王? つまりここは王城で隣国のジアルア公国と言うこと? それだったら何故がたいの良い男の人否、ベルモット様は私達の母国語、ルッシェ語を話しているのか。

 疑問が募るばかりだった。


 ……真実を知りたい。

 私はベルモット様と一緒に行くことにした。


「……分かりました。一緒に行きます」


「えっアリーヤ様、良いの!?」


 ハルが困ったように私に言う。私はハルに微笑みかけると、前を向く。そして歩き出したベルモット様に付いていくのだった。

 だが、一体何処に行くのだろうか。内心、不安で一杯だった。

沢山のブクマありがとうございます! これからもよろしくお願いします。また、少しでも面白いと思って頂けたら感想、評価、ブクマよろしくお願いします。

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