プロローグ
「……お母様、…赤ちゃん、できたの?」
「そうよ、…旦那様、まだ私を愛してくださっていたの」
少しだけ大きくなった嬉しそうにお腹を撫でながらはにかむ母。その顔は、ひと月前と違って幸せそうで…嬉しくて涙が滲みそうだった。
「ローレンシア、義弟に続けてまた弟か妹ができるけれど、きちんと見本になれるような姉に…いえ、もうアルフレッドがあんなに懐いているから気にしなくて大丈夫ね」
「はい、お母様っ」
よかった、お父様とお母様が仲直り出来て…。あんまりにも嬉しくて、お母様のお腹をそっと撫でた。
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「ふ、…おぎゃぁぁあ!!」
「奥様!可愛らしい女の子です!」
「はぁ、はぁ…」
寒い、苦しい、…ここはどこ?視界もぼんやりとして、辛うじて人が見えるだけ。音もあんまり聞こえない。
「……よかった…」
「女の子…ならば、フランチェスカだな」
「えぇ、貴方…」
「………フラン、チェスカ…」
ふらんちぇすか?そんな、誰のことを言ってるの…?柔らかい手が、私の頭を撫でた。んん、気持ちいい…
「フランチェスカ・エインズワース…うふふ、いい名前ね。さ、ご飯よ」
突如押し付けられた柔らかな何か。本能的にそれにしゃぶりつき、吸い付けば甘い液体が溢れてお腹を満たしていく
「いい飲みっぷりね、ふふ」
「…」
「もう、お父様…顔逸らすくらいならお仕事してればいいのに」
「リリアンが命をかけているのに私がのうのうと仕事をしていられるか…!」
「ふふ、…不倫を疑ってごめんなさい、貴方。こんなに愛してくださってたのに…」
「こちらこそ、仕事ばかりですまなかった。」
「ねぇお父様お母様、フラン、笑ったわ」
「……可愛い…妹、か…ん?眠そうだ」
こんな家族、聞いてるだけで幸せだなぁ…。そう思いながらぼんやりとする意識を手放した。




