9/15
守護天使の声
高熱が続き、すべてが夢うつつだった。
使用人たちがやってきては、何かをして、出ていくことの繰り返しだった。
私に水を飲ませたり、当て布を変えたり、体を拭いたりと、出たり入ったりしていた。
私の頭の中は、苦しくて、しんどいことでいっぱいだった。
──死ぬのは嫌、死にたくない!
──神様、助けてください!
意識はまだらに、薄れたり、戻ったりしていたが、意識があるときは神様に祈ることしかできなかった。
「大丈夫よ。死なないわ」
ハッキリとした声が聞こえた。
「あなたは助かるわ。次に目が覚めた時には、すべてが良くなっているから。安心しておやすみなさい」
その声は、幼い少女のもののようだったが、落ち着いて自信に満ちていた。
──守護天使さまが、見守っておられるのだわ
そう思うと、妙に安心して、心の不安が薄らいだ。