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ポラディアスの星  作者: 千代乃
一章
4/15

上機嫌な父親

玄関ホールに出ると父親が私に手をふってきた。

「おお、ナリア!早くこっちに来い!」

確かに珍しく上機嫌だった。相変わらず、赤ら顔でだらしない格好をしているけれども。しかし、ここで機嫌を損ねたくはない。私もにこにこ笑いながら、

「お父様!お帰りなさいませ!」

と駆け寄る。父親はそのまま私を抱き上げた。そして、馬車の方までそのまま歩いて行く。そこで従者が大きな犬を従えていた。

「立派な犬だろう?」

父親は自慢げに言う。もちろん、同調するしかない。

「大きくて、立派ですね!父上みたい!」

わたしの言葉に頷きながら満面の笑みをうかべる父親は、

「そうだろう。これは猟犬だぞ!禁猟区にいた不届き者から、取り上げてやったのだ」

そう言って何がおかしいのかひとしきり笑うと、私を地面に下ろした。


「これは素晴らしい猟犬だ。ナリア、あの薔薇まで走ってみろ。親父は俺を狩りもできない、出来損ないといったが、果たしてそうかな?さあ、走れ!」 

一転、鬼の形相となり、庭園のブッシュを指す。父親の突然の豹変に、ポカンとしてしまう。しかし、まなじりがつり上がり、激昂した父親に逆らえばもっとひどい目にあう。反射的に私はブッシュを目指して走っていた。後ろから父親の嬉しそうな声が聞こえてきた。

「さあ、獲物はアレだ!行け!」


 

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