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二話

 最初に入ったのはいろいろな店が入っている建物だ。

 中を少し歩いていると隼人が話していたおかげかはわからないが、暦くんもほかの人から話しかけられるようになっていた。

 すると、隣に悠夏が来た。

 

 「やっぱ、優しいね。」

 

 それだけ言って、また女子の群れに戻っていった。

 

 いろいろな場所を周りお昼を食べることとなった。

 食べる場所もおいしい店が建物内にあるらしく移動することとなった。

 それにしても、この建物だけでいろいろなものがある。

 

 「便利な世の中だ。」

 

 そのつぶやきが近くにいた話している女子二人に聞こえたらしく笑われた。

 そして二人が近づいてきた。

 ギャルっぽいのと大和撫子といった対照的な二人だ。

 先に声をかけてきたのはギャルっぽい女子だ。


 「すごくオヤジくさいよそれ。」

 「そうだね。せっかく格好いいんだから台無しにしちゃダメだよ。悠夏の彼氏くん。」

 

 またこの手の誤解した人たちだ。

 すぐさまこれにもフォローをする。

 

 「俺は彼氏じゃない。俺と、悠夏は親友。」

 

 そう言うと、二人は固まって少しの時が過ぎた。

 そして、ふたりのうちギャルっぽい感じの方が聞いてきた。


 「いや、男女で親友はそれ彼氏、彼女じゃん。」

 「他はそうかもしれないけど、俺たちはそういうのじゃないから。」


 隼人はそう言って、二人から離れる。

 後ろから大変だのなんだの聞こえるが無視だ。


 店に入ると、ロボットに注文する。

 この店でもそうだがテーブルに配達してくれる。

 しかもそれはロボットなのだ。

 このロボットには最近開発されたAIが搭載されており、ロボット自身が顔を覚えてそこに持って行ってくれるのだ。


 昼食を食べ終え次の目的地に行くためにこの建物を出ることとなった。

 エレベータを使い、一気に一階に降りる。

 自動ドアを抜けると立っていられないほどの地震が起こった。

 

 急にあたりが暗くなった。

 

 「なんだ?」

 

 七人のうちの一人の男子がそう声をあげた。

 隼人はすぐに原因がわかったため上を見上げる。

 するとそこにはさっきまでいた建物が倒れてきていた。

 

 隼人は咄嗟に動こうと思った。

 まだ今なら二人くらいなら助けられる。

 そう思い、動こうと思おうが足が動かない。

 いや、それどころか体が動かなかった。

 

 恐怖から出ない。

 こんな恐怖で動けなくなってたらあそこでは即死だ。

 ならなぜ動かない。

 

 そして、そのまま一四人は下敷きとなった。



 「・・・・て、・・え、・・きて!」

 

 誰かに声をかけられているのに気づい意識が覚醒する。

 そして、ぼんやりしている頭が鮮明になっていくにつれて声もはっきり聞こえてきた。


 「隼人、起きて!」

 「悠夏・・・。」

 「やっと、起きた。」


 俺は、辺りを見渡す。

 そこには真っ暗な空間と百人は越すであろう人がいた。

 

 「ここはどこ?」

 「わからない。」


 あたりでも、目を覚ます人々が増えだんだん不安によってあたりの声が大きくなる。


 そんな時暗闇の中に光の球体が生まれた。

 その球体の光はだんだん薄まっていき、そこにはひとりの女がいた。

 

 俺は、浮かんでいる女に視線を向けた。

 ほかの人も同様だ。

 女はおもむろに目を開け、口を開いた。

 

 「ハロー、ハロー。神のクーちゃんだよ。」

 

 みんな絶句状態だ。

 俺は、おもむろに近づいていく。

 

 「おい、くーちゃん。」

 「何かな?」

 

 自称神のくーちゃんは計算され尽くした一番可愛く見える角度で首をかしげた。

 

 「俺はあの時死んだはずだが。これはどうなっている。」


 隼人はあの状態から生きているなどという可能性はないとわかっているので、そんな世迷言は切って捨てた。

 

 「へえ、そう思ってるだけでもすごいと思うよ。人って自分が死んだのって意外と気づかないものだから。」

 

 急に鋭くなった目つきで喋るくーちゃん。


 「まあ、だから幽霊なんかがいるんだけどね。」


 またおちゃらけた感じに戻る。

 俺が説明を求めて睨むと、くーちゃんは肩をすくめてからしゃべりだした。


 「はあ、せっかちだな。まあいいけど。それじゃ、おめでとう。あなたたちは私が作った異世界であるパラレルワールドの初期メンバーに選べれました。はい。ぱちぱちぱち。」

 

 周りは騒然である。

 まあ、それは当然であろう。

 いきなり、自分たちが死んでいるなどと言われてそのあとにおめでとうだ。


 「ふざけているとしか言い様がないな。」

 「もう、そこの男の子うるさい。それじゃ、説明いっくよー!」


 くーちゃんは説明を始めた。


 「あなたたちはさっきの地震によって起こったビル崩壊の死亡者たちなのです。その数なんと351人。そして、その人たちにはこれから私の作った異世界に移り住んでもらっちゃいます。」


 みんな目を丸くして驚いているが、今のとこ暴れる人はいない。


 「そして、その異世界のことですが。私あなたたちの世界のゲームが好きでそれをもとに作ってみちゃった☆」


 てへぺろなどとやっているくーちゃん。

 頭が悪いやつにしか見えない。


 「まあ、具体的に言うとRPGかな。」


 そう言って、くーちゃんが手を振ると目の前に何か画面みたいのが出てくる。

 周りでも、ざわざわと話している声が聴こえる。

 

 「今出したのは、異世界に行った時のあなたたちのステータスだよ。あっちの世界に行った時も念じれば出すこと可能なんだぜー。」

 

 もう口調がバラバラだ。

 

 「そしてお次はこちら!」


 また目の前に画面みたいのが現れる。


 「それは《貢献ポイント》っていうものでいろいろ所得出来る画面。ついでに言うと初期設定すなわちここで設定する時しかもらえないものがあるから気をつけてね。あ、それと初期メンサービスがあっりまーす!なんと、初期メンだけが手に入れられるものがあるのでお見逃しなく。白い字で書かれているのはあっちの世界でも世界に貢献すればポイントがもらえてそれを所得することができるのでーす。黄色い字で書かれているのは初期設定のみのやつ。そして赤い字の奴が初期メン限定。わかったかな?」


 隼人は画面をスクロールしてみると下に動き、確かにところどころ黄色がある。

 そして一番下に赤い文字の奴が5つほどあった。

 

 「次の説明いってみよー。次は世界のことだよ。あっちの世界はさっき言ったようにゲームがもとになっている世界でーす。そう、山あり、谷あり、海あり、川あり・・・なんか疲れたな。

まあ、ほかにも洞窟とかあります。そして、街や村などの安全区域がありその外に出ると魔物がいます。すごいよね。作ったの私だけど。まあ、それでみんなにはその世界でゲームをするように楽しんでもらいます。ゲームですから「死」なんてものはありません。あちらでの死はただデスペナルティーを受ける条件でしかありません。そう、あちらで体力ステータスにはHP(Hit Point)で書いてるけど、それが0になっても家を持っていればそこに、持っていなければ教会で復活するのでーす。」

 口調がぐちゃぐちゃで聞き取りづらいがなんとか大丈夫そうだ。

 

 「世界についてのほかの説明は、めんどーなのであっちに行って人に話を聞いてみよう。ちゃんとチュートリアルもあるから問題ないさー。」

 

 そろそろ限界が来ているかもしれない。


 「さて、それじゃぱっぱと貢献度ポイント使って取るものとったら冒険に出発しちゃいなさーい。それじゃ、またねー。」

 

 そう言って、くーちゃんは来た時と同じように光をまとって消えていった。

 この空間にいる人全員が呆然と立ちすくんでいる。

 その中でも隼人は冷静にまず貢献度ポイントを操作する。

 

 「まあ、普通に初期メン限定だかなんだかわからないけど、この赤いのとっておけばいいのかな。」


 そういって、赤い文字を押してみるとそれが灰色になる。

 なるほど、これで所得したということになるのか。

 そのまま、ひとまず赤いのを全て所得していく。

 

 「それにしても・・・・・・」

 

 俺はそうつぶやいて自分の貢献度ポイントを見る。

 全体の中でも飛び抜けて高い赤色のボーナスを所得しても余る多大なポイント。

 残り81万9200だ。

 さっき所得した赤文字5つを合わせても12万。

 

 なぜ高いかは大体予想が付いている。

 まず、全体が大体こんな感じという線はボーナス一つあたりの使うポイント数を見て捨てた。

 そして残ったのは、元の世界でどれだけ貢献したかで多分決まるというのが予想だ。

 多分、そんな間違ってないと思う。


 「あ、貢献度ポイントは元のチミ達の世界でチミ達がどれだけ貢献したかで決まってるのです。」

 

 くーちゃんはいきなり出てきて、言い終わるとすぐに消えた。

 さっき、なんで光をまとって出てきたのか?

 まあ、これも大体予想がつく。

 

 それにしても、結構俺はあっちの世界では貢献してたようだ。

 まあ、なんといっても今使われてるAI発明したの俺だし。

 ほかにも、いろいろ作ったりしてたな・・・

 などと、物思いにふけりながらその成果であるポイントを黄色の文字に振っていく。

 

 「まさか、黄色も埋まってしまった。」


 すると、チリンとおとが脳内で聞こえた。

 ステータス画面の左側にステータスやらアイテムボックスやらあり、その下に点滅しているメールというものがあった。

 そこに触れると、画面が変わり文章が出てきた。

 ひとまず、目を通す。


 「やっほー神だよ☆」


 まず初めの文でくーちゃんだとわかった。


 「あなたは赤文字、黄文字を制覇したのでなんと」

 

 というところできれている。

 そして、そのメールの文章を下にスクロールしていく。

 

 5分たつが一向に下に辿りつかない。

 このまま下まで何も書いてなかったらあの神ぶん殴ってやる。

 どこにいるかわからないけど。

 

 20分後やっと止まった。

 そこに書いてあったのは


 「まあ、余ってるかわからないけど7万ポイントで一つ願いを叶えてやろう

。願いがあれば返信でよろ。」


 こいつ、あっちの世界に感化されすぎだろ。

 これはアニメも見ている口だな。

 

 今残っているポイントは・・・39万4700ポイント

 黄文字でも、約半分しか減らなかった。

 

 「それにしても、願い事ね。」

 

 不老不死・・・は不老はわからないけど不死の世界ではあんま使えないな。

 そんなことを何分も考えてやっと決めた。

 2つ以上あるのでわかりやすく書いた。


 「欲しいもの~・元の世界の所有物 ・くーちゃんの所有権 ・最強スキル 」

 

 ここまでは思いついたのだが、あと2つをどうするか・・・

 最強の武器と防具とかにしようと思ったのだが黄文字にも武器とかはあったのでやめておいた。

 

 「よし。」


 そういって、書いたのは


 「・激運

  ・孤独になりませんように」


 そう書いて返信した。

 しかし、変化は訪れない。

 ポイントは減っているので後から来るだろうとたかをくくった。

 後残ったポイントはおすすめボタンで消化。

 ここで、重要なことを思い出す。

 

 「悠夏たちとはぐれてる。」


 もうすでに後ろを向くと次々と人が消えていく。

 かなり人数が減っていた。

 だが、そのおかげで見つけやすかった。


 良かった。まだ残ってた。


 そっちへ向かうと知らない女子が一人、悠夏になだめられていた。

 

 あの子は友達なのか?でも、さっきの14人の中にはいなかったっから巻き込まれたのかな?

 近づいていくと悠夏が気づいた。

 

 「あ、隼人。いきなりどっか行ったからびっくりしたよ。」

 「ごめん。それで、その子は?」

 「この子は中学の後輩。」


 みんな、もうポイントは振り終わっているようでステータスがどうのこうの話している。

 俺は、このままだと進めなさそうなので悠夏に慰められている女子に近づく。

 

 「なんで泣いてるかはわからないけど現実見なきゃ。今はまず進まないと。」

 

 とりあえず、そう言うと女の子はこちらを見てきた。

 

 「「えっ?」」

 

 目が合って二人が発した。

  

 いきなり元気になった女の子が言い寄ってくる。

 「ムー様じゃないですか。良かった。これで私も安心です。」

 

 周りのみんながこちらを見てくる。


 「それにしてもムー様も躱せなかったんですか?やっぱり、おかしいですね。」

 

 まずは空気がおかしいのでそっちを直して欲しいところである。

 

 「おい、瑠美(るみ)!その呼び方はやめろって前から言ってるだろ。」

 「え、でもムー様はムー様ですし。」

 

 これはもう治らないのはわかってはいたが・・・この空気どうしよう。


 「瑠美ちゃんと隼人は知り合いなの?」


 悠夏がいいところでいい発言。

 

 「ただの知り合いかな。」

 「運命の恩人ですね。」


 二人は見事にいっしょに違うことを言った。

 

 それから瑠美を昔助けたことを話したあと、すぐにポイントを割り振らせてみんなで異世界へ移動した。


 

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