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さようならと愛してる
「賭けをしようか。」
「なんの賭けかな?」
「僕が先に死んだら君の勝ち、僕より早く死んだら僕の勝ち。どう?」
「ふうん…。賭けね。」
「いいだろ、僕は暇だ。君だって暇だしさ。」
「暇ねえ…。それ、賭けるものは何?」
「僕の命」
そう言って、笑っているあいつがなんでだか楽しそうに見えたのだろうか。それとも僕も退屈だったのか。そんなことを今でも考える。
「それじゃあさ、僕の賭けるものは何?」
「んー。そうだなぁ…。」
しばらく考えているあいつ見て今更ながら気がついたがこの賭けには意味がないことに気がついた。どちらにせよ僕らは遅かれ早かれ死ぬ。
だったらまぁこの賭けに乗って見ることにした。
「それじゃ、僕は僕のやりたいことのために君の命をもらう。君は君の願いを叶えるといい。」
そういい放ちニヤリと笑う。
笑う僕を見てあいつは返す用に笑って拳をつきだした。
「さようなら相棒。」
「さようなら親友。」
ゴツンと拳をぶつけ合いそのまま踵を返して僕らは二度と振りかえることはなかった。