4!
ご無沙汰しておりました><
終礼後、こっそり教室を出ようとしたけど、みごとに由美に見つかってしまった。
そして一時間ぐらいかけて、ウチと貴斗の事を話した。洗いざらい吐かされたってのが正しいと思うけど。
由美と別れて部室に行く。もう1時を回ったから多分部活は始まっていると思う。
はぁ遅れてしもた。
「こんにちわぁ、遅れました」
部室のドアを開けるとええ匂いがしてくる。言っとくけど料理部とか家庭科部やないからな。
匂いの正体は見んでも分かる。毎週土曜日恒例のことやから。
部室の中央に置いている机の上には重箱が並べられてる。その数、五段。
「待ってましたよー」そう言っておかずを取り分けてるのは、重箱を持ち込んだ犯人・木下真子先輩。彼女はこの同好会の部長で、家は俗に言う金持ち。言うてまえばいいとこのお嬢さんなんやけど中身がちょっと
「今何か失礼なこと考えてたでしょ?」「あ、バレました?」
「ひどいっ」
「真子を見たら誰だって思うだろ。な、宮永」
奥から出て来たのは真子先輩と同級生の田中宏先輩。真子先輩とは幼稚園からの腐れ縁で保護者的存在ってカンジかな。
「いや保護者じゃないし」
「てか量多くないですか?」
「普通に話題変えるなよ」
いつもは四段の重箱が今日は一段多い。ちなみに人数プラス一段というのが彼女の持論で、その振り分けは自分が二段分食べるという、大食いならではの発想だ。そしてこの重箱は毎日昼休みの前に執事のおじさんが持ってきてる。
「ふっふっふっ、それはですね、宮永氏の彼氏が来ると予想しまして」
「彼氏って……あぁ朝の見てはったんですか」
どうやら校門でウチが貴斗と一緒におったんを見てたらしい。ま、生徒が多い時間やったし。
「残念ながら、アレは幼なじみです。どっちかって言うと弟みたいなもんですけど。それにサッカー部の見学に行ったんで」
後で来ますけど、って心の中で付け足しとく。
「うーむ、お弁当余るかな」
「全部お前が食うだろ」
「乙女にこの量を食べろというのか!」
「いや、普段からそれぐらい食べてるだろ」
「ぎゃー!そこは否定できない……」
部員はこれで全員。先輩達とウチしかおらん小さい部活やけど、かなり濃いから気にしいへん。
逆に少なくてよかったとさえ思えるし。来年は廃部になるけど。
「とりあえず食おうぜ」
宏先輩の一言で箸を手に取った。