影の精霊と幼馴染みのその後。
ヤッホー、皆覚えとるやろか?僕は影の精霊や!
前回、幼馴染みの光の精霊が《契りの指環》って言う呪いアイテム(通称はエンゲージリング)を誤って僕にも使ってしまって、取る方法を僕のご主人に聞いたら「キスしろ。」と言われて、仕方ないから実行しようとしたら光の精霊が精神のバランスが崩れかかったから、僕が見た目を女性にしたんやけど、それでも渋る光の精霊にツッコミを入れつつ…その、無事に終わりました。因みに、もう見た目は男に戻ってます。
「まさか生まれて初めてのキスが光の精霊とはなぁ。ほんまに生きていると何があるか分からんわぁ。」
「…俺だって、こんな状況じゃなけりゃお前と……キスなんてしなかったよ。」
んん?光の精霊の言動…ツッコミ?にキレが余りないなぁ?…あ、よーく見ると顔がなんか赤くなってる?精霊は基本的に風邪とかの流行り病はないから…ははぁん、そゆことか。
「光の精霊、今もしかして照れとんのうわぁ!何すんの、危ないやん!そのハリセン、めっちゃ痛いねんで!角とか、もう…えげつないほどの殺傷性を感じるほど痛いねんで!」
「うっせぇ!お前の顔なんてもう見たくねぇんだよ!さっさと失せろ!」
「ひっでぇ!痛い痛い、叩かんといて!(何か、だんだん叩かれるんが気持ちようなってきた…。へ、変な扉を開きそうやっ。)…じゃあ、そろそろ帰ろうかと思っていたから帰るなぁ~。またなぁ!(腕ブンブン)」
「二度と、そのムカつくぽわぽわした顔見せんな!」
まあ、指環もとれて結果オーライやし、変な扉を開かんうちにさっさか帰ってお昼寝でもしまひょか。今日は物凄く良いお日和だし。
欠伸を一つして、フワリと上空に浮かび上がったときだった。
「……アレ?前に進めへん…やて!?どう言うことやの!」
急いで光の精霊の元へ戻ってきた。
「光の精霊っ!契約が何か切れていないっぽいよ!?どないしようっ…」
このままだと一生光の精霊の側から離れたくても離れられない状況になってしまう!
「ど、どう言うことだ?指環はちゃんと外れて「ご説明しよう。」うっわ!?どっから出てきたんだお前!」
「あ、ご主人!」
「説明しよう。《契りの指環》は、指に付けるのが仮契約言うにカップル状態、キスをしてパスを繋げるのが本契約…言うに結婚と同義となっているからだよ。
パスを繋げず指環を外す方法は一応あったのに、聞かずに飛び出していったお前らが悪い。私は悪くない。」
いきなりご主人が説明し始めたのには驚いたけど、衝撃的な事実を知って驚きが上書きされた。…ま、マジでか。え、僕光の精霊とけ、け、結婚したの!?男同士なのに!?…いや、そりゃ厳密に言えば違うけど…。
「……ご主人、因みに聞くんやけど、そのパスを繋げず外す方法ってのはどんな方法なん?」
最早意味ないと分かっていても、外す方法を聞いてしまう…僕女々しいなぁ。ははは、笑いしか出てこんわ。ははは、は…はは…グスン。
「《契りの指環》に、大量の魔力を流し続ける事。
魔力量が少ない人だとちょっと辛いけど、あんたら精霊は力の塊なんだから普通に出来るでしょ。」
簡単や!?光の精霊とキスするよりよっぽど簡単や!?うわーん!
「僕ら、色々悩みながら頑張ってキスしたんに…。」
「それはそれで美味しいから良いじゃない。…《契りの指環》の能力で、互いの事が良く分かったんだしさ、あんたらこれからは夫婦として過ごせば?大丈夫、凄くお似合いよ。」
「ご、ご主人ストープッ!え、ちょ、《契りの指環》の能力ってなんなん!?僕らその説明聞いてないよ!?あと、美味しいって何なん?僕らを食べる気なん…!?」
「そりゃあ、能力についてこれっぽっちも言っていないもの、知らなくて当然よ。…能力って言っても、相手が考えている事や相手のピンチがが何となく分かったり、相手の事を考えると満面の笑顔で名前読んでいる姿が出てきたり、相手が目の前を走っていたら目で追ってしまったり…その他色々な能力があるよ。
誰がお前らなんかを食うか。美味しいの意味が違うのよ、意味が。」
ま、マジでカップル仕様な呪いのアイテムなんやな…。…意味が違うって言われても…。と、取り敢えず食べられへんのは分かってよかったわ。
「あと、夫婦としてって、僕また見た目を女性にしないとあかんの?アレ、ご主人の影の中に入ったりしないといけんから結構めんどいねんけど。」
「男のままが良いなら男のままで良いのよ?精霊の間でホモ扱いされても良いなら。ただでさえ影の精霊は精霊の中で浮いているのに、これ以上浮いて良いなら男のままで良いのよ?」
やめてぇ!浮いてるとか言わんでぇ!自覚している分心に刺さるからぁ!!