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ご都合主義。

ご都合主義について。



これはなにより書くのが楽だ。

細かいことは考えずに話を進めればよいのだから。主人公を阻害する設定なんか作るだけ無駄で、これをタグに掲げれば、もうやりたい放題。可能な限りスムーズに、チートや最強やハーレムをえがくに都合のいい展開を催すだけで人気作が完成する。

前4話に同じく、妄想するためにはこれが一番で、夢に浸れるなら変な現実味なんて邪魔なだけなのだ。だから、どれもこれも話の進み方は似たり寄ったりである。



というのが、小説家になろう。



勘違いされないで欲しい。

ご都合主義自体は技術だ。


これを扱えない人もいる。リアリティやシリアスさを求めるがために、「都合のいい展開」を発想できない人だ。

細かいことを「あえて」考えない。これは技術だ。


「あえて」というのは、「わかっているけどそっちの方が面白いから」ではない。「物語が詰まったときに、ひっくり返す盲点をつく」ということだ。話の打開策である。


がちがちに枠組みを固めるミステリ系の書き手にはあまり使用されないが、「ありえないこと」がありえてしまう、これがご都合主義。もちろん、なぜ「ありえない」が覆ったのかをエピローグなりで説明することが必要だ。

上手な方はそれを伏線として扱う。それと気づかせずに、逆にはっとさせられてしまう。


ご都合主義とは、扱い方一つで物語の印象をガラリと変える武器だ。ちょっと工夫するだけで、鼻で笑うはずの読者が感嘆さえする。まあその、ちょっと工夫する、がちょっとどころではなく難しいのだが。


余談だが新聞の一面に載っているコラムには伏線が綺麗に張られていたりする(小説ではないのでご都合主義とは違うが)。



また、ギャグやコメディーでならこれで笑いをとったりする。

『クレヨンしんちゃん』などにちらほら見受けられるし、もっとあからさまなものもあるだろう。あからさまだからこそのウケもある。

自由な発想が湧いてくるのも、センスであり技術だ。


前者に比べたらまだ扱いやすく、面白さに速効性があるので読み手に伝わりやすい。ヤンヤヤンヤと読者が話にのってくれる。

ただ、その中で物語を動かさなければ飽きられてしまうので、「世界を救う」などよりは小さい目的のもとで主人公を動かすことは必要だろう。漫画の方が合う気もするが。



ともあれ、ご都合主義はヘラヘラ自称するようなものじゃない。未熟の言い訳にしないでほしい。



ご都合主義とは、誇るべき技術なのだ。

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