「お前を愛するつもりはない!」「どんな教育を受けてきたんですか?」
短いです
「お前を愛するつもりはない!」
初夜に、夫の人に言われた。
「それは、白い結婚という事ですか?」
「そうだ」
私が聞くと、夫の人が答えた。
「と、言う事です。初夜確認の為に待機している皆様。お仕事終了です。お疲れ様でした」
私が言うと、隣室で控えていた人々が、次々に現れて、お辞儀して出ていった。
「え…?」
夫の人は、驚いていた。
高位貴族は、跡継ぎが必要な為に、初夜が行われたか、確認するようになっている。
知らなかったのだろうか?
「どんな教育を受けてきたんですか?」
私は呆れて、自分の部屋に戻った。
数日後。
友人に呼ばれたお茶会。
「新婚生活はどう?」
友人に聞かれた。
「初夜に『お前を愛するつもりはない』と言われたわ」
正直に答えた。
「そんな事を言う人がまだいたなんて!」
「50年前に流行ったんでしょ?」
「レトロブームなのかしら?」
友人達は、呆れていた。
「しかも、初夜を確認する人が待機していたのを、知らなかったのよ」
そんな常識を知らなかったなんて、信じられない、と友人達は言った。
私もそう思う。
「大丈夫なの?その人、跡継ぎなんでしょ?」
「私も、心配だったから、当主様に話したわ」
朝になってすぐに、話した。当主様とは、夫の人の父親だ。
「それで?」
「廃嫡になったわ」
「だよね〜」
「まともな当主様で良かったね〜」
当然の結果である。
「これからどうするの?」
「婚姻不履行になって、弟と結婚したわ」
当主様の対応は、早かった。
「弟!?」
「兄と違って、きちんと領地経営を勉強していて、まともな人だったわ」
でなければ、結婚しないが。
「近くに反面教師がいるものね」
「そう。やらかしそうだったから、領地経営を勉強していたんですって」
「愚兄賢弟だったのね」
「ほんそれ」
「同じ教育を受けたはずなのにね」
「大違いね」
そこで、私は言った。
「だから、幸せに暮らしてるわ」
「惚気だった!」
「惚気だ〜」
友人達とのお茶会は、楽しいまま終わった。
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