7.
「捜査関係者でもないでしょ?」
「ええ、まあ」
「気が引けるよねえ。五堂家について? 絵卯さんのことか、エリカさんのことか……」
は、樅ノ木有人。
数登珊牙。
「あくまで遺品整理へ行くための」
「それは、そっちの事情だろう」
「忍さんについて、聞かせていただけることが、あるなら」
「まあ。葬儀屋だもんな」
と樅ノ木は苦笑。
「婚姻歴あたりとか?」
「ほう」
「そのあたりなら、五堂家の方々は怒らないと思うし」
世間話?
そんな感じで聞いてくれればいい。と、樅ノ木は言う。
海晴地区までの移動。
遺品整理は本当みたいで。
移動は、九十九社はじめ、樅ノ木もついて来た。
そして、車で。
助手席は空。
樅ノ木、後部座席は数登。
車内。流れる景色。
首を突っ込んだのは数登なので、九十九社としては人員は割かなかった。
首を突っ込んだとしても、表向きは遺品整理なわけで、五堂忍に関してはかなり狭い範囲だ。
事件? 因縁? いずれにしても、新聞記事の話からである。
忍の遺体に関して。
現時点では、他殺ということになってはいるが。
刃物で刺された痕。とか。
凶器がない、とか。
樅ノ木の世間話によると、刺し傷は背中から胸部まで貫通していたのだという。
「アカリ」の話題をしつこくするのは、今のタイミングではないらしい。
「遺品整理ね」
「ええ」
「屋敷のだっけか」
「ええ。何でも」
と数登。
樅ノ木。
「遺品ならなんでもか」
数登はタバコはやらない。
樅ノ木は吸っている。
「問題ない範囲ね」
「ええ」
停めた車。
少々、走るのはお休みである。
パーキングエリア、何も店はない。
あるのはトイレのみ。
他の車は先に行ったり、行かなかったりだ。
簡素な緑と、煙の上がって行く空があるだけ。
「で。五堂忍の婚姻歴について」
と樅ノ木。
「特に問題はなさそう。浮気だったり不倫だったりはな。ただ、立場上狙われやすかった感じかもね」
「大規模な道楽をお持ちですからね」
と数登。
樅ノ木。
「だねえ。あそこもそうだもの。所有地に庭園造っちゃうんだもんな」
「狙われるとは?」
「たぶん、道楽以外はあまり上手くいかなかったって意味だ。ちなみに、義明さんも女性関係で問題はなさそう」




