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花開くは何処  作者: Bucket
7/9

6.

顔認証、重量でセキュリティを保つとかいう、トランクルーム。

扉でひとつひとつ区切られた廊下。

その部屋を出てから、続く樅ノ木の凝視。

依杏が、彼を失敗した感じの尾行で、後ろをつけていった時と同じ動作。


情報の寄せ集めから依杏が見たとき、樅ノ木はスーツ姿。

一方で、いまはフード服。

絵卯の後ろから、歩いて来た男も、フード服。その類似点?


絵卯にとっては、割と安全な地区だというが、どうだろう。

海晴地区の治安も信用ならないが、黒敷だって。

同じようなものかもしれない。とか依杏は思う。




電話。

数登珊牙(すとうさんが)が電話口。


「おとりを用意しては」


「おとり?」


と依杏。


「ええ。そっくりの自転車なんかを」


2時間程度で、結局狭いトランクルームを出て。

もっとすると、2時間半?

依杏は帰り道である。


空中庭園に、五堂忍が殺されたその日に集まった人が、多い。

黒敷で、信用ならなくても「見られるかもしれない」ことは、樅ノ木が散々()っていた「アカリ」の姿かも?

仮にも、黒敷の環境は五堂姓の人を集めやすいようだし。とか。


「正式な捜査とは行きませんがね」


と数登。


「まあ、それはいつもな感じですね」


と依杏。


「で、嫌がらせ対策なわけですか?」


「駐輪禁止がどうなるのかを、見るだけですね。駐輪場へ、自転車を置いておけばいいのでしょう。絵卯さんにおとりの自転車を貸して、あなたは絵卯さんの自転車を借りればいい」


「じゃあ」


と依杏。


「小型カメラとか付けますかね」


「そこは、判断してください」


と数登。




トランクルームで依杏が聞いて分かったのは、散々()いてきたのに、樅ノ木自身は空中庭園で「アカリ」の姿を見ていない、ということだ。

もうひとつは、絵卯自身も現場で「アカリ」を見ていない、ということ。

五堂忍を殺したかもしれないとされる、架空の人物?


新聞記事によれば、空中庭園で犯人? を見たとされるのは2人だったらしい。

なら、絵卯と樅ノ木は現場に居た6人から、抜けたことになる。

残る4人。


4人のうちの1人は、いま依杏が訪問しやすそうな圏内に居る。のかもしれない。

出勤日かどうかは知らないし。黒敷地区の図書館である。




九十九(つくも)社はよく、「変な案件」を扱う。

その中で、正式な捜査機関とやり合う? ことはよくあったり、なかったりする。

今回の場合は、まったくない。


新聞記事がいうのは海晴地区であって、そもそも黒敷でもない。

繋がるのは、五堂姓が活動する場所がその2地区という点だけ。

数登が中心で、連絡を取り合う、いわゆる署なる場所は、海晴地区は管轄にしていない。

忍の検死は、既に終わっているという。


既に事後報告で、リアルタイムで動いていない。そもそも。

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