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魔王の配下、龍人を捕まえろ!


「それで、王都へ行くにはお金があとどのくらい必要なんだ?」


「あと何回か、魔物を討伐すれば何とか行けるかもしれない」


「そうか……」


「少し危険なクエストを受ければ、もう少しお金がもらえるかもだけど」


「そうね……」


「私は安全な方法でいい。王都へ行くのは遅くてもいい」

 俺は多少危険でも、早く王都に行く事を優先したい。


「本人もこう言ってることだし……やっぱり安全にしましょう」


「まあ、今の俺たちなら仕方がないな」



「次の魔物討伐のことなんですが……」


「はい。あの少し言いづらいのですが」


「何ですか?」


「ただいま緊急のクエストが発生しておりまして、まずはそちらのご案内を……」


「どういう内容ですか?」


「魔王の配下、龍人を捕まえろ!腕に自信のある冒険者集まれ!掃討作戦でございます」


「は、はぁ……」


「これに参加するだけでも、国から援助金が出ますので。

あなた方にもぜひ参加していただきたいのですが……。もちろん少々危険は伴いますがね……」


「……参加者はたくさんいるんですか?」


「そりゃあもうたくさん。……じゃなきゃあの龍人には太刀打ちできませんよ。

ですが当然人数制限はあります。いくらでも国費があるわけではありませんからね」


「何故、国のお強い冒険者たちが行かないのですか?」


「それは……ちょっと申し上げられません。すみません」


「そうですか……。みんな、聞いてたよね?どうする?」


「さっきちょうどそのことについて話していたじゃないか」


「答えはノー。私たちは死ぬわけにいかないもんね」


「話を続けてくれ。考えろ」

 くっ、やめろ。考えるな。


「ロアル様?」


「考えるって言ったってなあ。確かに報酬的には美味しい話なのかもしれないが」


「どう、されますか?」


「ロアル……」


「私が行こう」

 行きたくない、行きたくない、行きたくないよ。

「……私が行きます」


「え?」


「ルビア?」


「左様でございますか?」


「じゃ、じゃあ俺も?」


「じゃ、じゃあ私……も行こうかな……?なんて……?」


「皆さんで行ってくださいますか?」


「もう何が何だかわかんねえけど、みんな行くんなら俺も行くわ」


「危険なら逃げ帰ってきてもいいんですよね?それなら何とかなるかな」


「もちろんでございますよ」


「じゃあ……それで」


「……では手続きをしてまいります……少々お待ちください」



「なんで急に行くことにしたんだ?」


「……私なんでかな、急に返事してた」


「でも、危ないことはしないって言ってたのに……」


「私のせいだ」

 俺のせいじゃない。


「違う、違うよ……そんなこと……」


「そうだよ、誰のせいでもないよ」


「もう行くって決めたんだからいいんじゃないのか?

危なかったら、すぐ帰ればいいんだから。簡単な話だろ?」


「でも魔王の配下は危険かもしれない」


「いざとなったら、ルビアの転移の魔法をすればいいだけでしょ?」


「でも……」


「敵の情報を集めて、対策をしていけば、より安全でなんとかなるんじゃないか?」


「みんながそう言うなら、きっとそうだよね……」


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