当たれえええええ!これで目覚めてやるうううう!
にやにやにや。
にやにやにや。
にやにやにや。
にやにやにや。
「ディーラーが表か裏かと言ったんだ。そしたらロアルさんはなんて言ったと思う?」
「私は裏だと思う。そう彼は自信満々に言いました」
「俺は表だと思ったさ、盗賊の俺から見ても明らかにそう見えたんだ。しかしな……」
「そしたらディーラーの顔が、しなしなになりました」
「……」
「じゃあこれはどうだ?ルーレットの話だ。俺は黒色が怪しいと思った」
「私は赤だと思う!そう彼は笑みを浮かべて言いました」
「そうだ。その時のロアルさんの表情を、俺はいまだに忘れられないよ。そしてまた一儲けをしてしまったんだ……」
「……そんなの、ただ単に運が良かっただけよ、二分の一だもの。ただのビギナーズラックよ」
「最後の話だ。スロットをした。俺もさすがにそろそろ頃合いかと思っていたさ。
引くならここかもしれない……とね」
「さすがのロアル様もそろそろ眠くなってきたのかなと思いきや、今日は帰らないぞぉとの連呼」
「いや、あそこまでの迫力で言われるとねえ、俺たちもさすがに帰れなくなっちゃってさ。
お目目パッチリで、私はまだ眠れないんだ!って」
「やっぱり何としてでも、私が止めるべきだったわね……」
「そしてついにやりやがったんだ。ロアルさんは伝説の幕開けを……」
「ロアル様はその時、当たれえええええ!これで目覚めてやるうううう!って言ってたんだよ!
すごい勢いで私……隣で見てたんだけど、カジノの恐ろしさの片鱗を知ってしまったのよ」
「はあ……私、何だか頭がくらくらしてきたわ……」
「そしたらな、ドラゴン10体分はゆうに倒しているお金になってたってわけ」
「桁何桁?ねえ、桁は何桁?」
「それで……そのロアルは今どうしてるの?」
「え?」
「……今はぐっすりとおやすみちゅう?」
「そう……」
「俺たちもわかってはいたさ……」
「それでも、ね……なかなか止められなくて……」
「可哀そう……じゃない?」
「……」
「……」
「もう止めるよ……。私ロアル様に甘えてた」
「ああ、もうカジノになんかに連れて行ったりしない。俺が連れて行かせない」
「本当に……?」
「ああ、俺たち行き過ぎてたよ」
「深く反省するよ……」
◇
「さあて、今日もカジノに参ろうか」
今日は、カジノなんて絶対に行かないからな。
「わあい!私ロアル様大好き!」
「さすが、それでこそ男だぜ!」