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そうじゃないから貧乏人


 今日はこの町に来て四日目、最初の魔物討伐の日だ。

 さすがにこの町にも慣れてきた。迷子しない的な意味で。


 それにしても、この町はいいな。

 町の入り口に強靭な見張りの人がいるおかげで、

 前の町であった、急に町に魔物が入り込むというアクシデントも今のところはない。


 いや、そろそろあってもいいぞ?

 安心することは、スキル天邪鬼にとって良くない。

 俺は常に危険と隣り合わせだということを、思っていなければならないんだ。



「今日は早かったね、ロアルが二番乗りだよ」


「遅くて助からない」

 いつも早くて助かってる。


「うん、助かってるよ。私は……」


「二人は何もしてない」

 二人は何してんだ?


「……二人が来るまでちょっと話そっか」


「……いや」

 ああ……。


「今日は町の北東の金塊山って呼ばれてる所に行くんだったよね」


「そうじゃない」

 そうだな……。


「どんなところかな?金塊山って言うくらいだから金塊が所々に埋まってるとか?

さすがに、そんなことはないよねー?」


「そうじゃないから貧乏人」

 そうだったら、金持ちになれるのに。


「この町に来てからいろいろ調べてたんだ。

ほら、伝説の魔法使いのこと。ロアルじゃ中々人に聞けないでしょ?」


「それは最高に助からない」

 それはマジ助かる。


「……それでね、その伝説の魔法使いは王都にいるって噂を耳にしたの。だから……」


「おーい!」


「お待たせーー!」


「あっ」


「待たせてしまって、悪かった。

来る途中、こいつと会ったんだけど、アイテムの補充を忘れててな。急いで道具屋に駆け込んでたわけよ」


「違うじゃん、私だけじゃなくルクスもなんか買ってたでしょ?」


「いや、あれは付いていったついでにだな……」


「普通じゃない」

 まあ、いつものことだよな。


「え?ああ、金塊山のことか。確かにあそこには最近鳥の魔物が狂暴化して生息いるらしいな」


「でもロアル様がいれば問題ないよね?」


「俺は弱い。しかし仲間は守る」

 まあ俺は強いからな。仲間は守れないかもしれないけど。


「もう、またまた謙遜しちゃって……」


「悪いがそれは俺のセリフだ……いくらロアルさんでも取らないでくれ」


「じゃあみんな、揃ったから……出発ね」


 ルビアの転移の魔法で移動。



「ここが金塊山か。確かに山がキラキラしていて、一見山が大きな金塊のように見えるな」


「油断してはだめよ。これはその昔、魔王が空から魔弾を放ち、それがこの山に一斉に降り注いだものなの。

それを神聖なる魔法使いが浄化した跡だと言われているわ」


「なるほどなぁー」


「ルビア物知りさんだね」


「ちゃんと来る前に、チェックしてきたからね」


「えらいえらい」


「卑しい」

 偉い。


「そうだな……。卑しい人間は人を騙して、これを金塊だと偽って売るという」


「本当に卑しい人たちだね……」


「だから、気を付けてね、いくら浄化されたといってもこれは元魔弾……。

魔王の力が秘められた悪魔の力なのだから……」


「魔弾か……。俺もいまだに直接見たことはないが、これがその……?

そういや魔神の武器からも、同じように魔弾が放たれると聞いたことがあるな……」


「……さあ、こんなところでゆっくり話していられる余裕はないわ、行きましょう。

目指すは山頂の怪鳥の魔物よ」


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