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新しい町

 宿屋で目を覚ますと、ロアルの体力は完全に回復していた。


 そういえば、昨日は大きなケガはしなかったな。

 ……それよりもみんなが無事で本当に良かった。


 ……あのダークエルフ。そして獣人……。

 もし今度、出会ったら俺の剣で……。


 いや、やっぱりやめよう。

 話をしない魔物と違って、向こうは人間みたいだし。

 いくら魔王軍でも、やり辛いよな……。


 いや、でもこう思ってると俺の場合、逆にやっちゃうか……?

 うーん……困ったな。



「ロアル様!こっちこっち」


「ようやく、お目覚めか」


「今日はみんなも遅かったけど、ロアルが一番遅かったね」


「ルビアがいつも早すぎるだけでしょ?

みんな疲れてたんだよ。特に私は遅くまでみんなの回復を……」


「……そうだったね。何だか配慮なくて、ごめんごめん」


「いや、ごめん……。そう言いたくなる気持ちもわかるよ。私も待つの嫌いだもん」


「まあまあ、そんなに言い合わないでさ、とにかくみんな無事だったんだから良かったじゃん?」


「……私は迷いなく進むだけだ」

 俺は集合場所の広場の場所がわからなくて、ちょっと迷った……。


「そ、そうだね……。私たちは魔王を倒すために迷ってはいられない」


「あんなことがあっても、今日もいつものロアル様ね……」


「まったく、器が大きすぎるぜ」


 昨日の夜、まずはみんなで一緒に新しい町を見て回ろうと約束していた。

 俺のパーティメンバーは傷も浅く、何ともないみたいで安心したんだ。

 町の冒険者たちは、負傷した人もいたみたいで、回復を願うばかりだ……。


「ねえ、それで、今日はどこに行く?」


「まずは、ギルドに報告でしょ?それ以外に考えられないわ」


「わかってるよ、もちろんその後の事だよー。どんなお店に行こうか?」


「まあ、こんな時だ。明るいところに行きたいもんだね」


「……」

 無心。無心。



「それでは手続きはこれで。

ロアルさんのパーティは三日後にこの町の北東の金塊山に魔物討伐、ということで」


「はい、わかりました」


「えーっと……?失礼ですがリーダーの方は?」


「ごめんなさい、私がこのパーティの指揮を担当している者で」


「そうなんですか?……ではこの用紙に変更届けをお願い致します」


「え?」


「パーティの指揮をする者がリーダーになる。このギルドではそういう決まりになっております」


「っ……そうですか。……じゃあみんな、それでいいかな?」


「もちろんいいよ!」


「俺は構わないぜ」


「……」

 

「じゃあ、それで!」



「私がリーダーで本当に良かった?」


「そりゃあ、そっちのほうが何かと便利だろ」


「この町の決まりなんじゃ、しょうがないね。

ロアル様はリーダーじゃない、メインアタッカー様ですから」


「私は落ち着いてはいられない」

 俺は……とてもほっとしているよ。


「ほら、早速燃えておられるよ。大丈夫、三日後にはまた暴れられるからね?」


「腕が疼く……」

 体はもう大丈夫だよ。


「剣士としての闘争本能が抑えきれないようですな」


「ほらほらみんな、茶化さないであげて。それで?これからどこに行く?」


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