第八話 弱さ
「私···村に住んでたんだけど···灯炎魔法が使えなくて···弱いから···村を出てきて···そのあとゴブリンに···」
···反撃しなかった理由だけを聞くつもりだったけど···
そんなことが···
「原因とかはわかってる?」
「わからない···」
俺も何か力になれたらいいんだけど···
「村からは追い出されたのか?」
「ううん···私の村の人達はとても優しくて、私に対しても···笑顔···で···っ···でも···私が···いると···迷惑になる···っ···から···ッ···」
···自分を責めすぎだよ···ミアは···、無理に笑おうとしてるけど···俯いてるし···涙が溢れてるよ···
「···ミアは···村の人たちがミアのことをどう受け取ってると思う?」
「···きっと···邪魔な子だって···」
「違うよ···もしそう思っていたのなら、優しくされたりはしないし、ミアは泣いてないと思うよ」
「え···?」
泣いてることに気付いてない···?
「ミアは村の人たちが優しくてくれて···それが嬉しくて···だから村の人達の役に立とうとしていた、でも、それを村の人たちはきっと知ってるんだよ。ミアは優しくて、頑張る子で、強いって。」
ミアの目を見て、しっかり、力強く伝える。
「私は···強くなんて···」
「ミアは何もできてないって思ってるかもしれない。でも、俺を助けてくれた。怖いのに戻ってきて、立ち向かってくれた。ミアが頑張ろうとする気持ちはしっかりと伝わってる。その気持ちが様々な人を助けてる。そのミアの行動が、優しさが、ミアの強さだよ。だから、ミアは強くて、かっこいいよ。俺よりも。」
逆の立場で、俺なら···逃げていたかもしれない。
「···レイル···ッ···」
今まで、自分をずっと責めていたんだな···。
抱き締めてきて、泣いているミアを優しく撫でてあげる。
「ありがとう···ッ···」
少しだけ、表情が見えた···まだ泣いてるけど···やっぱり笑っている表情が似合うよ。
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