第四話 女の子の名前
「行くぞ!」
「うん···!」
「ギャアアアアアアッ!!!」
何で俺に力が沸いてくるのかはわからないけど、今の俺なら···やれる!
「はぁっ!」
走ってくるゴブリンの真正面から折れたナイフを一気に振り下ろす。
「ギ···」
···一撃!?本当に俺が!?······あの子は!
「えいっ!」
ちょうど爪を右上から左下に振り下ろして、切り裂いていた。
「ギャ···ァ」
「えっ!?一回で···?」
よかった···倒せたみたいだ······もうゴブリンもいなさそうだな···
「ッ···」
集中が切れたせいか、急に眠気ととてつもない痛みを感じて倒れてしまう···やばい···。立てない···。
「大丈夫···!?」
駆け寄ってきて心配そうに見つめている
···俺って情けないなぁ···。心配かけさせて···。
「大丈夫···だよ···」
「大丈夫じゃないよ···!回復させるから···!」
···隠せないかぁ。
≪≫
「だいぶ楽になったよ、ありがとう。」
歩けるぐらいには回復させてもらった。本当に優しいなぁ。
「ううん···こちらこそありがとう···!助けてくれて···!」
女の子は首を振ってお礼をしてくる。···にしても、綺麗な子だなぁ···さらさらとしていて、雪のように白い髪と耳や尻尾、宝石のようなキラキラしたしたエメラルドグリーン色の目、まだ子供なのかな···背が低い。
「そういえば、君の名前は?」
「私は···狐猫族のミアだよ···!よろしくね···!」
確か狐猫族は···聖属性魔法と炎属性魔法よりも攻撃力が高く聖属性を持つ灯炎魔法を巧みに使い、驚異的な身体能力を持つ種族で、狐と猫の獣人の混ざり合いではなく狐猫族として生まれたって習った気がする···ただ···あまり人前には出てこない種族じゃ···
「俺はレイル·サーフィス。冒険者だよ。」
「···レイルは···何でここに···?」
「俺は薬草採集の依頼でここに来たら、君が襲われてて···。」
「私は···ミア···!」
頬を膨らませて怒ってる···ちゃんと名前で呼んであげよう。
「ごめんね、ミア」
「うん···!···それで···依頼は終わったの···?」
許してくれたみたい。
「薬草がちょうど集まったところでミアを見つけたんだ。あ、どうせなら一緒に町に行く?」
「行く···!」
「じゃあ、行こうか!」
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