第十二話 龍
「この辺りかな···?」
町から少しだけ離れたところなんだけど···
町からどれくらいの距離で襲われてるのか、なんだよね···
「教えてもらうべきだったなぁ···」
こういうところ、俺はまだまだ未熟だな···
「私は···ここで待ってたら···くると思うよ···?」
俺を見ながら言ってきた。身長差のせいで見上げてくるのがちょっとだけかわいい。
「そうかなぁ···?···もうちょっと先のような気がする···」
「···じゃあ···もうちょっと歩く···?」
「そうだね!」
それから15分ぐらい歩いたかな···小高い丘に来て···
「ここから町を見渡せるなんて···!こんな場所もあったんだ···」
勇者パーティーにいたときはこんな風にのんびりできなかったから···。
「きれい···!」
···この町、やっぱり好きだなぁ。
「ここら辺で待つ?」
「······うん···!」
たぶん依頼忘れてたね···尻尾がピーンってなってたし···うん、かわいい。
「ッ!?」
って突然咆哮が!?どこから···
「上···だよ···!」
上···まさか···翼龍!?
「こっちにくるぞ!」
それが目の前に降り立つ。
「貴方達、冒険者ね!私と勝負よ!」
···あれって···まさか···神聖種···蛇龍···!?
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