まっすぐに、
【7】
雨がやむことはない
ひたすら屋上を濡らす
そして
私の頬も濡らしていく
「もう少しだけ…」
もう、涙は乾いた。と
これは
今、私の頬を濡らすのは雨だと
その場にいることで
私は、私自身をごまかす
そんなことをしても
何も変わらない。誤魔化すことはできない
「わかってる…!」
「わかってる…よ…!」
だけど、
そうする事でしか自分を護れなくて
そんな自分が
嫌で、嫌で、嫌で
「ハァ…」
ため息が漏れるばかりだった
いつの間にか、雨はやんだ。
「さすがに…戻った方がいいかな…」
立ち上がり、屋上をでようとした
――――――ガタ…
…誰かいる?
そっと、見つからないようにのぞいてみる
そこには…海晴ちゃんがいた
「海晴ちゃ…」
「…奈乃香ちゃん?」
「いい、気味。だよね?」
「海晴ちゃん…」
少し罪悪感の残る表情
そこから全てが分かった。
「私、奈乃香ちゃんのこと嫌い」
「うん。」
「いつも、ニコニコして…」
「うん」
「俊哉の事…全部しってるみたいで…」
「…うん」
この娘はきっと
少し、寂しかったんだね
でも、いつも傍にいた人がいなくなって
不安になったんだ
でも、
ごめんね。
これだけは、
譲れないんだ。
「私は…ね?俊哉の事が好き」
「……」
海晴ちゃんは何も言わなかった
「でも、伝えるつもりはもうないの。」
「……奈乃香ちゃ」
「だって、俊哉は私を好きじゃない」
「…」
「だから…じゃぁね」
扉をあけ、一歩踏み出す
すると、後ろから声がする
「そんなんで…」
「海晴ちゃん?」
「そんなんで…いいの!!?」
「…?」
必死に、
今までとは違う彼女が
必死に私に何かを伝えようとしていた
「相手の都合で自分の気持ち閉じ込めるなんて…」
「海晴ちゃん…」
彼女は少し
落ち着いてから
いつもの彼女のように
「貴女らしくないんだから。」
「!」
「あ、あと「ちゃん」付けもやめてよね」
「うん。」
「最後にいっとくわ」
「なに…?」
彼女は彼女らしく笑い、そして
「私の方が有利なのは忘れないでよ?」
その台詞に
今までの彼女はどこにいったのか
そんな風に思えて
私も涙で赤い目を彼女に
まっすぐ向けて
言った
「望むところ」
【next】
あばばばばばばばばば(←
いきなり海晴ちゃんがいい子にィィィィ…
どうすればいいんだ…
誰かぁ、助けてください!!
では、またお会いしましょうノシ