どうか、
お久し振りです
修正いれました
ご迷惑
おかけします
m(__)m
Sana
【44】-華side-
.
「結局、輝こおへんかったなぁ…」
二日目の朝
昨夜は一人足りないまま食事をとった
そして今この部屋には
私と、亮輔と奈乃香
3人しかいない
輝はというと
いまだに姿を見せていない
いつまで引きこもっているつもりなのだろうか
今日も
海へ行くつもりだった
けれど、3人で行ってもつまらない
他の二人も
そう思ったのだろう
誰も、何もいわなかった
「うーん…」
「…………チッ」
亮輔の
小さな舌打ちが聞こえた
それは輝への苛立ち
この空気への苛立ち
沈みきった奈乃香に
なにもできない
自分への苛立ち
そして、私への苛立ち
どれか、
もしくは全てであろうか
耐えきれなくなった私は
意を決して
輝の部屋に向かった
何の解決にもならない
そうかもしれないが、
でも何かしないと
気が治まらなかった
「輝?」
「………」
返事がない
薄い扉の向こうから
物音ひとつ聞こえない
「…輝!」
「…なんですか」
「!」
「…オハヨ。華さん」
覇気の全くないその声は
私の真後ろから
聞こえてきた
どうやらトイレに行っていたらしい
「おはようて…もう9時やで…」
「…ホント?ゴメン」
「とりあえずご飯…」
「いらないや。」
「でも」といい切らないうちに
輝は私の前を通り過ぎて
そっと扉を閉じた
唖然として
しばらく立っていたが
ムカついた私は
思いっきり扉をけり上げた
中からは
「ゴメン」
としか聞こえてこなかった
―――――――――――――――――――――
夕方になって
それでも輝は一度として
顔を出さなかった
「私…散歩行ってくるね」
「え?一人で大丈夫なん?私も…」
「…一人で行きたいの」
そう言って奈乃香は
小さく微笑んで
その場を立った
そして1時間後…
部屋では
私と亮輔の
2人になってしまった
「…………………」
私はこの約二日間ずっと亮輔を避けていた
そんな時に
二人きりになった
逃げてしまおうと
席をたった瞬間
「オイ。」
「…なに」
「なにじゃねぇよ。」
「意味わからん」
「お前、俺の事避けてるだろ」
…気づかれていた
まぁ、あんなあからさまに避けていたら
バレテしまうか
「知らない…」
「嘘だな、」
「嘘じゃ…」
「いいや、嘘だね。お前焦ると標準語になるし」
「だから…!!避けてなんか…!!」
「…いい加減にしろよ!!」
大声に体がはねた
普段声を上げない亮輔が
相当怒っていたのだろう
怒りに苛立ち
両方が混ざったそれは
私の口を閉じさせた
「言えよ。なんで避けてんのか。イライラしてんだ」
「い、…言わない…絶対に…」
だって言ったら
全部だめになる
私も
そして亮輔も
声が震える
「言うまで、待ってるからな」
その瞳は冷たくて
いつも
人をナメているような
そんな瞳ではない
私は怖くて
ただ、震えることしかできなかった
いっそ言ってしまった方が楽なのかな
…ダメだ、ダメ。
自分に甘えてしまいたい
そんな時
「あの…坊っちゃん。」
「…なに?」
――――――――――――――――――――――
輝side
いつの間にか空はうす暗くなっていた
今は何時だろうか
時計を見るのもなんだか
面倒くさい
こんなことしても
意味はない
それくらい
わかっているんだ
でも…そうでもしないと抑えられない気がして
俺は…どうしたいんだろう
「輝!!」
「…へ?は、華さん?」
酷く慌てた様子で
扉を開けてきた華
「奈乃香が…」
「カノン…?」
胸がざわつく
「奈乃香が帰ってない…」
―――――バンッ!!
「輝!!!」
無意識のうちに
走り出していた
どこに向かっているのか
自分でもよくわからない
だけど、今
彼女のそばに誰かいないとダメなんだ
何故、忘れてしまっていたのだろうか
毎年、忘れずに覚えていた
こんな大事な日を
俺がどうしたいじゃなくて
彼女にどうしてやれるか
「カノン…!!」
.
どうか
.
.
【next】
Sana