決意を、
修正いれました
ご迷惑おかけします
m(__)m
Sana
【30】-奈side-
「結構長引いたなぁ…」
委員会がただの雑談会と変わり、グダグダと校舎にいた私
窓から外を眺めてみれば既に空は太陽など消え、月が儚げに輝いていた
しかし街を照らすのは月ではなく街灯や車たち
そんな中でも懸命に輝きつづける月を眺めながらゆっくりと廊下を歩いていた
「さすがにもう、いないよね…」
暗くなった下駄箱に付き
そっと歩いてみる
――――カタン
音がしたほうを振り向いてみても、そこには誰もいなかった
「そんな訳…ないか」
そもそも彼が私と帰ろうとしたのもただの気紛れ
少しでも期待してしまう自分が嫌でたまらない
そんな事思ってたら海晴に怒られちゃうかな
自分の靴を片手にとり床にパタリとおとした
靴を履こうとしたとき、暗くて見えなかった人影がひとつ。
「誰…?」
そっと近寄ってみると、そこには
「輝…?」
「うん」
「何、してるの?」
「待ってた」
ずっと?
そう聞けばまた輝は小さく「うん」と頷く
「帰ろう、カノン」
「…うんッ!」
急いで靴を履き
輝のもとへ駆ける
さっきまでの胸にあった暗雲は消え
晴々とした気分だった
輝が待っていてくれた
たったそれだけの事なのに
心の底から嬉しいと思えた
「ごめんな。待ってたのが俺で…」
「なんで…?」
「だって…」
「…待っていてくれた事が嬉しいかったの。ありがとう。輝」
「カノン…」
でも、輝の優しさはまた私を惑わせていく
今、晴々とした気分な事は変わらない
嬉しかったのも嘘じゃない
なのに輝の優しさに素直に喜べない。
そんな自分が嫌
何故?
あの時、あの屋上で決めた筈なのに
彼だけを見つめていくと
叶わなくてもいい
ただ、彼を好きでいたい
そう思っていたのに…
――何故?
―下駄箱not side
誰もいない下駄箱
…のはずだった
そこには1人の少年がいた
彼は待ちたいと思っていた
彼女に話がしたい
そう、思っていた
だけど、
彼女を待っていたのは彼だけではなかった
彼の恋敵、彼女の幼なじみもまた、彼女のことを待っていた
彼の恋敵と彼女。
彼は2人で帰ってもらおうなどとは全く思っていなかった。
いや帰らせるものか。
そうまで思っていた…
…なのに
「あんな嬉しそうな顔されたら…でていけないよ」
彼女が幼なじみを見つけた時の心からの嬉しそうな顔
それを見てしまった彼は
その場から動けなかった
彼は彼女のそんな顔を見たことがなかった
彼女をそこまでの笑顔にできたことはなかった
それどころか…
「暗……」
彼は暗い夜道を1人で歩く
しかし、その後ろ姿から諦めなどは見えなかった
「ナメんなよ…三上」
彼はまた、決意を新たに暗い空を見上げ歩きだした
―それぞれの決意
【next】
(迷いは続く)
(諦めはしない)
(彼女が幸せなら…)