弾け飛ぶ、
【24】-輝side-
「決め付けるな…」
「…決め付けてなんか」
華の拳が一層に震える
俺が、カノンの事を諦めるからではない。
ただ、俺が決め付けることで
彼女のことも決め付けられている。
そんな気がしたのだろう
「アンタら幼馴染みなんやろ?なら同じ気持ちかもしれんやんか」
「…んな訳ないよ、
だってカノンが好きなのは………」
『俊哉だから』そう言おうとしたところで言葉は止まった。
それは俊哉を認めたくなかったから、
俺に小さな希望があったからだ。そんな自分に苛立つ
「心、閉じ込める気か。覚悟、必要やねんで?」
「…覚悟なんて、遠の昔にできてんだ」
…違う
覚悟なんてそんなものできていない
彼女がいなくなるのは怖い
いつも隣にいたのに
誰よりも傍にいたのに
彼女の心に俺はいなくて
せめて俺の心の中にはいて欲しい
そう想い続けていたら
彼女を忘れることができなくなった
彼女への想いを
捨てられなくなったんだ
「…好きなんやろ?」
好きだ、好きなんだ
どうしようもない位
彼女の事が大好きで
愛しくて
抑えてきた気持ちは
とうとう抑えがきかなくなってくる
「自分に正直になれや!」
心の鍵が弾け飛ぶ
―――――キンッ
「好きだ……彼女が、カノンが好きだよ!!」
あぁ、やってしまった
「言えるやんか」
「華…お前」
最初から彼女の事で苛ついてた訳じゃないのか
頼れる二組の姉さん
そういうことか
彼女の親友は微笑み
「協力、してやるわ」
「…ご自由に」
さぁ、彼女のもとに行こう
走り出すと、後ろから大声で華が俺を呼ぶ
「輝ーーーーー!!」
「?」
「お前、奈乃香の事泣かせんなよー!!」
泣かせたらぶん殴ると物騒な言葉を言い放った華に俺も大声で返す
「わかりました!お母様!!お嬢さん必ず護ります!!」
「誰がお母様やねん!」
ニカッと笑い
また走り出す。
風がさっきよりも心地好い今すぐ彼女に会いたい
彼女を全力で護ってやる
彼女を全力で愛してやる
諦めろなんて言われても
諦めてやるもんか
彼女が誰を好きでもいい
俺はカノンが好きだ
後戻りはできない
【next】
(後戻りなんて)
(してやらねぇけど)
皆様お久しぶりです
あれ?久しぶりですよね?
輝くんがようやく動き始めましたよ(疲
次回は図書館にいる奈乃香と亮輔の話です
では、また(^-^)/
Sana