分からない、
【10】-俊side-
―――――教室
『美倉さん…が?』
『やっば…修羅場じゃん』
クラスはザワつく
そんな状況も気にせずに
華は口をひらく
「…俊哉、なにしたか、わかってる?」
怒りに満ちた
友人の声。
華は我を忘れ
いつものなまりはなく
まっすぐに俺に言う
「…」
それに答えられない俺は
ただ、彼女が走っていった道を見つめることしかできないで、いた。
「きこえてる…?」
「…わかっ…てる…」
声を喉の奥から絞り出す
―俺は…分かってる?
―なら何故、
―彼女は泣いていた?
―俺に分かるのか?
―分からない
―わかりたい…のに
「わかってる?」
拳を握り震える華は
きっと今すぐにでも彼女のもとへ走り出したい筈。
「なら、奈乃香を泣かしたのは何故…?」
分からないんだ
「奈乃香を信じなかったのは…何故…?」
俺だって
「俺だって…」
「……」
「俺だって…信じてェよ!!」
声をあげると
少し静まる教室
自分でも驚いた
【信じたい】
確かにそう思った
「なら…いや、もうえぇわ。しっかり考えとき。」
華はそう一言言い、彼女を探しに廊下へ飛び出した。
―信じたい
―…それは
―きっと―――――
【next】
(彼女の事を…心から)
(愛しいと想ったからだ)
展開が……(汗)
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Sana