序章
バタバタと足音が聞こえてくる。
それを感じ取った山田 兼人は目を開けベットからおり着替えを済ませた。
丁度着替えを兼人が済ませた時、部屋の扉が勢いよく開いた。
「兼人起きてるぅ!?」
茶色の髪が特徴的な短髪の少年が入ってきた。
「なんだ彩人、何か用か?」
兼人は余裕の表情で少年を見つめた。
「なんだ、もう起きてるのかよ」
少年は残念がっていたが顔を上げた時にはニコニコと笑顔だった。
「なんだよ、気持ち悪いなぁ」
「気持ち悪いってなんだよ。親友の顔だぞ!!」
彩人と呼ばれた少年彩川 人は兼人と10年来の親友であった。
「自分で親友って言うか?普通」
「言うだろ!!」
そんなやり取りをしながら彩川が話題を振ってきた。
「そういや、兼人」
「ん?なんだ?」
「お前のさぁ、レポートだけどよ本気か?」
「ん?どうしたんだ?急に。お前だって『面白そう!!』て言ってたじゃねぇか」
そう言い兼人はパソコンの画面から顔を上げた。
「だって、鉄人についてのレポートなんて他にやってる奴なんていねぇよ」
心配そうな彩川に向けて兼人は笑いながら言った。
「だから、やるんだろうが」
「え~?」
兼人は目を輝かせ笑顔で答えた。
「だれもやらないから面白いんじゃねぇか!!」
しかし、彩川はいまだ怪訝そうな顔で言った。
「でもよぉ、鉄人についてのレポートって何を調べるんだよ」
「ふっふっふ、それはだな彩人」
「な、なんだよ」
「レジスタンスを調べ上げる!!」
「レジスタンスを調べる!?」
現在、日本には二つの対抗組織がある。
1つは警察直属の対鉄人部隊もう1つは鉄人の開放を目的としたレジスタンスだ。
「あぁ、レジスタンスは鉄人を解放する為に動いてるらしいからな」
「鉄人を解放するためってどこから解放すんだよ?」
彩川の疑問に兼人は指差し答えた。
「それは鉄人保護施設からだよ」
鉄人保護施設とは前科の有無関係なく鉄人を外界から隔離するための施設であり、中がどのようになっているのかはたまたどこにあるのかさえ知る者は未だいない。
「レジスタンスは鉄人を鉄人保護施設に移送中に襲撃するらしい」
兼人の言葉に彩川は首を傾げ言った。
「つまり?」
「鉄人についてよく知っているかつ、コンタクト取りやすいのがレジスタンスって事だ」
「あぁ~!なるほどな!」
兼人はパソコンの作業を終わらせ天井を指さした。
「目指すは鉄人の謎の解明!!その為に俺は大学生活全てを捧げてもいい!!」
「はは、まぁ頑張れよ!」
彩川は兼人の熱量に気圧されながらも兼人を応援した。
どうも眼名 奈子です。
小説初投稿作品です。
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