周囲17.二組のカップル
「テンチョ、高校生カップルが2組来たっすね」
「そうですね上水流さん。微笑ましいですね」
「夏休みなのに、登校してたんすかね?」
「まぁ、補習とか部活とかもありますしね。そうなんでしょうね」
「そうなんすね。1組はいつものカップルだけどいつもより距離近くて、もう一組はちょい犯罪っぽかったっす」
「上水流さん、お客様を犯罪っぽいと言ってはいけませんよ」
「すいませんっす。カップル羨ましくてつい。あと、見た目が高校生と子供みたいだったんで」
「カップル、羨ましいんですか?」
「正直、羨ましいっす。ヤンキーみたいな目つきの悪い女が言ったら変っすかね?」
「そんなことはありませんよ。上水流さんは可愛らしい女性です」
「……テンチョ、お世辞でも嬉しっす」
「お世辞じゃありませんよ。極たまに上水流さんのことを教えて欲しい、と言うお客様もいらっしゃいますから」
「それ、初耳っす」
「僕の所で止めてましたから。嫌でしょう?」
「嫌っすね。あ、それでたまに車で送ってくれるんすか?」
「何かあってからでは遅いですからね」
「テンチョ、紳士っすね」
「共に働く、大切な仲間を守るのは当然のことです」
「仲間っすか……」
「ええ」
「女の子扱いしてくれても、良いんすよ?」
「女の子扱いですか? 上水流さんは可愛い女の子じゃないですか」
「そういう意味じゃないんすけど……。まぁいいっす。ウチ、補充行ってくるっす」
「ありがとうございます。お願いしますね」
「……テンチョ、今日の帰りも送ってくれるっすか?」
「えぇ、喜んで」
「うっし! 張り切って仕事するっす!」
「行ってらっしゃい。……上水流さん、あなたは本当に魅力的ですよ」
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