周囲15.散歩中の二人
お久しぶり
「おや、ハヤト。あそこにアスカたちがいるよ」
「へ? マジで? 河川敷にいるなんて珍しいな」
「そうでもないよ、ここは鳥谷部君のジョギングコースらしいからね」
「へぇ、そうなのか。それは何? 花野木さんから聞いたの?」
「いいや、鳥谷部君本人から少し前に聞いたんだ」
「ふーん……ふうーん?」
「ハヤト?」
「ミツキ、あいつとそんな話するくらい親しかったの?」
「……まぁ、友達ではあるかな? でも二人で話したことはほとんどないわよ。アスカの事で相談される時くらいだし」
「へぇー。そっかー」
「いや、そんな妬かなくても良いじゃないか、拗ねた顔しないでよ」
「妬いてねーよ、ちょっと面白くないと思っただけだ」
「それを妬いてると言うのでは? 可愛いなぁボクの彼氏は」
「うるせー。彼女が他の男と二人っきりとか面白いわけないだろ。ハーレム主人公かよあいつは」
「いや、話を聞いたのはハヤトと付き合う前だよ。ボクはハヤトと付き合ってから、他の男と二人きりになったことはないし」
「……そうなのか」
「だいたい、ハヤトをだーい好きだったボクの前で、散々アスカの事を喋ってた人がそれを言うのかなぁ?」
「……ミツキが意地悪だ」
「これくらいの仕返しは可愛いものだろ? それにちょっとM入ってるハヤトは嬉しいんじゃない?」
「……えいっ」
「ひゃうっ!! 仕返しに手をニギニギするなぁ! また腰抜けたらどうするのさ!」
「そんときゃ、おんぶしてやるよ。お姫様抱っこの方が良いか?」
「恥ずかしいからどっちもやー!!」
「つーかあの二人、なんで河川敷を腕組んで歩いてるんだ? とうとう付き合い出したのか?」
「いや、多分アスカがジョギングでバテたんだろう。体力ないからなぁアスカは」
「いや、それでもあんな風に腕組んで歩く意味が分からん」
「まぁ、あれが二人の幼馴染としての距離間なんじゃないかな?」
「ふーん……さっさと俺等みたいにラブラブになればいいのにな。お、ミツキ顔が赤いぞ? 照れたか?」
「……バカ」
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