会話51.アイスジャンケン
「ねぇねぇオウカー」
「なんだーアスカー……夕飯の買い物ならまだ早いだろー。あ、辛いカレーならビーフが良いなぁ」
「えー? 少し節約したいから安いお肉にしようと思ってるんだけどー」
「あー……節約は大事だな。夏休みは物入りだし、少し抑えるか」
「そうそう、それでねオウカ、ちょっと頼みがあるんだけど」
「ん? 頼み? なんだよ」
「実はね……冷凍庫に最後の一個のアイスがあるの……」
「ほう……最後のアイスとな」
「うん、最後の一個のアイス、それでね……」
「アスカ食べて良いぞ」
「最後の一個をかけてジャン……って、食べて良いの?」
「アスカが甘い物欲しがるって珍しいからな。俺は気にしないで食べろよ」
「えー……?」
「いや、なんで譲ったのにそんなつまんなさそうな顔するんだよ。一人で食べれるんだぞ?」
「そうじゃなくてー。オウカとジャンケンして勝って食べるってのがしたかったのに」
「なにそのめんどくさい思考」
「だってー。別にアイスがどーしても食べたいわけじゃなくて、オウカと何かがしたかったのー」
「いや、今も一緒にいるだろ」
「なんかオウカ、さっきから調べものして構ってくんないんだもん。アイスチラつかせれば構ってくれるかなーって」
「まーためんどくさいこと言い出した。さっきまでピッタリくっついてきてたのに離れたのお前だろ」
「クーラー付けちゃったから、くっついてもあんまりおもしろくないし」
「分かった分かった。じゃあ、ジャンケンして勝った方がアイスか?」
「んー……それじゃちょっと面白くないから。勝った方が相手にアイスを食べさせてもらえるってので、半分こしよう」
「俺が勝てば、アスカが俺にアイスを食べさせると」
「私が勝てば、オウカが私にアイスを食べさせます」
「めんどくね、それ?」
「楽しいから良いのー。それじゃ、ジャーンケーン……ポンッ!!」
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