会話44.夏休み前
「明日からー!! 夏休みだー!」
「そうだな、課題も割と出たな」
「止めて!! 現実を突きつけないで!! 課題は手伝って!!」
「いや、まずは一人で頑張れよ。わかんない所は教えるから」
「うぅ……オウカのおかげで私は最終日に慌てて宿題をやらなくて済むからすごく助かる……」
「助かってるのに、なんでそんなに苦しそうな声なんだよ」
「宿題が単純に嫌……嫌なの……。嫌がる私を無理矢理ヤラせるオウカ……悔しい……でもはかどっちゃう……!!」
「宿題は大事だ。頑張れ」
「スルー?!」
「ま、それはともかく明日から楽しい夏休みだ。楽しいこといっぱいあるぞ」
「そうだね、一緒に思い出たっくさんつくろう!! 何だったら夏休みデビューとかしちゃおう!! こう大胆に露出したり魅せたりしていこう!!」
「それは止めろ。夏休みデビューは割とカッコ悪い気がするぞ」
「あー、私が夏休み明けにギャル化しちゃってたら、オウカが私に何を教え込んだのかって噂になるよね」
「え? 俺のせいになるの?」
「そりゃそうでしょ。他の男とは一緒に過ごさないし。過ごす気も無いし」
「でもお前、クラスのギャル系の友達と一緒に遊ぶ約束してたろ。男連中来たり、ナンパされたりするんじゃねえの?」
「あー、あれね。大丈夫だよ。あの子たち、貞操観念しっかりしてるから」
「そうなの?」
「オウカは分かってないなぁ。格好と行動が一致するとは限らないんだよ。むしろね、清楚系の方が結構凄いことが多いよ、オウカも気を付けてね」
「俺が気をつけるような状況あるのか……?」
「清楚系の誘惑は危険!! これ豆知識ね!!」
「……それはあれか、つまりは自称清楚のアスカさんが、実は下ネタ大好きおっさん系女子だという事だから危険と言うことと同じことか?」
「ひどーい。私がそういうこと言うのはオウカしかいないのにさー」
「俺にも止めて欲しいんだが。たまに目のやり場に困るし」
「女は見られてキレイになるのよ……。見られて身が引き締まるの」
「確かにアスカ、キレイだもんな」
「……サラッと言うんだもんなぁ……。だからオウカ、これからも私をちゃんと見ててよね?」
「あぁ、分かったよ。ちゃんと見とく」
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