周囲9.口の中
「あぁ……鳥谷部先輩が……今日もカッコいい……」
「いや、あれカッコいいのか? なんかのたうち回ってるけど」
「うぴゃあっ!?」
「よう日紫喜、今日も可愛い奇声だな」
「われが後ろからいきなり声かけるきやろう!! やめとーせ!!」
「いやほら、なんか後ろから見てるだけのストーカーちゃんがいたから注意しないと」
「伊達山……あんた友達沢山いるろう……なんでわざわざうちに声かけてくるがよ」
「ダチと一緒に帰ってたらお前見つけたんで『好きな子見つけたから行ってくる』って別れた」
「おま……なんでそうあけすけなのよ……」
「まぁ、ロリコンとかお巡りさんこいつですとか言われたけど」
「……だったら……違う子好きになりなさいよ」
「え? 無理。お前だって鳥谷部先輩にフラれるまで違う人好きにならんだろ?」
「はぁ……もういいわ」
「だから俺はお前が先輩にフラれるまで待つ。一番近くでお前を慰めるのは俺だ」
「フラれるの……前提にしないで……」
「傷心中の女の子は落としやすいって言うしな」
「いや、そんないい笑顔で最低なこと言われても……」
「と言うか、鳥谷部先輩……なんであんなにのたうち回ってるんだ? 拷問された?」
「さぁ……? 何か食べさせてもらってた……みたいだけど……」
「ふーん……っておお、大胆だなあの二人。こんなところでキスしてるぞ?」
「え?!」
「あ、違う。なんか口開けて舌出してる?」
「驚かせないで……。でも……なんで?」
「さぁ、虫歯チェック?」
「アイスとか染みたのかしら……? ……あぁ……先輩……先輩の虫歯になりたい」
「いや、どんな願望だよ。歯医者に削られて終わりじゃねーか」
「うん、我ながら今のはないわ……」
「しかしアレだけみるとなんかエッチな感じするなー」
「……そうね」
「なぁ、俺に口の中見せて」
「嫌」
「食い気味に断られた」
「エッチな感じとか言われた後に……するわけないでしょ……」
「しまった、順番間違えたか」
「順番以外も何もかも間違ってるわ……」
「つれないところも可愛いぞ」
「……あんたに……言われても」
「顔赤いぞ?」
面白い、続きが気になると思われたらブクマや評価、レビュー等していただけますとやる気に繋がります。評価は1~5のどれをいただいても基本的に喜びます。
感想もお気軽にいただけますと喜びます。こんな会話が見たいなども歓迎です。
全てが執筆の励みとなります。




