周囲5.お膳立て
「ナイトプールって高校生でも来れるんだなー、初めて来たよ」
「ここは高校生OKの所だからね。ボクも初めてだよ」
「なんで俺誘って来たんだよ、風波見?」
「んー……実はね、ここ鳥谷部君に頼まれて調べた場所なんだよ。今日アスカを連れてきているはずだよ」
「は?! マジで?!」
「マジ」
「くそっ……ナイトプールデートって羨まし過ぎるだろ……しかも花野木さんと一緒って……!!」
「なんでも、今まで連れてったことのない珍しい所に連れて行きたかったらしいよ。それでここを教えたんだ」
「マジかよ……羨ましいなぁ……」
「……探しに行かないのかい?」
「偶然会ったなら別だけどよ、今日はお前と一緒に来たんだからお前と楽しむのが筋だろ」
「そっか……。で、どうかな? ボクの水着姿は? ご感想は?」
「なんつーか、語彙力ねーからなんて言っていいからわかんないけど、カッコいいな。競泳水着っぽい?」
「それは喜んでいいのかなぁ? ボクとしては可愛いと言われたかったんだけど?」
「いや、可愛いんだけどカッコいいって言うか……ごめんうまくいえねー」
「まぁ、いいよ。津江月に褒められたのならボクとしては嬉しいよ」
「……おう」
「……ねぇ、津江月? ホントにアスカの事が好き?」
「は?」
「いや、侮辱する気も他意もないんだよ。ただほら、ボクはアスカと友達だから、何だったら告白のセッティングくらいはしてあげられるよ? 結果は保証しないけどさ」
「お前それ、マジで言ってんの?」
「こんなことで、冗談は言わないよ」
「……考えとく、だからそんなしけたツラすんなよ」
「え? そんなにシケた面してた? このボクのプリティフェイスが」
「してたよ。今日はとにかく楽しもーぜ! その話は後だ!!」
「……そうだね、忘れて。とにかく今日は楽しもう」
「……あー……風波見……水着似合ってるよ。か……かわい……い……ぞ……」
「真っ赤になって無理して言わなくても……。ホントに可愛いな、津江月は」
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