会話20.勉強
「勉強ってさぁ……社会に出たら何の役に立つんだろうね……」
「数学は考え方がプログラミングとかに役立つって聞いたことあるなぁ、英語は学校教育は分かりにくいと思われがちだけど、単語だけでも理解できれば幅が広がるらしいぞ。国語は読解力を養えるし……」
「待って、マジレスやめて。ここは『社会に出たら学校の勉強なんて何の役にも立たないよなぁ』って同意するところでしょ」
「いや、聞かれたから俺なりの見解を答えただけなんだけど……」
「ここは同意して私を慰めて『今度アスカの大好きな激辛カツカレーを一緒に食べに行こう』って慰める場面でしょ!!」
「えぇ~? ひどすぎねぇそれ? つーか俺、激辛カツカレー食えねえよ」
「良いの!! ぶっちゃけ女の子は正論なんて求めないのよ!! 同意してくれる言葉を求めてるの!!」
「そう言ってお前、俺が「そうだな、役に立たねぇな」みたいな適当な同意したら怒るじゃん。晩飯にピーマン出してくるじゃん」
「そりゃ、心がこもってないからねぇ。何事も心がこもっているからこそ、相手の心に響くのよ。ピーマンは食べなさい」
「じゃあ、俺の見解も心に響いたはずだろ」
「響いたからこその悲しみなのよぉ……あぁ……勉強したくない……」
「結局それかよ……」
「オウカァ……私が就職に失敗したら助けてねぇ……」
「諦め早すぎだろ。俺らまだ高校生だぞ。大学すっ飛ばして就職かよ」
「うぅ……ニートになりたぁい……。オウカァ……私の事を養ってぇ……家事は全部私がやってあげるからぁ……」
「それ主婦じゃねえか?」
「……主婦」
「まぁ、今の世の中共働きじゃないと結構きついけどな。家事も分担してやらないと。うちの両親も揃って働いてるし」
「……それもそーだね。勉強頑張ろう。そんで就職ちゃんとしよ。最低限、幸せになるための努力は必要だもんね」
「お、おぉ。なんだ急にやる気出して。まぁ、やる気になるのは良いことだけど」
「幸せになろーねー、オウカー?」
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