周囲37.近い距離の二人
「シュウスイさん、恋愛映画とか好きなんですね。ちょっと意外っす」
「やっぱり、僕みたいなおじさんが恋愛映画好きって変ですかね?」
「意外っすけど、変じゃないっす。ウチも恋愛映画は好きっすから。一緒にこれて嬉しいっす」
「ありがとうございます。いやぁ、好きなんですけど独り身だとちょっと肩身が狭くて。メイリさんが一緒に来てくれて良かったです」
「欲を言えば、カップルシートがよかったっす」
「それはちょっと……周囲の目もありますし……」
「ウチは気にしないっすよ?」
「メイリさん。あなたが思うよりも世間の目はおじさんには厳しいものなんですよ。メイリさんみたいな可愛い子と僕みたいなおじさんがカップルシートとか……メイリさんにあらぬ誤解が生まれてしまいます」
「可愛いなんて照れるっす。じゃあちゃんとカップルっぽい感じにすれば大丈夫っすかね?」
「……ごめんなさい、嘘吐きました。僕が照れてしまって映画に集中できなさそうなんで、カップルシートは遠慮させてもらったんです」
「それって、ウチのことちゃんと女の子として見てくれてるって事っすか?」
「そうですね、メイリさんは可愛い女の子だと思っていますよ」
「なんかニュアンスが違う気もするけど、素直に喜んどくっす。あ、見てくださいシュウスイさん。うちの常連バカップルも映画見てたみたいっす」
「メイリさん。バカップルではなくちゃんとカップルと言いましょうか」
「ごめんなさいっす。でもみてくださいっす。腕組んでるっすよ。いーなー」
「若いことはすばらしいですねぇ」
「いーなー、いーなーっす」
「メイリさん……」
「シュウスイさーん。アレいーなーっす」
「メイリさんの圧が……。わかりました、僕で良ければ腕を組みますか?」
「わーいっす! シュウスイさんと腕を組むっすー!!」
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