会話105.両親不在
「ねーオウカー。今日泊まってって良い?」
「別に良いぞ。父ちゃんも母ちゃんも今日は帰ってこない予定だしな」
「へ? おじさんとおばさん見ないと思ったら出かけてたの?」
「あー、久々に母ちゃんが帰ってきたからデートだとよ。帰るのは明日だと」
「知らなかった。なんか朝から見ないーと思ってたけど……どこ行ったの?」
「車で温泉宿だと。なんかすげえ海鮮とか美味いらしい。もう昼から遊ぶつもりで朝4時に出かけてった」
「早くない?! まだ真っ暗じゃん……」
「ぶっちゃけ、軍資金を寄越したのもそれがあるしな。二人っきりになりたいけど自分達だけ豪勢なのは気が引けるって押し付けてった」
「それがオウカの洋服代と、パフェ代になったと。奢ってくれるから何かと思ったけど、そういう事だったんだ」
「別に気にせんでもいーのにな。二人で稼いだ金なんだし、二人の為に使ってもバチは当たらんだろうに」
「良いじゃない。あ、それでパパとママも二人でどっか出かける計画とか立ててたのかな?」
「アスカん所も?」
「うん。珍しいなと思ったけど、おじさんとおばさんに触発されたんだね」
「かもなー」
「あれ? ってことは……今日二人きりって事?」
「そうだな」
「いっつも夜はおじさんいたから、本当の意味で二人きりって何気に初めて?」
「んー……父ちゃんが飲み会で遅くなった時はあるけど、必ず帰ってきてたから……確かに初めてかもな」
「……」
「どしたアスカ?」
「ふ……不束者ですが……よろしくお願いします」
「いや、いまさら緊張しないでくれるか……こっちまで変に緊張するから」
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