周囲33.カップル未満
「日紫喜、なんかカップル限定パフェやってるみたい。食べたくない?」
「……うちら、まだ付き合うちょらんやろう」
「そうだけどさ。ぶっちゃけ、パフェ云々よりカップルに見られたい」
「そうやね、それじゃ入ってみよっか」
「へ?」
「へ? って何を驚いちゅーのさ? 入りたいって言うたの伊達山やろう?」
「いやその、てっきり嫌がったり恥ずかしがったりするもんだと……」
「まだ付き合うちょらんだけで、どうせそのうち付き合うがよきええろう」
「結婚しよう、日紫喜」
「一足飛びすぎ」
「だーってよ! んな可愛いこと言われたら男としては言わざるを得ないだろ!」
「そがな勢いで求婚してもええが? うちより魅力的な女の子出てきたら後悔するよ?」
「するわけねー。日紫喜以上の女の子なんていないからな」
「そっか……嬉しい。伊達山大好き」
「キスしていい?」
「まだだーめ」
「なんでだよー。俺ら両思いだし付き合ってもいいじゃん。最近は毎日一緒にいるし。なんで付き合わないの?」
「……だって不公平やない?」
「不公平? 何がさ?」
「伊達山はずーっとうちと一緒におってくれて、好きだ言うてくれて、我慢させちょったのに……。うちだけ我慢せんで、即座に伊達山に甘えてしまうのはさ」
「……はい?」
「やき、せめて話も伊達山と同じ位は我慢せんと……」
「あのー、日紫喜さん? それとても致命的な欠点があるのですが?」
「欠点?」
「日紫喜が我慢してる期間、俺も我慢してるんですけど……。そうなると永遠に付き合えなくね?」
「……はっ?! そうかもしれん!?」
「やべえ、俺の好きな子ポンコツ可愛い」
「うー……やけんどうちも我慢せんと釣り合いが……やけんどそれだと……」
「逆に考えよう日紫喜」
「逆に?」
「今まで我慢してた分を発散させてくれればいいんだ。そうすれば釣り合いが取れる」
「なるほど」
「だからキスを……」
「ここじゃだーめ」
「ちぇー」
「……家帰ってからね」
「ッ!? よし、そうと決まればパフェ食べて帰ろう! あ、店員さんカップル2名で!」
「もう、浮かれすぎ。あれ? あそこに鳥谷部先輩……花野木先輩とパフェ食べさせおうちゅー」
「いいなあれ! 俺らもやろう」
「……うん」
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