会話97.オウカと花野木母
「オウカ君、こうやって二人でお話しするのも久しぶりよねぇ」
「ですねー。ママさんお久しぶりです」
「あらあらぁ。今もママさんって呼んでくれるのねぇ、嬉しいわぁ」
「昔、ママさんに失礼なこと言ったらめっちゃ怖かったのがトラウマですから……」
「そんなに怖かったかしらぁ?」
「えぇ……。女性には気遣いをしなきゃいけないって幼いながら学びました……」
「今の紳士なオウカ君の一助になれたのならよかったわぁ」
「それで、俺に話ってなんです?」
「そうねぇ……オウカ君って彼女欲しくないのかしらぁ?」
「彼女ですか?」
「そう、年頃の男子高校生なんですものぉ。好きな子の一人や二人いてもおかしくないでしょ?」
「いや、好きな子は一人ですよね……」
「そういえばそうねぇ。それで、オウカ君は好きな子いないのかしらぁ?」
「特にいないですね」
「いないのぉ?」
「まぁ、アスカいますし」
「……詳しく」
「え? ママさん目が怖い……。いやほら、アスカって料理上手いし、甲斐甲斐しいし、下ネタ好きだけど明るいし」
「続けて」
「幼馴染で気心知れてるから居心地良いし、気遣いできるし、いつも俺の事考えてくれるし……」
「オウカ君は……アスカとお付き合いする気は無いのかしらぁ?」
「まぁ、アスカ俺の事を男として見てないですからねぇ」
「へ?」
「ことあるごとに下ネタ言ったり俺を誘惑してくるし。かといって本気になって迫れば拒否してくるし」
「……」
「そんなもんだから、アスカのことが女として好きなのかいまいちわかんなくなってまして……」
「えっと……じゃあアスカに好きな人ができたらどうするの?」
「アスカを任せるに相応しい人間かどうかを調査し、見極め、そうでなければ全力で排除します」
「父親? 父親目線なのぉ?」
「俺はアスカが幸せになるために行動するだけです」
「んー……、オウカ君はアスカのこと好き?」
「好きですよ。大事な幼馴染みですからね」
「だいぶ拗らせてるわぁ……」
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