会話84.のんびり移動
「なんか今、伊達山の叫び声が聞こえたような気が?」
「伊達山君って後輩の? まさか来てるのかな?」
「多分。好きって聞こえてきたから、例の女の子も一緒なんじゃないかな?」
「それじゃあ、邪魔しちゃ悪いね」
「だな。デート中だろうから邪魔しちゃ悪いよな。しかしまぁ、あいつすげーよな。こんなとこでも好きって言えるんかい」
「オウカは人前では好きって言えない方?」
「やったことないからわかんねーなー」
「んじゃ、やってみる?」
「やってみるとは?」
「オウカのこと、好きだよ」
「俺もアスカのこと好きだよ」
「あっさり言えてんじゃん」
「あっさり言えたな。自分でも驚きだわ」
「やっぱり幼馴染みだねぇ、私たち。お互いが好きなのが大前提だもん」
「まぁ、今更アスカを嫌いになる理由はないよなぁ」
「そう考えると、伊達山君はやっぱりすごいねぇ。人前であんなにあっさり好きって言えるんだから」
「すごいよなぁ。俺も見習わないとなぁ」
「……そう言えばさ、後輩お二人さんはデートなわけだけどさ?」
「ん? そうだな、あいつらデートだよなきっと」
「私たちのこれも、デートなのかな?」
「どうなんだろ? アスカと遊びに行くのって普通だから、デートって意識したことないよな」
「そうなんだよねぇ……いつものことだから……」
「前も話したけど、俺らってちゃんとしたデートしたことないよな」
「だよねぇ」
「それじゃあ、今度俺らで初デートしてみるか」
「……マジで?」
「マジで。俺ら色んな初めてを共有してるんだし、初デートの相手がお互いでも良いだろ」
「良いねぇそれ、楽しそう」
「プランは後々考えるかー」
「うん! 楽しみだねぇ、初デート」
「問題はさぁ……。初デートって何すれば良いかってことだよな……だいたい一緒に出かけてるから……」
「確かに、それは難問だ」
面白い、続きが気になると思われたらブクマや評価、レビュー等していただけますとやる気に繋がります。評価は1~5のどれをいただいても基本的に喜びます。
感想もお気軽にいただけますと喜びます。こんな会話が見たいなども歓迎です。
全てが執筆の励みとなります。




