周囲27.晴れての二人
「日紫喜、焼きそば美味いぞー。ほら、食べさせてあげるぞ」
「うん、ありがと……美味し」
「なんだよ、まだ元気ないな。俺は嬉しかったんだけどなぁ。日紫喜が好きって言ってくれて」
「だって、最低やない。伊達山の事なんとも思ってない風にして、鳥谷部先輩好きって言っといて、こんなタイミングで……」
「最低じゃない!」
「伊達山?!」
「俺は日紫喜が好きだ!! 大好きだ!! その日紫喜が俺に好きだって言ってくれたんだぞ!! 嬉しいに決まってる!! 最低なんかじゃねーよ!!」
「だ……伊達山、声おっきい!! みんな見ゆーき!!」
「何度でも言ってやる!! 日紫喜は最低じゃない!! 俺達もうこれで両思いだろ!! 俺がお前を幸せにする!! 約束する!!」
「落ち着いて!! 座って伊達山!!」
「大好きだぞ日紫喜!!」
「分かった!! 分かったからぁ!!」
「元気出たか?」
「……」
「あ、あれ? 日紫喜? むくれてどしたの? 怒った?」
「……プッ」
「日紫喜さん?」
「アハハハハハ、もー!! 伊達山おらばんでよ!! 落ち込む暇ものう強制的に元気にさせられてしまうよ!!」
「良かった、やっと笑ってくれたなぁ」
「そがなんされたら、笑うてしまうよ。なんかもうカッコ悪いなぁうち」
「カッコ悪くないよ。気持ちを素直に言ってくれて嬉しいし。日紫喜は最高に可愛い女の子だ」
「またそがなことを言うて……。うちも改めて言うわ」
「ん?」
「好きちや、伊達山」
「……」
「どいたが、頬を抓って?」
「いや、天使が目の前にいたから幸せ過ぎて夢なんじゃないかって。真正面から言われるとマジで天使だな日紫喜」
「大げさな……」
「これで両想い……夢にまで見た両想い……!! これで俺と日紫喜は恋人同士に!!」
「あ、好きって言ったけどその……付き合うのはもうちょっと先でも良い? 勇気が……」
「えー? なんで……ってあれ? なんだろ? 監視員さんが近づいてきてるぞ」
「ほんとだ、なんやろう?」
「監視員さん何か……え? 俺が子供を泣かせてる? いや、違うんですこの子は同い年の俺の彼女で、いや、違います、犯罪じゃ無いです、ちゃんと同い年です、話聞いてください」
「しまらんなぁ、うちの好きな男の子は」
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