周囲26.気持ちの変化
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「おーい、日紫喜やーい。昼飯買ってきたぞー。焼きそばとホットドッグとー」
「……っ!!」
「って、あれ？ 日紫喜どした？」
「伊達山……」
「ど、どうした日紫喜?! なんかしょんぼりしてるし、顔色悪いぞ?! 寒いのか？ 上着着るか？」
「う……ううん、違うが。なんでもないが。気にせんで。お昼ありがとう」
「いや、何でもあるだろ何見てた……って……あれ？ 鳥谷部先輩たち？ おいおい、なんか抱き合ってねーかあれ？ 相変わらず仲良さそうにしてるなぁ」
「そうやね、凄い仲良さそうちやね……」
「日紫喜……。そうだよな、鳥谷部先輩が好きなお前としてはあの光景は辛いよな。俺じゃ代わりにはならないかもだけど……」
「違うが……そうやないが」
「違うのか？ じゃあなんでそんなに辛そうな顔……」
「うち、鳥谷部先輩を見ても何も感じんなっちゅーが」
「……え？」
「前はあんなに好きで、見たらドキドキして、後を付けまわしてたのに……。今は花野木先輩と一緒のとこ見ても、幸せそうやなって思うだけで……何も感じんの」
「……何も感じない？」
「うん、何も感じんの。やけんど、伊達山がうちに駆け寄ってきて笑顔を見せてくれた時に、ドキっとしたが。なんで？ うちは鳥谷部先輩が好きやったはずなのに……。なんでなが？」
「日紫喜……」
「そう思うたら自分の浅はかさが嫌になったが。先輩が好き好き言っといて、こがな簡単に伊達山に乗り換えるとか、伊達山が好きになるとか、伊達山にも失礼やない」
「日紫喜……泣くなよ」
「ごめんね、せっかく一緒に遊びに来たのに。……せっかくの楽しいデートなのに……うち最低ちやね」
「そんなこと無いだろ。俺は日紫喜が好きなんだし。問題ない。むしろ嬉しいよ」
「そう……なのかな？」
「お腹空いてるからそんな考えになるんだよ!! ほら、お昼食べようぜ!! 気持ち切り替えて、今日は楽しもうぜ!!」
「……ありがと、伊達山」
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